エシュタル1
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
ガルバ王はナルシスラ城の会議を終え、自国に返ってくると、妻のメサイヤを呼び出した。
「アルソルトの奴の提言で、死人の国に対抗する手段として、至高の魔導師を生み出す為に、エルフ王国とドワーフ王国の魔力値の高い子供をそれぞれ十名ほど派遣することになってしまった。」
居間の書斎机にドカッと腰を下ろした彼は、頭を抱え込んでいた。
「その子供をいったいどうしようと言うのですか?」
「精霊と融合するらしい。儂らには炎精霊を、エルフには水精霊を融合するから、その特性の強い子供を推薦してほしいとのことだ。失敗すれば命を失う可能性があるというのに気楽に言ってくれたよ。」
その言葉を聞いて、メサイヤの口角がクッと上がった。
「いくら死人の国に対する為と説明しても、国民がそれを素直に受け入れるとは思えません。ここは王自らが自分の子を率先して推薦することで、国民の同意を得るべきだと考えます。」
その言葉にガルバ王は、戸惑うように顔を上げた。
「いったい誰を推薦せよと申すのだ。」
「第二王女であるエシュタルを推薦いたします。」
その言葉に、ガルバ王の顔色が変わった。エシュタルは数日前に彼の側室であったオルメテが、自らの命を賭けて産んだ娘であった。メサイヤがオルメテを嫌っていたことをガルバは知ってはいたが、ガルバはできればオルメテの子には母の分まで幸せで穏やかな生涯を送ってもらいたいと考えていた。
「母が平民であったあの娘には、王族や貴族の後ろ盾がありません。反対は少ないでしょうし、万が一があった時に王政に影響が少ない子と考えれば、真っ先に上げるべきだと考えます。」
ガルバは、メサイヤの言葉を受け入れたくはなかったが、オルメテは既にこの世に亡く、エシュタルが自分の立場を危なくしても護るべき存在かと言われれば、すぐにはそれを否定できなかった。
「王が側室の忘れ形見であるまだ赤子の娘を推薦する。その事実の前に、自分の子供の提供を断れる者はおりません。」
ーーーー
ガルバ王は、エシュタルと名付けられた娘の部屋の前まで足を運んだが、なかなか部屋へと入ることができずにいると、中から乳母を任されているメイドが出てきた。
「殿下、どうなされました。エシュタル様はもうすぐお休みになります。お会いになられますか?」
メイドに促され、部屋に入ると天蓋付きの大きなベッドに、朱い房の混ざった白銀の髪を持つ赤子が寝かされていた。母に似てドワーフにしては、エルフと見間違うような白い肌をしており、その瞳は透き通ったように輝く鮮紅色であり、髪の色と合わせて判断すれば、かなりの炎属性を有していると推測された。
「少し娘と二人の時間を作ってくれないか?」
王にそう請われて、断れるメイドなど居るはずもなく、彼女は音を立てぬように部屋を出て、静かに扉を締めた。
呼び出された時にすぐに対応できるようにと、部屋の扉の前に待機するメイドの耳に、押し殺したような小さな声での謝罪の言葉を呟き続ける王の懺悔と、咽び泣くような泣き声が聞こえてきた。
メイドには、王が慟哭する理由に心当たりは全く無かったが、王族には民を護るという責があり、その為には自分の意志を殺してでも、成すべきことがあるということは理解していた。
おそらく遠くない未来に、エシュタル王女に訪れるであろう試練に、もし出来ることならば少しでも力になりたいと、この時の彼女はそう考えていた。
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