プロローグ2
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
部屋に入ってきた救急隊員に、改めて経皮酸素モニターを装着されて測定されたが、数値は相変わらず低いままで、夫の説明を聞いた救急隊員は、家族と相談の上で私を救急センターへと搬送することに決めた。
「どうしたの?どこかへ行くの?病院へ行くの?」
私は救急隊員の担架によって玄関まで運ばれると、ストレッチャーへと移された。
「酸素最大投与していますが、酸素モニターの数字は改善しません。」
どうも私の身体は酸素を投与されても、それを取り込むことができないみたいだった。
「胸を苦しがったり、痛がったりはしていませんか?」
「一瞬痛がったのですが、直に改善して、それから顔色が悪くなったような気がします。聴診したときに心臓が短い時間止まっていたように思えたので、不整脈とか狭心症、肺塞栓が考えられるかもしれませんが、はっきりしません。モニターの数字の割に意識もはっきりしてますし、苦しがってもいませんので、検査してもらわないと判らないです。」
私を運ぶ間に、救急隊員は夫から私の病態を確認し、私を乗せた救急車のスタッフは、私のかかりつけである〇〇女子医大に連絡を取った。
十五分程待たされて帰ってきた答えは、受け入れ拒否で、私は地元の救急センターへと運ばれることとなった。
「三十年以上通院して、入院も検査も任せていたのに、本当に緊急事態となったら受け入れ拒否かよ!なんてクソ病院だ!」
「仕方ないかもしれないよ。あそこはコロナの指定病院で救急はコロナがメインだから。ママがいた病棟もコロナ専門病棟に変わっちゃったみたいだから。」
夫は激昂して自分で電話しようとしていたが、娘に止められて折れたようだった。
「それでは、救命センターに向かいます。」
走り出した救急車の中で、入院してしまうと、コロナの関係で家族の面会はできなくなり、また長い間一人で入院生活を送らないといけなくなると思った私は、今しか家族と話すチャンスはないと思い、たくさんの会話を重ねた。
「行きたくないなぁ。やだなぁ。帰りたいなぁ。」
「仕方ないよ。酸素モニターの数字が全然上がらないからね。原因を調べてもらって、しっかり治さないと長い入院になってしまうかもしれないからね。」
手を握りながら、夫が優しく判りやすく話してくれるが、家族と離れたくない私は駄々をこねた。
「どうして?行きたくないなぁ、ヤダなぁ。帰りたいなぁ。ダメなの?」
「ママ、しっかり治して、またみんなで食べに行ったり、泊まりに行ったりしたいから、キチンと治さないと。」
「そうかぁ....でも行きたくないなぁ。一人はヤダなぁ。」
そんな話を、夫と娘としているうちに救急車は、救命センターの駐車場へと滑り込んでいった。
救急車に乗れなかった息子は、自分の家の車で追いかけて来ているようだった。
「コロナのワクチンは射ってますか?」
「四回射ってます。」
「最後はいつですか?」
「去年の十月です。」
夫が救命センターのスタッフと話している間に、私はPCR検査の綿棒を鼻に突っ込まれていた。あまりの下手さに怒りを覚えた私は、名を聞いてきた別のスタッフに大きな声で名前を答えていた。
思えば、これが良くなかったかもしれなかった。私がコミュニケーションを取れる状態と判断した彼らは、私の家族を別室へと誘導してしまった。
その後の彼らの問いかけに、支離滅裂な訳の分からない言葉を返す私に、彼らは戸惑って手を止め、不安になった私が大声で夫を呼び、家族に助けを求めてベッド上で暴れ始めると、両側に付いていた看護師がのしかかるように私を押さえつけ、それでも暴れるのを止めない私の身体を強く圧迫した。
そんなことをされれば、脳出血後にとても吐きやすくなっていた私は、案の定嘔吐してしまい、その吐物で喉を塞がれてしまった。何とか息を吸おうとした所で、喉にあった吐物を誤嚥してしまい、そのまま完全に窒息して意識を失った。
ボンヤリした意識の中でも、私は気管内挿管され、人工呼吸器に繋がれて、人工呼吸器がスムーズに機能するように、おそらく薬を使われて意識を落とされているのだと朧げながら理解した。
もしかしたら、もう家族に会えないかもしれない。そう思った私は人知れず涙を流した。この涙の意味を、ここのスタッフは理解しているのだろうか?
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