出発
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「い~やっほー!何ですか、何ですか、これ!透明な気球と透明な操縦席、底には目隠しフィルムを貼ったステルス気球、しかもほとんど無音の静謐性、前世の現代社会でも引く手数多の戦略兵器じゃないですかぁ!」
彩芽はもう大興奮しながら、右手にマクトのハンバーガー、左手にフォンタグレープのカップを持って、シートベルトが千切れんばかりに暴れていた。
「私が見てた頃には、こんな乗り物なかったじゃん。どうしたの?いつできたの?」
「最近だよ。魔法を色々と使えるような努力をしてたんだけど、頭が固いのかまったくできなくて、土魔法もどきと時空魔法しか使えなかったんだ。それを工夫して収納庫やら、この気球もどきやらを作成したんだよ。」
「へぇ〜、じゃあ、攻撃魔法はどんなのを使うの?土塊とか?」
「それも時空魔法の応用だよ。前の方三十メートル位の大岩があるよね。見てて。」
瑠夏が破壊力が増すように先を鈍く尖らせた大きめの空気弾を作成して撃ち出すと、その大岩は二人の目の前で弾け飛んだ。その破壊力に彩芽は目を丸くして、大きく見開き、暫くポカンと口を開けてしまった。
「ど、とうしたの?何をやったの?」
「先を鈍く尖らせた空間を時空魔法で作成して、後ろに取り付けたエンジン代わりのもう一つの空気弾を素早く収縮させることで推進力を確保して撃ち出したんだよ。ジェット風船の改良版みたいなもんだよ。」
瑠夏の襟首を絞め上げる彩芽の攻撃に、声を何とか絞り出した瑠夏は答えた。彩芽はこんなのドラゴン相手でも瞬殺できるじゃんと思い、どう考えても風船じゃないだろと言いたかったが、原理は理解できたので納得するしかなかった。
「瑠夏さんや、この世界には、あなたに太刀打ちできるような輩は、もう殆ど残っていないと思うよ。」
老婆のような言い方で語る彩芽に、
「またぁ、彩芽ちゃんは大げさだなぁ、僕なんてまだ駆け出し中の駆け出しだよ。喜ばせないでよ。」
何度目かの説明にも全く納得してくれない瑠夏に、彩芽は深いため息をついた。
「ねぇ、どうしてオルロイ川を遡るコースを選んだの?」
少し不貞腐れている彩芽の機嫌を取るかのように瑠夏が尋ねると、急に真顔になった彼女が少し声を落として答えた。
「私が奴隷狩りに出会って、結局川に落ちることになったんだけど、その時のあいつらが気になることを言ってたんだよね。」
真剣な表情をする彩芽に対して、瑠夏も慎重に言葉を選んで返すと、
「その時の奴らが何かやらかしそうな気配があるの?」
「そう、そうなんだよ。あの時の私は、捕まえられていた獣人の奴隷達を治癒してから開放してあげたんだけど、奴らはそれに対して全く慌てることがなかったんだよね。居なくなったんならまた狩れば良いみたいな雰囲気で、既に場所も割り出しているみたいだったんだ。」
不安な感情を隠そうともしない彩芽の言葉を聞いて、瑠夏は黙々とオルロイ川を遡っていった。
「あっ!止まって、たぶんあそこだと思う。」
百メートルほどの高さの崖があり、その上の空き地に焼け焦げたような跡があった。
あれだけの高さから落ちて、よく命があったなと思いつつ、瑠夏はゆっくりと気球を崖上の空き地へと近づけていった。
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