ジョシュア
ジョシュアは強い男であった。
強いからこそ、仲間達を守ろうと必死であった。
だからこそ、マシューを助けたし、だからこそ、仲間意識が強く他排的であった。
そんなジョシュアの中でも、特別なのはエミリーであった。
活発的なオリビアとは違い、物静かなエミリーを見ていて、彼女を守る事こそが自分にとっての使命だと感じたのだ。
だが、恋と言うものは必ずしも上手くいくものではない。
新しく仲間になったジェイコブは、物静かで大人しく、エミリーとお似合いの人間だった。
そんなジェイコブを、ジョシュアは歓迎しなかった。
しかし、ジョシュアが歓迎しなくとも、ジェイコブは仲間として認められ、当然のようにエミリーと関係を深めていく事となる。
その当時からずっと、ジョシュアは醜い嫉妬に苦しめられていたと言えるだろう。
それから数年が経ち、ジェイコブはみるみるうちに成長し、仲間内でも強かったジョシュアと同じくらい強くなった。
そして、何年も一緒に暮らしているうちに、ジョシュアもジェイコブに対して、嫉妬こそすれ、仲間として認めざる負えなかった。
それは、ミリアーノファミリーに入り、ジェイコブがエミリーと付き合いだしても変わらなかった。
ジェイコブの事を認めてはいるが、エミリーの事は諦めきれなかったのだ。
だが、ジョシュアは盗撮した写真だけで、自分を抑え込むことにしていた。
マイケルが、ジェイコブを殺すと言った時、ジョシュアは複雑な気持ちだった。
邪魔者がいなくなると言えばその通りだが、ジェイコブは仲間であるという気持ちもあったのだ。
それに、例えジェイコブが死んでも、エミリーの心が自分に向く事はない事もわかっていた。
ジェイコブが死んだあと、やはりエミリーの心はジェイコブに向き続けていた。
それを、ジョシュアはずっと見続けていた。
そして、ジェイコブが蘇生し、二人は幸せな生活を始めることとなる。
そのまま、二人がその生活を続けるのであれば、ジョシュアも諦めがついたのだろう。
しかしジェイコブは、エミリーを置いていってしまったのだ。
それは、ジョシュアにとって許しがたい事だった。
もうこの時には、ジョシュアは壊れていたのだ。
ジョシュアは、エミリーに久しぶりに会うことになる。
もちろんそれは、ジェイコブが戻って来ることを信じていたからである。
だが、ジェイコブは戻って来なかった。
だから殺したのだ。
エミリーと恋人になったのはジェイコブだけだったかもしれない。
エミリーとキスしたのはジェイコブだけだったかもしれない。
エミリーと愛し合ったのはジェイコブだけだったかもしれない。
だが、エミリーを殺したのは、自分だけなのだ。




