河原にて
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
その日は急いだこともあり、日が暮れる迄にはオルロイ川へと到着した。
日が暮れるまでにはかなり時間があったので、せっかく持ってきたのだからと、瑠夏はキャンプグッズを試してみる気になり、河原から少し離れた草むらを土魔法もどきで石を取り除いて平たく均し、半径十メートルほどの魔導障壁で周辺を囲うと、先日アマソンで購入した二人用のドーム型テントを取り出し、ポールをインナーテントのスリーブに通して立ち上げ、その上にフライシートを貼ってペグ打ちすると、見かけ上はまぁまぁのテントが完成した。
中にはダブルベッドサイズの薄めのエアベッドを設置し、マットはベッドで兼用することにした。
次にバーベキューコンロと段ボールに入った炭を取り出し、着火剤と着火マンを使って点火して、いつでも調理可能なように準備すると、ニ合炊き用の飯盒に無洗米をセットして、柔らかめが好きなので先に水を入れて準備しておいた。
更に収納ボックスからルアーフィッシング用のロッドや仕掛けを取り出して準備すると、再び河原に向かった。
大きな石の上に立って、目当てのポイントに空気玉を利用して、ルアーを誘導すると、まだ水面へと着水していないにも関わらず、少し大きめの魚がヒットしたので、慌ててロッドを合わせてリールを巻いた。
近づいた獲物をネットで掬うと、一メートル近い鮭のような顔をした魚で、脳天を一撃してから陸へと上げ、首を落として血抜きに入った。
その間に収納箱から、水で洗った大根をスライサーでおろしに変え、ポン酢を取り出すのはもちろん忘れず準備した。更に血抜きの終わった獲物の鱗を取り内臓を抜き出すと、解体包丁で三枚におろし、一枚には塩をまぶして適当なサイズに切り分け、残った半身はスモーカーにぶら下げて、チップをセットするとバーベキューグリルの端に載せておいてから、飯盒をグリルの上に載せて炊き始め、水を入れたポットも載せ、インスタント味噌汁と漬け物の詰め合わせのパックを取り出してテーブルの上に並べ、LEDランプをセットした。
魚が焼き上がった頃には、炊きたての白ごはんの隣には、豆腐と揚げの味噌汁を準備して、近くの小皿には漬け物の盛り合わせとポン酢をたっぷり入れた大根おろしをセットした。
「鮭もどきの塩焼き定食!完成です。」
とカメラに向かってポーズを取ってから、二台のスマホカメラを食事風景をしっかり映せるようにセットし直して、そのテーブルに座り、ようやく食事の時間となった。
少しずつ茜に染まっていく空と沈んでいく太陽で構成された景色を見ていると、瑠夏にはここが異世界だとはどうしても思えなかった。
ミレイが出て行ってから五年が経ち、その間は話す相手と言えば、ネットの相手のみ、しかも最近では、そんな機会も少なくなっていた。やたら独り言が増え、使う言葉も言いっ放しで単純となり、相手の感情を伺うなどどいうチャンスなど、全くなかった。
瑠夏は大きくため息をついた。社会のすべてが敵に思えた時期には、あれだけうっとおしく思えた他人との会話が、今では非情に懐かしかった。
瑠夏は、自分の頬を熱いものが流れていくのを感じて、思わず手を伸ばすと、その指先に熱い雫が触れた。
「ヤバっ!俺って知らないうちに泣いてんのか。だいぶ来てるなぁ、こんな生活がこれからも続いていくんなら、いつか壊れちゃうかもしれないなぁ。」
そんなことを考えながら、川面を眺めていると、激流の中を布のような、びしょ濡れの毛玉のような白いものが流れていくのが見えた。
「何、あれ?布切れ?」
それは激流に揉みくちゃにされ、浮いたり沈んだりしながら流れていき、岩や石にガンガン当たるように流れているように見えた。
少し興味が無くなり始めた頃、それが平たい岩にぶつかり、再び流れに引き戻されようとした時に、たまたま白い細いものが岩にしがみつくように伸ばされるのが見えた。
「生きてる!猫みたいな獣だ!」
そう思ったと同時に、瑠夏は川に向かって駆け出していた。
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