エシュタル2
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
その数日後、ナルシスラ城へと向かう大きな馬車の中に、九人の幼児と乳母に抱き抱えられたエシュタルがいた。
乳母のヌクシアは、あの時の王の慟哭を忘れることはなかった。私がエシュタル様を護ると亡きオルメテに誓いを捧げ、自らエシュタルの側使いを志願して、この馬車に同乗していた。
「ねぇ、僕らってナルシスラ城へ何をしに行くの?」
「さぁ、よく判らないけど、親善使節みたいなもので、名誉あるお役だと聞いたけど、内容はよく判らない。」
事情を知らされていない年配の子供達が、少し心配げに会話を交わしていたが、エシュタルを見て、産まれたばかりの第二王女が同伴していることもあり、大きな不安を抱くことなく日常の会話へと戻っていった。
「美味しいもの食べれるのかなぁ?」
「人の国には、美味しい料理やお菓子がたくさんあるから、お土産忘れないでねとお姉ちゃんに言われたんだ。」
そんな無邪気な言葉を聞いて、この子達の何人が無事に国に帰れるのだろうという想いに、ヌクシアの目には涙が溢れた。
ーーーー
一月ほどかけてナルシスラ城に到着すると、城前の広場には多くの重鎮と思われる者達が整列しており、到着したと同時にファンファーレが鳴り響き、王室演奏隊の音楽を背景に、盛大な歓迎式典が始まった。
そのあまりの賑やかさに、少し不安を覚えていた子供達も舞い上がってしまい、そのまま城内に準備された豪華なパーティー会場に案内され、パーティー終了時にはすっかり安心し、全く警戒することなく、流れに身を任せていた。
「あなたはお楽しみにならないのですか?」
表情に暗い影を落としたヌクシアに、背後から声がかかり振り返ると、そこには一人のハーフリングが立っていた。
「私は、カルタと申します。エシュタル様のご家族は、今回のことについての詳細は知らされているのでしょうか?」
その問いに答えて良いものかどうかの判断がつかず、ヌクシアが黙ったままエシュタルを抱く腕に力を入れると、男は勝手に更に言葉を続けた。
「魔臓に精霊を融合させる術式は、確かに人に魔石を埋め込む 術式の応用ですが、精霊の核には意志があります。共感が存在しない意志あるもの同士を融合することは、キマイラを生成すること以上に困難です。はっきり言えば、これまで成功例はありません。そのことを御存知なのでしょうか?」
それを聞いたヌクシアの顔色が真っ青になった。
「やはり聞いておられなかったようですね。」
「申し訳ありません。。私はそのことを聞く立場にありません。この子の乳母を努めてきましたが、周りの方の態度からある程度の危険性は感じておりましたが、まさかそれまでとは… 」
「おいおいカルタよ、ケビアスの次はお前が私に反旗を翻すのか?」
その声にヌクシアは、更に色を失い真っ白になった。
「この子がガルバ王の娘か?魔力量は、確かにかなりのもののようだな。何もせずともかなりの炎魔法の使い手になるやもしれん。」
「ならば!」
すぐに翻意を促したカルタの言葉を遮り、言い聞かせるようにアルソルトは更に言葉を加えた。
「これほどの才能を持つのであれば、炎精霊の核の融合も容易であろう。楽しみにしておるぞ。」
そう言って、その場を離れていくアルソルトの背中を、赤子の鮮紅色の瞳がジッと見つめていた。
赤子の小さな手が、真っ白になったヌクシアの両頬に添えられ、まるで温めるように撫で始めると、ゆっくりとその両頬は色を取り戻していった。
「ダァ」
その声に我に返ったヌクシアは、慌ててカルタに挨拶をすると、急いでその場を離れていった。
その赤子の持つ不思議なオーラに当てられて、一瞬意識を奪われたカルタも離れていくヌクシアいや赤子に軽く頭を下げた。
「不思議な子だ。」
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