あばよ
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「おチビちゃん、もうそろそろ諦めなよ。魔法も効果なし。逃げ場はない。暴れても痛い思いするだけだよ。」
人族の女が諭すように甘ったるい猫なで声で語りかけてきて、頭がボーッとしてくるが、私は前脚に自分で噛み付いて意識を保った。
「あれあれ、この子魅了にも耐性があるみたいよ。私の魅了魔法破られたの始めてかも。」
「もう少しぐらい怪我させても、力づくで捕まえるか?脚の一本ぐらいとんでも、王宮の奴らに再生魔法使わせれば良いんじゃないの?」
「バカヤロー!その分値切られたら意味ないだろが、白金貨数百枚は減らされるぞ。」
人族の男が参ったなという感じで両手を広げた。
何とか逃げ出そうと相手の隙を探っていると、後ろの崖下に魔物の気配が感じ取れ、それが徐々に近づいてきているように思えた。これを利用するしかないと考えた私がおバカだった。
その魔物を放置していた私の後ろ脚に、糸のようなものが巻き付いて拘束された。慌ててそれを燃やそうと火魔法を発動しても、その白い糸には全く効果がなかった。
「ようやくだね。その糸は全魔法耐性が付加されてるから、どんな魔法を使おうと切れはしないよ。」
その言葉に崖下を覗くと、そこから真っ黒な私の五倍ほどの体躯を持つ真っ黒な蜘蛛が登ってきた。
「それはね、私が使役しているネットスパイダーの上級種でね。なかなか使い心地の良い魔物なんだよね。」
私は雷魔法や火焔魔法、水魔法などを試してみたが、その糸には全く効果がなかった。
「ダメダメ。もう諦めな。結局魔力切れになって倒れるだけさ。観念しなよ。」
次に私が試したのは、相手の身体から熱を徐々に奪うことだった。氷魔法の応用で相手の体組織の温度を少しずつ下げて行けば、やがて相手は凍りつき、この糸も壊すことができるんじゃないかと考えていた。何分にも始めての試みなので、なかなかうまく起動させることはできなかったが、幸
いにも糸で繋がっていることもあり、十分ほどでその作業は終了した。
驚いたのはエルフの女だった。突然使役していた蜘蛛の魔物からの応答がなくなり、その場で蹲ってしまったから、いったい何が起こったのか意味不明となり、動転していた。その女の前で蜘蛛にはどんどん霜が降り始め、やがて真っ白な氷像となった。
「な、何をしたぁ!」
もう魔力もすっからかんで、どんだけ考えても助かる術はなく、その時の私は、奴隷として一生使役されるくらいなら死んだ方がマシだと考えていた。その時になって、私は初めてこいつらと念話を繋いだ。
(じゃあね。もう会うこともないとないと思うけど、クソはクソらしく死んでね。バイバイ)
そう言って、崖から飛び降りたと同時に、これまで全く反応を見せなかった人族の男が刀を一閃した。
抜刀術だと思った瞬間、私の腹は斬り裂かれ、大量の血が溢れ出た。
「生け捕る必要があったから生かしておいただけだ。殺そうと思えばいつでも殺せた。」
そいつはそんなことを言っていた。内臓をぶちまけて死ぬのは嫌だったので、私は残った力を振り絞って自分に回復魔法をかけたが、魔力は完璧に枯渇し、意識は遠くなっていった。
やっぱり私は日本が好きだ。いくら魔法が使えても、例え神獣であったとしても、私は日本が好きだ。
コミケがあって、大好きなアニメが数限りなく放送されて、好きな漫画やサークルがいっぱいあって、オタク仲間でカフェ行ったり、グッズ集めに精を出したりできる日本が好きだ。
次から次へと美味しいものが生み出されて、アプリで簡単に宅配してくれる日本が好きだ。
神様、どうかお願いです。今度生まれ変われるならば、日本にしてください。せめて地球にしてください。地球に生まれ変われたら、どんなことしてでも日本に渡ります。神様、神様、お願い で す
そうして私の意識は闇に飲み込まれていった。
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