それぞれ
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「何?何が起こったの?」
「判らん!こんな魔力は初めてだ!」
「凄く怒りに満ちているけど、酷い哀しみも同時に溢れてる。何なの?一体何があったの?」
「神殿神子のお前に判らないなら、他の誰にも判らないだろうな。お前の父親なら知っているかもしれないが。」
「でも、少し懐かしい波動も感じるの。それが何なのかは判らないんだけど。」
エルフ王国の北端部にある森林を歩いていたミレイは、先ほど大気を震わせた魔力に驚いて足を止めた。
思わず魔力の流れを追って崖から南の方を見ると、夜空にはそれ以上に真っ黒な雲が広がっており、稲妻がその雲を貫くように周囲に飛び交い周囲を照らしていた。
大地は真っ赤に染まり、何本もの火柱が火龍のように、繰り返し繰り返し立ち昇っており、黒い雲はその真っ赤な焔に照らされて、一部が滾るように赤く輝いていた。
(並みの魔道士にできることじゃない。今の私でも魔臓が破壊されても構わないということであれば、似たようなことは、いや驕るのはよそう。無理だ。絶対にできない。もしあの魔法が可能だったなら、あの時の私は負けなかった)
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「何だ?あれは?」
エルフ王の居城であるスルト城の最上階の窓から見える光景に、エルフ王サリテューユは息を呑んだ。
まともな答えが聞けるとは思わなかったが、側に控える神狼のフシオに尋ねた。
フシオは、両手で自分の身体を抱くように抱えて、ただただ顔を真っ青にして震えていた。
不思議なことに、サリテューユ王はその姿を見ても、情けないなどとは思えなかった。自分の身体も脊髄に氷の芯を差し込まれたように寒気が止まらず、潜在的な恐怖心に身を震わせていたのだから。
「近衛、あれはどこの場所で生じているか判るか?」
「はっ、王国の東側の獣王国との境界付近と思われます。」
「何か目を引くようなものはあったか?」
「獣王国の王都から逃げ出した流民の小さな集落があったとの記憶があります。ただ、先日王女様がお仲間と一緒にあちらの方面に奴隷狩りに出かけると申しておりましたので、それに一抹の不安を覚えます。」
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アルソルト三世の居城であるナルシスラ城、その最上階にある王の間の前にあるホールに佇む二人の男の姿があった。
かなり遠方の方まで見渡せる窓の側に立つ二人の見ている方向は同じだった。
「カルタ、キミはどう見ますか?あの魔力の嵐とも思える現象に心当たりはありますか?」
カルタは全く判らないという感情を表すように両手を上げた。
「お前こそどうなんだ?大賢者と崇拝されるお前の方が、こういう事象には詳しいんじゃないか?」
「僕の方こそさ、こんなヒドい魔力嵐は、神代の時代にも滅多に見られなかったと思うよ。」
そんな会話を交わしながら、東の夜空を蹂躙する雷を纏った暗黒の空間と、フレアのように燃え盛る大地から噴き上がるプロミネンスのような火柱から目を離せず、黙ったままその地獄のような光景に魅入っていた。
(ここまでの神力を行使できるのは、単独の神であればウラノしかいないが、あいつが既に見棄てたこの世界に干渉するとは思えない。火の神ティアと水の神アノス、大地神デメルが力を合わせたならあの現象は説明できるけど、あのクソ主神に力を奪われて、異世界へ放逐された彼女らが、この世界に居る訳がないし、そんな力もないだろう。それにもし居たなら、僕がここにいる理由もない。新しい神が降臨したのだろうか?敵対する相手でなければ良いけど)
そんな思いに夢中になり黙り込むケビアスの傍らで、ミレイのことに思いを寄せるカルタだった。
(あの子は無事に生き残ることができただろうか?カルタとの約束も守れず、こんな城でハーフリングの仲間だけを守るだけの私を、あの子はおじさんと満面の笑顔で呼んでくれるのだろうか?)
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(ここはどこだ?私は何をしている?)
(ここは狭間の境界空間です。白の部屋とも呼ばれています)
(誰だ?)
(アノスです。ティア久しぶりですね)
(アノス?お前まで、どうしてここにいる?)
(あのクソ主神に神力の全てを奪われて、デメルも一緒にあの世界から放逐されたのですよ)
(デメルは?)
(まだ寝てます)
(そうだ!アストレアは?アストレアはどうなっている?)
(私もあの後のことは判りませんが、私達が目覚めたのは、アストレアで発生した神力の暴走が原因だと思われます)
(ア、アストレアには誰がいるんだ?)
(誰も、誰もいません。全く神の気配がありません)
(まさか、全員がアストレアを棄てたのか?誰も救おうとは思わなかったのか?情けない!情けなさすぎるぞ!)
(今になれば、クロノがウラノに嵌められて、力を奪われてしまったことが全てだったように思えます)
(だから、だから私は言ったんだ!悔しい!悔しすぎる!)
(デメルも含めて、私達三大女神と呼ばれる三柱全員が、クロノを支持したことが悪かったのでしょうか?)
(いえ、あの時は、端の方でミルヴァも私達に賛成してましたから四柱ですよ)
その白い部屋に、更にもう一人が加わり、会話だけが響き続けていた。
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