別れ2
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「なんだ!この白いチビは?雷獣か?」
「違うだろ。見かけも違うし、色も違う。瞳は珍しい虹色をしてるから、貴族連中は高い金出してくれるかもな。」
私をろくに警戒もしない男達に対して、私は先程の母親の真似をして、全身に雷を纏おうと努力してみた。イメージは子供の頃から見ていた大好きなアニメの黄色い電気ネズミの姿だった。
「ピーカ・チュー!」
思わず声も出ていた。イメージは完璧だったようで、私から放たれた電撃は三人の男達を襲い、全身を硬直させた。どの程度の効果があるかも分からず、一瞬動きを止めるだけでは意味がないと、ひたすらに電撃を放ち続ける私の前で、硬直していた三人の首が飛び、力を失った身体が、糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた。
何が起こったのか判らず、呆然として固まった私の前に、男達の身体を踏みつけながら真っ赤な瞳で真っ黒な身体を持つ父親が出現した。
あまりの視線の強さに身がすくみ、動けないままペタンと腰を抜かしたようにしゃがみこんでしまうと、父親はまだ動けないでいる母親の方へと視線を向けた。
彼の不穏な空気に何とか身を起こそうと四肢を踏ん張った母親だったが、父親の長い尻尾の一振りで、再び地に沈んだ。
それをガクガク震えながら見ていた私の襟首を、彼は甘噛みするように咥え、その場から全速力で駆け出した。背後からは母親の切ない、いつ切れるとも判らない慟哭のような遠吠えが聞こえ、それはいつまでも私の耳に残っていた。
ーーー
それから三日三晩、飲まず食わずで駆け続けた父親は、疲労でグッタリして動けない私を振り回すように平原へと投げ棄て、そのままクルッと踵を返すと、二度と私を振り返ることなく、全速力で私の前から姿を消した。
全身に力が入らず、グッタリと地に伏す私の目の前を、大きなバッタが横切った瞬間、私は無意識にそれを咥えて飲み込んだ。
もう帰れない。これからは一人で生きていくしかない。このままここに倒れていても、誰かが助けてくれるわけでもない。優しかった母親はもういないのだから。まずは動かなくちゃ、この身体を誰かの餌にするわけにはいかないと考えて、ズリズリと身体を引きずるように這っていくと、五センチ程の穴を見つけた。
私は僅かな期待をこめて、気配を消して、その穴の前に蹲って待った。
明るかった青色の空は、いつの間にか赤みが増えて、やがて蒼紫色の空が広がり始めて、周囲を闇が支配し始めた。
失敗したかもしれない。実はこの穴の主は既に誰かの胃袋に収まっており、空き家なのかもしれない。そんな不安が頭の中に生まれ、グルグル、グルグルと空回りしていた。
もう最後の景色になるかもしれないと私が空を見上げた時、穴の中からカサッという小さな音が聞こえた。ビクッと身体を震わせて、必死に気配を殺し、ひたすら長く感じる時間を過ごしていると、穴から体長十五センチ程のネズミのような獣が顔を覗かせた。その瞬間、私の右前脚がそれを弾き飛ばし、私の口がその頭部を生きたまま咥えて噛み砕き、その全身を必死に咀嚼して呑み込んだ。
翌朝、少し動けるようになった私は、平原を彷徨くウシガエルのような生き物を何匹か狩ることができ、極限まで低下していた体力を幾分回復することができていた。
この平原には、このウシガエルが多く、それを餌とする草原狼の少頭数の群れを時折り見かけるぐらいで、私にとっては平和な土地と言えた。
他には一角兎や、ワイルドボア、プレイリーモウル、イエローマーモットを見かけるぐらいで、脅威となるような魔物はまったくない見かけなかった為に、私は大きな岩の側に生えていた十メートル位の木の上を寝床として暮らしていた。
あの非情に思われた父親も、一緒に暮らせば私の白色が敵から目立つことから、家族を危険に晒さぬよう私を遠ざけようとしていたのではないかと思えることができるようになり、餌が豊富なこんな遠方までわざわざ運んでくれたことを思うと、本質的には面倒見の良い性格だったんではないだろうかと考えるようになった。
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