終わりの始まり
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「王は本気であのハーフリングを重用するつもりなのか?」
「あぁ、間違いないと思う。昔はハーフリングは我々ヒト属には協力的だったし、魔石の埋め込み手技とか、獣の特性をヒト属に移植して獣人を誕生させるとかの業績もあるからな。」
「そういうのは、ただの人体実験とは言わないのか?」
「まぁ、そうとも言えるが、お陰で魔族だけでなく、エルフやドワーフに対抗する力を得ることもできたし、ハーフリングも支配下に置くことができるようになったのだから、学問バカというのも使い方次第といえるかもな?」
ドラマドル帝国の王都アルソルト三世の居城であるナルシスラ城の大広間の片隅で、ヒト属のメユール宰相とキハマト軍務大臣、それと数人の官僚がコソコソと話を交わしていた。
「でもそうなると面白くないのは、獣王国のガルクンダ王だろうな。これまで散々協力させてきて、ゴールが見えてきたら、天敵であるハーフリングを政治に重用する。裏切りだと言われても仕方ない状況と言える。」
それを聞いて、メユール宰相は口角をクイッと上げた。
「まさにその通りのことが起きている。そう遠くない時期に、奴らは反乱を起こす可能性が高い。」
それを聞いたキハマト軍務大臣は、ハッとして声を上ずらせた。
「な、なんと!それを王はご存知なのですか?」
何を当たり前のことを聞いてくるんだという顔をして宰相が答えた。
「当然、知っておる。奴らはエルフ国王に密使を送り、ことがなった暁には、共にアルソルト皇帝を打倒しようなどという絵空事を、自信満々に提案したそうだ。」
見てきたように語る宰相に、軍務大臣は被せるように尋ねた。
「それでエルフ国王はなんと?」
皮肉げな笑みを浮かべて、
「『善処しよう。楽しみにしている。』と答えたそうだ。密使は、喜色満面の表情をして大急ぎで国に帰ったそうだが、その時の密書はすぐに我が国に届けられた。」
と宰相が答えると、
「エルフ国王に反旗の意志はないと?」
待ちきれないのか、大臣はすぐさま聞き返した。
「あの王の戦争参入の目的は、自由都市の神獣フェンリルを自分のものとすることだったからな。既に目的は達したということだろう。欲を出して南へ、獣王国へと進軍すれば、今は配下となっている北の古王国の反乱が怖いということだろう。」
大臣は、大きく頷いて安心したような顔を見せた。
「なるほど。獣王ガルクンダの独りよがりということですか?」
「それだけではないがな。奴隷として使役する場合、ろくに力もなく、繁殖能力も低いハーフリングと、力は強く繁殖能力も高い獣人と、どっちが我々に都合か良いかを考えれば、結論なんて一目瞭然だ。自ずと結果は見えてくる。」
自信満々な宰相の言葉が続いた。
「今回の戦では、自由都市の抵抗が想像以上に激しかったからな。軍も疲弊しているし、国民の不満も幾分高まっている。このまま戦闘を継続することは、場合によっては内部の反乱分子を刺激してしまう。獣王国程度であれば、容易に始末をつけられると判断し、戦果も挙げられることから、あえて泳がしているのだろう。」
話に耳を澄ましていた官僚が、本当に感動したような表情をして、尊敬の眼差しで二人を見ていた。
「素晴らしい推察です。我々官僚などは日々の仕事に追われ、先を見る目がないのだと痛感しました。ご尊敬申し上げます。」
「ふん、私の推論というより、あの糸目の王の右手が考えたことだ。あいつだけは敵に回したくないと思うよ。」
そんなことを話しながら、宰相達は部屋を出ていった。
その数ヶ月後に、獣王ガルクンダ王はアルソルト皇帝の命をうけた暗殺者に殺害された。その結果、獣王国は解体されてドラマドル帝国の支配下に置かれることになった。
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