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終の道

 マイケルの建てたタワーは街の中心にある。

 その中心から、ジェイコブ達を乗せた車は、来た道を戻り、外へと走っていく。

 その向かっている方向は、ミリアーノファミリーのシマの方である。


 そしてしばらく走り、見知った場所が見えてくる。

 そこは、かつてダッドの家があった場所である。

 

「空き地だな……」


 かつて広い敷地にあった、壁も、多くの施設も、大きな家も、教会も、全てが何もない空き地へとなっていた。

 

「俺が更地にしたんだ。目障りだったからな……」


 ジェイコブは、その空き地の前で止まることなく、車を走らせ続けた。

 そして、次の場所が見えてくる。


「この辺りは問題がよく起きるから、デービッドさんと回ることが多かったな……」

「あいつは邪魔だったから殺したんだ。俺がな……」


 やはり、その場所で車を止めることなく通り過ぎる。

 次は、エミリーとジェイコブが、最後に少しだけ過ごした場所だ。


「エミー……」

「用済みだったから、俺が殺した……」


 やはり、そこも通り過ぎた。

 そして、かつてジェイコブ達が幼年期に過ごした小屋があった場所に来ると、ジェイコブは車を止めた。


「ここで、俺とお前は出会ったんだ。マイク……」


 車から降りたジェイコブの体は縮みだしていた。

 モンスターシードの効果が切れ始めているのだ。


「ああ。昔を思い出したくないから、俺が壊したんだ。ジェイク……」


 そしてやはり、車から降りたマイケルの体もまた縮みだしていた。

 

「ここからは歩こうか……」


 ジェイコブはマイケルの近くへと行くと、マイケルに肩を貸す。


「悪いな……」


 口にこそ出さなかったが、マイケルの限界は近かった。

 

「いいさ別に。最初に会った時の借りもあるしな」

「そうだったな。俺が肩を貸してやったんだったな」


 それは、出会ったばかりの事である。

 もう三十年以上前の話ではあるが、互いに忘れる事はなかった。


 おぼつかない足つきで、二人は歩いて行く。


「俺も……」

「なんだ?」


 その途中で、ジェイコブが口を開く。


「マシューを殺した……」

「俺の命令だ……」

「イーサンも……」

「それも俺が原因だ……」

「ジョッシュも……」

「それも俺が悪い……」


 そして二人は、ホワイトライトストリートまでたどり着く。


「ここも、俺が壊した。全部俺が悪いんだ!」


 マイケルは叫ぶ。

 そのはずみで、ボロボロの二人はバランスを崩し、重なるようにして倒れ込んでしまう。


 少しして、ジェイコブは先に立ち上がり、マイケルに手を差し伸べた。

 マイケルも手を取り、再び二人で立ち上がり、歩き出す。


「さあ、もう少しだ……」

「ああ、みんなが待ってる……」


 二人は歩き続け、カラーズ全員が眠る場所へと辿り着く。

 そして、力尽きた二人は、折り重なるようにして、その場所へ倒れ込んだ。


「ジェイク……すまなかった……みんな……すまなかった……」


 最後の力を振り絞り、蚊のように細い声で、マイケルが謝罪する。


「いいよ別に……みんなも許してくれるさ……」


 ジェイコブもまた、最後の力を振り絞って返事をする。


 そしてすぐに、二人は、仲間達と共に永遠の眠りに着いたのであった。

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