決意
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
シルマリク辺境伯は、真っ二つになったメイド長を土魔法で服を着たままその全てを砂へと変え、風魔法で開け放った窓から一粒残さず吹き飛ばした。
「あ、あなた… 」
「言いたいことは判っている。この責任は俺が取る。お前は何も知らなかった。目覚めたときには終わっていた。それで良い。」
「姉上のことですか?」
「そうだ。古来よりハイエルフとして生を受けた者は、エルフの王であるという為来り(しきたり)がある。これを覆すことはエルフとしては神に背く行為だ。しかし、キミの姉上がそれを遵守することはない。神獣であるフシオ殿を陥れ、幻獣達を支配下に治めていることだけでも神の教えに背いている。」
そう言って、シルマリクはジッと自分を見つめる赤子を見て、複雑そうな表情を浮かべた。
「今の私達にこの子を護る術はない。この子が成長すれば現況は変わるが、それを待つだけの余裕もない。」
「どうしようと言うのですか?」
「サリテューユ王には、この子がハイエルフであることは絶対に知られてはいけない。その為には、この情報を知っている者は少なければ少ない方が良い。メイド長のアルミは、キミが王城から連れてきたエルフだ。王とも繋がりがある。危険を考慮すれば生かしておくことはできなかった。本当に申し訳がない。」
アミレイラは、夫が言う意味がしっかりと理解できていた。エルフにとってハイエルフであるということは、まさに神であると同義であった。
まさか自分の娘がそんな存在になるとは思ってもいなかったが、その娘が争いの中心になる危険性は十分に理解できていた。
「髪の毛を黒色に、瞳も黒色にする変化の魔法を娘にかけるが構わないか?これは呪いの魔法の一種で魔臓の働きを封じる。故に魔法をすべて失うことになる。私が解除するか、娘の潜在魔力が、私の魔力量を超えるまでは決して解けることはないであろう。しかも黒色の瞳と髪は、エルフにとっては無能の証だ。果たして、娘がそれに耐えることができるのか?娘にそんな過酷な仕打ちをしても構わないのだろうか?」
「構いません。それが娘の命を救うのなら、私もそれを選択します。」
そう言って、アミレイラは夫に抱きつき泣いた。無能を産んだということになれば、夫も私も、今の立場を失う可能性が高い。エルフにとって、黒髪黒目はそれほど侮蔑の対象になるのは間違いなかった。
シルマリクが、小一時間ほどの長い呪文を慎重に唱え続けると、部屋中に真っ黒な闇が広がり、僅かな先も見通せないほどとなった。
そして、唱え終わると同時にその一筋の光も通さない闇は、まるで吸い込まれるように娘の身体に染み込むように消えていった。
それと同時に明るく白銀色に輝いていた髪は、闇夜に溶け込むような真っ黒なくるくるした巻き毛の髪となり、虹色に輝いていた瞳は、一切の光も映さない漆黒の瞳へと変化した。
アミレイラは、そんな娘を強く抱きしめてひたすらに泣いた。零れ落ちる涙は、留まることを知らず、ポロポロポロポロ流れ続けた。
それを見るシルマリクの顔には、妻に対する憐憫の感情は伺えたが、哀しみよりも野望を感じさせるギラギラした瞳と、事を成したあとのようなやり切った感を感じさせた。があった。
そんな時だった。軽薄そうな声が入り口から聞こえ、何も許可を得ることなく、そのまま開かれた。
「辺境伯様ぁ、お待たせしました。スミイルです。何か御用ですか?」
アミレイラは、娘を隠すように抱きしめ、シルマリクは、スミイルの視界を隠すように立ち塞がった。
「あれ、あれぇ。娘さんに何かトラブルがありましたか?このスミイルが何でも解決いたしますよ。」
そう言って、シルマリクに束縛の魔法をかけて押しのけると、アミレイラが抱きしめている娘を奪い取った。
「あれま、黒髪黒目ですか。まさか王妹と辺境伯様の娘さんが、出来損ないの無能とは、これはもう処分案件ですね。私が何とかいたしましょう!お任せあれ。」
その言葉を言い切らぬうちに、シルマリクの長剣がスミイルに振りおらされたが、目の前に産まれたばかりの娘を出され、慌てて剣を止めた。
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