決着の後
ジェイコブは、マイケルを置いてエレベーターの前に立つと、迷うことなくボタンを押した。
エレベーターは屋上に待機していたため、すぐに100階のフロアにつき、ジェイコブはすぐに乗り込んだ。
しかし、ボタンはすぐには押さなかった。
後からマイケルがエレベーターへと乗り込むと、ジェイコブがボタンを押して、エレベーターは下へと向かって動き出す。
ジェイコブを追いかける時は怒り、怒鳴っていたマイケルだったが、エレベーター内では黙ってジェイコブから離れた場所に位置どった。
そのため、しばらく沈黙が続いたが、ジェイコブがそれを破った。
「あんな何もない所に住んでるのかマイク?」
「は?」
突然のことで、マイケルは間抜けな声を出してしまう。それは、マイケルが市長になってから、十年間は出していないような声である。
「カレブが言ってたから……」
「あ、ああ。あいつ適当なこと言いやがるな。あそこはお前と戦う為に作っただけだよ。普段は下の99階に住んでいる。行ってみるか?ってもう過ぎたか」
「そうなのか」
エレベーターは90階へと着く。
ジェイコブは、変わらずスタスタと次のエレベーターへと歩いて行った。
マイケルもそれが当然のように、ダメージを負った体でふらつきながらジェイコブの後を追う。
そして次のエレベーターも動き出す。
「こんな高いタワー作ってどうするんだよ」
そこでも同じように、ジェイコブはマイケルへと話しかける。
「俺は高いところが好きなのさ」
「それにしたって限度があるだろ」
エレベーターが80階につき、再び二人は次のエレベーターへと乗る。
「なんだよ市長って」
「大統領になるつもりだった。本気だったんだぜ」
二人は話しながらタワーを降りていく。
「随分派手にやったな」
「正直スカっとしたよ」
その会話の内容はどうでもいいことだけで、肝心な部分には触れなかった。
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そしていつしか、一階へと着き、エレベーターの扉が開いた。
エレベーターから出た二人であったが、その瞬間、武装した人間に囲まれる。
その様子から察するに、レジスタンスである。
しかし、ジェイコブはそんな事は気にせずにゆっくりと歩いて行き、マイケルも同じように後に着いていく。
「おい!止まれ!」
声で制止されても、ジェイコブは少し睨みつけるだけで、歩みを止めようとしない。
そんなジェイコブへ、レジスタンスが銃で狙いを定めた時であった。
「やめろやめろ!散れ散れ!」
ジェイコブ達の近く、包囲の中心へ割って入って来たオリバーが頭の上で大袈裟に手を振る。
レジスタンスの隊長であるオリバーの指示を受け、レジスタンスは困惑しながら銃を下ろす。
「しかし!マイケルが!」
だが、納得のいかないレジスタンスの一人が、大きな声で反抗した。
「マイケルぅ?あの、顔をボコボコにした男がか?そんなわけねぇだろ。通してやれ!」
無論、オリバーはとぼけているだけであり、ジェイコブとは目線だけを合わせて笑いかける。
そんなオリバーのとぼけた態度に、ジェイコブも少し笑ったのだった。
そして、レジスタンスに見送られるようにして、ジェイコブとマイケルは車のある場所までたどり着く。
「運転するか?」
マイケルが自然に聞く。
ジェイコブがどこに行こうとしているのかも知らないのに。
「いや、俺が運転するよ」
だが、ジェイコブは先に運転席へと乗り込んだ。
マイケルはそれを確認すると、助手席へと乗り込む。
そして、二人が乗った車は走り出した。




