白い空間3
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
霧の漂う白い空間に、三人の姿があった。
「親父、これってあれだよな。」
「あぁ、転生の間だろうな。」
「転生の間って、よくネット小説とかで出てくるあれのこと?」
「そうあれのことだなどと話す三人の頭の中に声が響いた。
「マミアの夫と、二人の子達よ。アストレアにようこそ。私はこの世界の神の一柱であるアルテミアと申します。」
三人の頭の中には、マミアという固有名詞は存在しなかったが、不思議とそれが先日他界した妻であり、母であることが理解でき、三人は顔を見合わせた。
「マミアは私からの使命を受けて、あなた方の世界へと転生しておりましたが、その使命を無事に終えて、この世界へと帰って参りました。彼女は既に転生を果たしましたが、私と彼女との間で、あなた方家族が寿命を全うした際には、望むならばこちらの世界へと転生させてほしいとの約束を交わしました。私の一存では世界を越えての転生は不可能ですので、既にあなた方の暮らしていた世界の創造神には話を通しており、本人が望むならという条件で、転生を認めて頂いております。あとはあなた方の決断次第です。どうなされますか?」
その女神の言葉に、すぐに頷きかけた夫と娘だったが、それを息子が止めた。
「確認したいことがあります。構いませんか?」
「私達は記憶を持ったまま、同じ姿で転生するのですか?」
「ある程度の記憶を持ったまま転生することは可能ですが、産まれる種族を特定することはできません。それに産まれて間もない赤子が、今あなた方が所有する記憶を持つというのは不可能です。加齢とともに少しずつ記憶が戻ってくるようにするのは可能であると考えてください。しかし重要な、例えば自分達がマミアの家族であるという記憶などは、産まれ落ちた時から所有すると考えてもらって差し支えありません。」
母の記憶を失わないと確認した子供達は、軽く頷いた。
「私達は、家族として転生するのですか?」
「いいえ、それは不可能です。三つ子に同時に転生する可能性は零ではないですが、ありえないと判断します。同一場所に転生することはまずありませんし、同一種族に転生する可能性すらないかもしれません。」
「えぇ〜、そんなの出会っても家族かどうか判らないじゃん!」
娘の言葉に頷いた父親が、更に質問を重ねた。
「家族を見回して気づいたのですが、私達は三人ともに妻の形見であるガラス製のクロスペンダントを身に着けています。これを転生先に持っていくことは可能ですか?」
女神は、人差し指を顎に当て、少し顔を傾けながら、少し考え込むように答えを返した。
「それぐらいならば可能でしょう。ただし、あなた方の暮らしていた元の世界と違い、何の力もない人間が生きていくのには、かなり厳しい世界だと言えます。奪われたり無くしたりすることもあります。それぞれに小さなポケット並みの収納空間を付与して、その中に収めておくこととし、ある程度の成長したあかつきに取り出せるようにしてみましょう。それで構いませんか?」
「助かります。有り難うございます。」
「それでは、そろそろ転生の作業に移りたいと思うのですが?」
その言葉を聞いた息子が驚いたように尋ねた。
「えっ?優良スキルの付与とか、特殊職業の選択とかは無いんですか?」
息子の言葉にやっぱり言いやがったという表情をした女神が答えた。
「何か勘違いしているようですが、これは私が招聘した転生ではありません。ただ所属する世界を変更するだけのものです。あなた方がよく口にするチートというものはありません。産まれ出た種族が持つ特性が全てだと考えて下さい。」
その言葉に衝撃を受けながらも息子が尋ねた。
「種族を選択するのは…」
「無理です。今のあなた方の魂の格に合った種族が選択されます。」
落ち込む子供達の手を取り、家族三人が輪になり円陣を組んだ。
「例え何に生まれ変わろうとも、俺達が家族であることに変わりはない。再び出会い、ママを探し出すぞ!」
三人は歯を食いしばり、大きくウンウンと頷いた。
「「「よろしくお願いします!」」」
手を握りしめたまま、三人の声が揃い、杖を掲げた女神の仕草に合わせて、彼らの姿が徐々に薄くなり始めていた。
「いいか!前の世界では絶対に会えることのできなかったママちゃんに会えるんだ!気合い入れろ!絶対に見つけるぞ!」
「「オゥ!」」
「獣がペンダントしてても、しっかり拾ってね。」
「「バカ、縁起でもないこと言うな。」」
娘の言葉に二人が応えるように、三人の姿は空間から消えていった。
「ふぅ、終わりましたね。マミア、一応約束は果たしましたからね。あとはあなた達次第ですが、難しいでしょうね。」
そう言いながら、一仕事終えたというような雰囲気を醸し出して、アルテミアは大きく背伸びをすると、人が変わったように態度を変えた。
「あぁ、かったるかった!私も早くこんな世界から逃げ出したかったのに、あの糞ウラノが最低の責任だけは果たせなんて言うから最後まで残ってたけど....ホント煩わしい仕事を押し付けやがって..それ言うなら、あんたがこの世界の面倒を最後まで見るのが責任ってもんだろ。他人に厳しく自分に甘くじゃ、誰も付いてこないっていうの。本来は主神であるはずのクロノをあんたがハメた時点で、この世界は終わったんだよ。なんで判らないのかね。」
などとブツブツ愚痴をこぼしながら、彼女もその白い空間から消えていった。
アルテミアは気づかなかったが、三人が転生していった時、何処から湧いたてきたのか朱、金、蒼の三つの光の珠が、彼らを追いかけて消えていった。
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