戦闘2
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
そのすごい勢いで振り下ろされた巨大なゴーレムの両手は、瑠夏の魔導障壁を破ることはできずに、大きく弾き飛ばされた。
「なかなか頑丈な障壁ですね。では、こんなのはどうですか?」
金髪女の差し出した杖から、巨大な火球が次から次へと出現し、片っ端から障壁に激突して、大きな音を響かせたが、それでも障壁はなんの問題もなく跳ね返していた。
「まさかの魔法耐性も高いということですか?」
しかし、このままでは獣人達の墓が荒らされると考えた瑠夏は、まずはゴーレムを障壁に包んで固定空間を作成し、有無を言わさぬうちに先日砂漠化させた荒れ地へと飛ばした。
「消えた!」
「正確に言うと、飛ばしたです。ここで戦うと墓所を荒らしてしまいますので、場所を移しました。」
瑠夏が言い終わらぬうちに、金髪女も空間魔法と土魔法もどきの合成魔法で構築した黒い障壁で取り囲んで球状の真っ黒な固定空間へと閉じ込め、同じ場所へと飛ばした。
「このまま逃げても、絶対にしつこく追い回してくるから、ケリはつけないとダメだろうな。ママちゃんとかノートやソールが心配してるかもしれないけど、仕方ないよね。ごめんね。」
そう言いながら、瑠夏も消えた。
ーーーー
真っ黒な砂漠に巨大な魔導空間と真っ黒な直径二メートルほどの魔導空間が転がっているところに、瑠夏も到着すると、まずは黒の方を解除した。
突然障壁に包まれ、障壁が消えたと同時に見えた光景は、死の大地と名付けられた黒の支配する大地だったことに目を丸くした金髪女ことケビアスは、目の前の得体の知れない少年に背筋が寒くなった。少年が使ったのは明らかに空間魔法に属するものであり、移動速度は使い手がいなくなった転移魔法に近いものだった。
「あの、少し見てもらって良いですか?」
と瑠夏がケビアスの注意を引いたあとで、ゴーレムを閉じ込めた空間を急速に収縮させた。最初は必死になって抗おうとしたゴーレムだったが、それも虚しく僅か数秒で粉々になって消滅した。
「もしも、僕があなたを殺そうと思ったら、さっきみたいにすれば、あっという間に方が付いたんです。その辺りを理解して頂けませんか?」
苦虫を噛み砕いたような顔をして、彼女が瑠夏に尋ねた。彼女にあった余裕はきれいに霧散しており、そこには恐怖があった。
「な、何が目的だ?何の為にこの世界に来た?」
「目的?目的ですか?」
彼女の問いに答えを出すことができず、瑠夏は真剣に悩み始めたが、やがて諦めて話し始めた。
「全部を信じて貰えるか判りませんが、あなたがお気づきのように、僕はこの世界の人間ではありません。気づいた時にはこの世界にいました。できることなら帰りたいとは思っていましたが、今は偶然出会った同じ世界から転生してきた友人と、この世界で出会った二人の赤ちゃんに幸せになってもらいたいと思っています。ただそれだけです。」
その意外な答えに、ポカンと口を開けてしまったケビアスは、更に質問を重ねた。
「この世界を征服する、支配する。自分の思うままにするといった野望など持っていないということか?」
「そんな面倒くさいことするわけないじゃないですか。そんなことしたら、不幸になる人がどんどん増えてしまうじゃないですか。他人を不幸にさせたくないのが一番だから、そんな結果に責任取れませんよ。」
そう答える中で、瑠夏はミレイのことを思い出し、答えを付け加えた。
「でも、理不尽に幸せを奪われる人を見かけたら、僕は手を出してしまうかもしれません。僕の友人は、この前の戦争で家族を奪われ、たくさんの仲間を殺されました。」
哀しい顔をして語る瑠夏に、苛つくようにケビアスがが応じる。
「それが戦争だろ。自分を、仲間を守る為には戦うしかないだろ。それに破れるということは、自分達が怠けていた。他人より劣っていたということではないのか。」
前世でも多くの戦争のことを学んだから、ある程度のことは理解していたが、元々戦争は金持ちや支配者や宗教の都合で、一般の人が巻き込まれると考えていた瑠夏は、
「確かにそうかもしれません。どっちも自分達こそ正しいと思って戦っているんですけど、でも戦争に正しい方なんてないんですよ。エゴとエゴのぶつかり合いです。戦争に参加してくれと言われたら、間違いなく断りますけど、友人に家族を助けてとか、仲間を救ってと言われたら協力してしまうでしょうね。お前こそエゴだと言われたら仕方ないなと思うしかないですが、一般の国民の殆どは、戦いたくないって思っているんじゃないですか?」
と答えた。
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