そして
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「「・・・・・」」
二人とも固まってしまい、声を発することができなかった。
「少し解説してもらっても構わないだろうか?」
瑠夏は、現代の東京レインボーブリッジ周辺の状況を、自分の知る限りの範囲でこと細かに説明した。
タワーマンションの中に数千人が暮らしているということ、それらがどれも百メートル以上の高さを誇ること、巨大な橋は二層構造をしていて、運転者のいない電車が運行していること、橋の上の車は時速百キロ以上の速度(具体例を出して)で走行していること、海に浮かんでいる船は三百メートル以上の長さがあり、かなり多くの荷物を一度に運べることなどなどを説明していった。
最初は、は〜とかへ〜とか言いながら聞いていたが、後半は食い入るように目が真剣になり、二人して質問を次々と重ねてきていた。
二人が一晩驚いたのは、これだけの建築物や構造物が、魔力や魔法を一切使用しないで造られていることだった。
「人間とは、魔法がなくても、これだけのものを産み出すことができるのか。」
「一人の突出した人間が、これらを発明、維持するわけではなく、それぞれ一人一人がそれに貢献しているのか。」
二人の日本大絶賛が肌寒くなって来た頃に、たまたま発したケビアスの一言が流れを変えた。
「こんなに豊かな生活なら、戦争や争いなど起こらないんだろうな。」
「とんでもないよ。妬みや、虐めなんかも普通にあるし、ただの興味本位で一人を集団で叩くことも普通にあるよ。」
その言葉に、二人はかなり驚いたようだった。
「僕は、人間全員がそうだとは思わないけど、中には自分基準でしか考えられない人がいて、自分より裕福な人、信望のある人、見栄えの良い人、頭の良い人などなど、自分より優れた所を持つ人を妬む人が普通にいるんだよ。ただそんなことから争いが始まることが多いと思うんだ。この世界でも同じでしょ?」
その言葉を聞いて、二人は真顔になった。
「でも、それは人として当たり前の感情だろ。ドラゴンにも似たような感情があることは否定できない。」
「殆どの人はそうは思っても、じゃあもっと頑張ろうとか、優しくなろうとか、自分を良い方向に変えていこうとするんだけど、大して努力もしないのに、勝てないなら相手を落としてしまおうと考える人がいるんだと思う。僕にはそんな風に考えている人を正しい方向に持っていく力はない。だから上には立てない、立つ資格がないと思ってしまう。」
その言葉に、場は急に静かになった。
「似たような言葉を聞いたことがある。誰よりも力があり、誰もが尊敬する人だったけど、『例え正しいことであっても、そのことで不幸な人が生まれるなら、私は実行するのを躊躇してしまう。早急な決断が必要な時、これは致命的な欠点だと思う』そう言って、彼はトップに立つことを辞退した。私の仲間達は、だからこそあなたに立ってほしいと懇願したけど、それは叶わなかった。今にして思えば、その時がこの世界のターニングポイントだったように思える。」
そのケビアスの言葉にドラゴンは大きく頷いていた。
「あいつが生きていたら、この世界はここまで哀しい世界にはなっていなかったはずだ。」
しんみりとした空気が広がり、誰もまともに喋らぬまま一時間ほどが経過して、テーブルの上の食べ物も底をついてきた。
「ところで、キミはこれからどうするの?キミみたいに力のある人間を野放しにしてくれるほど、この世界は、優しくないと思うよ。」
「うん、子育てしようと思う。」
「「へっ?」」
「この世界は争いが絶えないから、恨みや怒りや差別が連鎖していると思う。だから物心つかない赤ちゃんから、たくさんの種族をごちゃ混ぜにして育てていけば、差別の感情も生まれないんじゃないかと思うし、それぞれの得意分野を伸ばせるように、誰もが落ちこぼれないように工夫すれば、少なくとも僕が元いた日本程度にはなるんじゃないかと思うんだ。」
それを聞いたケビアスが、感心したように頷く。
「赤子に限定した孤児院みたいなのを作って、そのまま全寮制の学校に移行していくみたいなものか?それなら似たような価値観が形成されるかもしれないな。面白い!面白い考え方だ!試す価値はあるかもしれない。」
ケビアスがかなり前のめりになってきた。
「お前は、年端も行かぬ孤児をどのように集めるつもりだ?」
図星を付いた質問に、今度は瑠夏が息を飲んだ。
「自分で探しに行くしか「俺が協力してやる!」」
瑠夏の言葉にケビアスが言葉を重ねる。
「俺なら条件に合うような赤子を、簡単に集められる。俺に任せろ!集めた子供を連れて行く時期と場所だけ決めてくれ!」
「ちょっと待て!ケビアスよ、お主、赤子を連れて行くことに講じて、こやつのうまいもんを食うつもりであろう。儂にも、儂にもお前の家を教えろ!」
「クソドラゴン!お前こそ食いもんに釣られただろ!」
瑠夏は大きくため息を付いた。
「じゃあ、今から一緒に行きましょう。」
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