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【第一部完結】アストレア〜Astraea〜神々の見棄てた大地  作者: 紫兎★
とある家族の異世界転生
90/200

エルフ王国北部辺境伯

投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。

更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。

よろしくお願い致します。

「シルマリク様、メイド長の見立てでは、アミレイラ様が産気づかれたようでございます!指示をお願いします。」


「何?急いで賢者スミイルを呼べ。一昨日妻を診察してもらった時には、奴はまだ一ヶ月は生まれないと断言しておったぞ!」


メイド長のアルミの言葉により、エルフ王国辺境にあるシルマリク辺境伯領では、久しぶりの出産に上を下への大騒ぎが生じていた。


妻のアミレイラは、現在のエルフ王サリテューユの妹に当たり、子供の少ないエルフにとっては、例え降嫁したと言っても久々の王族の誕生であった。


サリテューユにとっては、古王国の血を引くシルマリクに妹を嫁がせることは冒険であったが、古い血を持つ彼と妹では子供の産まれる可能性は低いと考えてその婚姻を認め、より安定した支配を目論んでそれを許していた。


「まだか!まだスミイルは見つからないのか!何のために高いお金を払って宮廷魔導士として雇っているのだ!役立たずめ!」


妻の部屋の前で、右へ左へとクマのように右往左往しているシルマリク辺境伯の耳に、大きな赤ちゃんの泣き声が届いた。


「う、産まれたか!」


「お館様!女子(おなご)でございます。(たま)のような女の子でございます。」


メイド長のアルミが、勢いよくドアを開けて飛び出してくると、


「ウォォォォォォォ!」


とシルマリク辺境伯は絶叫をあげて、その喜びを表現した。


「でかし… 」


褒め言葉を与えようとした彼は、その時メイド長の顔色が悪いことに気づいた。


「どうした?悪い知らせか?」


その言葉に、メイド長のアルミは部屋の扉を開け、シルマリク辺境伯のみを部屋へと誘導した。


妻の容態が悪いのか?赤子の容態が悪いのか?そんな不安に苛まされながら、カーテンで仕切られたベッドに近づいていくと、満面の笑顔を浮かべた妻に抱かれた娘が目に入った。


娘は白い大きなバスタオルに包まれていたが、泣いてはいなかったが両手はよく動いており、元気であることが想定された。


色の白い肌に、白に近い銀色に少し虹色の混じった髪は、とても神秘的で美しかった。


「… 白い髪?」


シルマリク辺境伯が、急いでベッドへと駆け寄ると、その赤子は、それに気づいて満面の笑みを浮かべて彼を見た。


「に、虹色の瞳… 」


種族に関わらず、白い髪に虹色の瞳を持つものは、全ての魔法に適正があり、莫大な魔力量を有するとされていた。もしもエルフにそのような子が産まれれば、それは神の特性を持つ子とされ、先祖返りであるハイエルフであると伝えられていた。


「ハイエルフだというのか?」


古王国の血を引くシルマリクは、『ハイエルフが誕生した場合は、それがいかなる生まれであっても、エルフを率いる者であり、生まれながらにしてエルフの王である。』という伝承を受け継いでいた。


この国は、先の戦乱もどうやら乗り越え、やっと安定を取り戻してきたばかりである。ここで王となるべきハイエルフが誕生したとなれば、現王を支持する者達と、この子を支持する者達との間で、再び戦乱が起こる可能性が高いことは容易に想像がつき、特に現王であるサリテューユは支配欲、顕示欲が強く、容易に王位を移すことなど考えられず、争いが生じることは間違いないと断言できた。それは同時に、自分がエルフの王に立つ可能性が完全に消失することも意味していた。


シルマリクは頭を抱え込みながらも、回らぬ頭をフル稼働し、このことを知っているのは妻と私とメイド長だけであることを思い出した。


そして決意を固めると、妻の世話をする為に寄ってきたメイド長を一刀のもとに斬り捨てた。


「あ、あなた、何をするのですか!」


最後までお読み頂き誠にありがとう御座います。

何分にも素人連合でございますので、御評価頂けますと、今後の励みになります。是非とも最下部に設定されている☆☆☆☆☆でご評価頂けると有り難いです。

よろしくお願い致します。

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