白い空間1
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
気がついたら、見渡す限りが白い霧のようなもので覆われた場所だった。
ここはどこだろう?天国なのかな?でも周りに誰もいないから違うのかな?三途の川とかあって、死んだ人がゾロソロ歩いているイメージがあったけど、ここはそんなんじゃないし、不思議な場所だな。
私はこれまで、人は死んだら閻魔様に裁かれて、天国行きか地獄行きかが決まると単純に思っていたから、今の状況は全く理解できなかった。私はどうなるんだろ?
何もすることがなく、膝を抱えて座り込み、もう会えない家族のことばかりを考えて、涙をポロポロ流しながら、ぼーっとしていると、空間にリンとした鈴を鳴らすような声が響いた。
「マミア、お疲れ様でした。魔力も神力も、精霊力もない世界は、なかなか大変だったのではないですか?」
その声を聞いた途端、頭の中に覚えのない記憶が爆発するように膨れ上がった。
「アルテミア様?」
彼女は私の上司で、前の世界アストレアの主要十二神の一柱である法と掟を司る女神だった。
「あの世界には魔素が一切存在しませんから、生きることも大変だったのではないですか?あなたの魔臓も体内で僅かに生成される魔力も行き場を無くしたはずですから、体調にも問題が生じませんでしたか?」
その言葉で、私の原因不明の病態の理由が完璧に理解できた。
パァパ、やっと原因判ったよ。病気じゃないんだから、パァパが診断できなかったのも仕方なかったんだよ。
「あなたは、あちらの世界で十分に信頼できる人と出会うことができたのですね。あちらの神が、他の世界の神の干渉や観察を許しませんでしたから、私も確認することができずにとても心配していたのですが、安心しました。」
私の思考を読んだのか、アルテミア様は優しく微笑んだ。
「配下の者をこの世界に直接降臨させることは、法に厳しい創造神の定めた法を破ることになるので行うわけにもいかず、別の神が創世した世界に一旦転生させて呼び戻すことで、一時的にあなたの所属を変更して顕現させることにしましたが、それがあなたの魂にどんな影響を与えるかも判らず、そのことでも大変心配していたのです。」
「えっ?私は今後転生しても、夫や子供達に会うことは不可能なのですか?住む世界が異なってしまうということですか?」
極端に落胆した表情をしていたのだろうか、アルテミア様はすぐに言葉を返してくれた。
「そうですね。元々の所属する世界が異なりますから、残念ながら、時間軸のことを抜きにしても出会うことはないと思います。」
私はあまりの衝撃に全身から力が抜け、呆然とした顔の上を、熱いものがポロポロと流れ始めた。それに驚いたのは女神様だった。私がこんなに動転してしまうことが理解できずに、なんと声をかけて良いのかも判らず、アタフタしてオロオロしながら言葉を加えた。
「判りました。あなたの家族がこちらの世界への転生を望むなら、あちらの創造神にお願いして、私が何とかしましょう。それをあなたへの報酬としましょう。」
「本当ですか!お願いします。きっと、きっと家族もそれを望んでいます!ぜひよろしくお願いします。」
私のあまりの豹変ぶりに少し身を引いたアルテミア様だったが、そこは女神らしく威厳たっぷりに肯定した。
「ただ注意してもらいたいのは、彼らはすぐに転生するわけではありません。あちらでの寿命を全うするまでは、これまで通りの生活が続きます。あなたの転生の時間とはいささかずれると思いますから、彼らが転生してきたとき、あなたは既に大人になっている可能性もあることを頭に入れておいて下さい。こちらの世界で転生を繰り返せば、いつか時間軸が重なる可能性もありますが、天文学的な確率だということも理解して下さいね。あなたが転生した個体が魔力の高い個体であれば、老化はかなりゆっくりとなると思われますが、そのことは忘れないで下さいね。」
唖然としてしまった。子供達が寿命を迎えるまでは、どんなに短く見積もっても五十年近くは、先になるだろう。夫に限れば二、三十年位かもしれないが、そんなに年の差のある出会いは辛すぎる。それこそ大人と子供、お婆ちゃんと孫の関係になるだろう。それはあまりに辛い。
私は家族が自慢できる綺麗で可愛い母親のままで居たい。我儘かもしれないけど、そんな出会いはしたくない。私は覚悟を決めた。
「アルテミア様、もしも家族が私のことを忘れられず、こちらへの転生を強く望むならば、よろしくお願いします。でも、彼らが既に幸せな生活を送っているならば、そのままそぉっとしておいてあげて貰えますか?」
「あなたは、それで良いのですか?」
その言葉に私は言葉が詰まり、すぐに返答を返せなかった。
「今は、私も家族も別離の衝撃が強過ぎるほど強いですから、今のこの時なら転生を強く望むと思います。でも、人は忘れる生き物ですから、いつか私の記憶も薄れて昇華されていくように思えます。立ち直って、幸せな生活を送っている家族を無理に転生させたいとは思いません。」
女神はしばらく黙り込んで、少し考えを纏めてから言葉を返した。
「あなたも自信が無いのですね。判りました。私もあなたの家族を強引に転生させることはしません。だから、安心して下さいね。」
その後、暫く私の前世の生活の話を交わした私達の会話は、この世界アストレアのことへと移っていった。
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