プロローグ1
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「ヤッタァ!大漁だぜ!」
両手に三つずつぶら下げた最大の夏コミ特製のショッピングバッグの中には、様々にデザインされた各種サークルの素敵なグッズが所狭しと詰め込まれており、背負ったキャンプ用にも使用される巨大なバックパックにもポスターやらタペストリーが突き出るように詰め込まれていた。
地上へのエスカレーターに立っていると、後ろから来る人達が、不満げな顔を浮かべて睨みつけるようにワキを通り過ぎていく。
(エスカレーターは歩いちゃダメなんだぞ!)
と思いつつも、今の私はそんなことが全く気にならないくらいに上機嫌だった。
過去最大規模のコミックマーケットを謳い文句に開かれた夏のコミケは、私のようなタク女にとってはボーナス全額をつぎ込むだけではまだ足りず、家族や兄弟からの借金も合わせてつぎ込む過去最大規模のイベントだった。
エスカレーター途中で転落することもなく、無事に登り切り、歩道を歩いて信号待ちをしている間に、トラックに突入されることもなく、人で溢れた横断歩道を無事に渡りきり、駐車場から出てくるバスを待ち過ごして、ルンルンと歩く私の前を塞ぐように、コンクリートタイルの工事をしているのか鎖で繋がれたくいが出現した。
いつもの私ならサイドに避けて交わして行くのだが、その時の私は過去最高に絶好調だったので、たかが地上十センチと判断して飛び越えようとした。
思えは、それが悪夢の始まりだった。
飛び越えたはずの後ろ足が鎖に捕まり、バランスを崩した私は、思いっきり前方に倒れ込み、荷物で塞がれた両手が身体を支えることができるはずもなく、運も悪いことに、額の部分を植え込みを保護するブロックの角に強打した。
倒れた私の眼前を、真っ赤なドロドロした血が川のように流れ始め、これはヤバいな死んじゃうかもと思いつつ、持ってるグッズを誰かに盗られるんじゃないかと握りしめているうちに、目の前がどんどん暗くなってきた。
目が覚めたら知らない天井だったとか、真っ白な空間だったとかだったらどうしようと思いつつ、私の意識は深層に沈んでいった。
ーーー
「おい、救急車だ!これはヤバいぞ!」
「誰か、知ってる人間いないか?」
「あっ、私、知ってる。有名配信者の『ユメヲカケル』さんだ!絶対にそうだよ。」
「連絡先は判るか?至急に連絡したほうが良い。」
「えぇっ、配信チャンネルは知ってるけど、リアル連絡先は判らない。ごめんなさい。」
そんなゴタゴタの中をかき分けて出て来た両手に買い物袋を下げたおばさんが、倒れている女子を見て驚き、両手に下げた袋を放り出して、その子に縋って叫んだ。
「彩芽!彩芽!どうしたの?何があったの?」
女子の両肩を抱き、ガクガク頭を震わせるおばさんを周囲の皆が引き止めて、
「揺らしちゃダメだ!もう救急車呼んだから… 」
と叫んでいるうちに救急車のサイレンが聞こえてきた。
「どなたか事情の判る方はおりませんか?」
野次馬達に尋ねる救急隊員に、当然買い物おばさんは答えることができず、
「早く、早く病院に運んで下さい!」
と必死に縋りついていると、最初に配信者であることを見抜いた娘がおずおずと手を上げて答えた。
「カケルさんは、電車降りてからここまで、スゴく慎重に歩いていたんですけど、ここに到着する少し前の所から、急に駆け出して、その後ろにある鎖を飛び越えようとしたみたいなんです。でも、後ろ足が引っ掛かってしまって転倒してしまったんです。」
その事実が多くの野次馬達の前で公表されてしまった瞬間、例え死しても推しのグッズは手放さない立花彩芽は、オタクの鏡、オタクの星と認定され、その魂の格が急上昇した結果、彼女の異世界転生が決定した。
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