朝からびっくりさせないでおくんなまし。
第二話を投稿しました!
楽しんでもらえればうれしいです!
ある朝、大家である女性は玄関前で掃き掃除をしていた。
すると玄関の扉がガラガラと開いてそこからは天使かというほど
美人なビジネススーツを着た女性が出てきた。
「あら、フィデオさん。今日は天界でのお仕事はお休みなの?」
「あっ、大家さん!おはようございます。はい、今日分のあちらの仕事は天使たちに任せております。」
「毎日お仕事してて疲れないの?」
「天界での仕事はもう何万年とやっていますので飽きが来てしまうのですよ。
だからこちらの仕事は息抜きにはちょうどいいんです。」
「へ~、天界のお仕事ってどんなことやってるの?」
「そうですね..私の場合だと天へ行くか地獄へ行くかの判決で地獄行きになってしまった
方々の心のセラピーをやっていますね。」
(そんなものあるんだ。)
「地獄行き判決をくらった方々の大半は心に深い傷をお持ちになっているので少しでも
楽に地獄で苦しんでいただくために日々精進しています。」
(見た目は天使なのに意外とエグイこと言うんだなこの子..)
「へ、へェ~..私はなるべく天国に行けるように現世で頑張るよ。」
「あっ、でも天国に行ったからといっていいことばかりじゃないんですよ。」
「えっ!?そうなの?」
「月に1度の健康診断であまりにも不健康だった場合地獄行き、
暴力はもちろん喧嘩や口論を一度でもしたら地獄行き、
毎朝8時までには起床一日三食を摂り22時までには就寝しないと地獄行き、まぁ他にも色々あります。」
「なんか、かなり健康志向だね..」
「はい、現在の神政権のトップはヒュギエイア様ですので。」
(うん..誰?)
「まぁ、ですから人によっては今は地獄のほうが楽だと思われる方が多いそうです。」
「なんか複雑だねぇ~」
大家はそう言いながら持っていたほうきを玄関の扉に立てかけた。
「あっ、そういえば現世での仕事は何してるの?」
「こちらではシステムエンジニアを生業にしております。」
(うわ~、エリートっぽいことしてるな~)
「パソコンとか難しくないの?大丈夫?」
「はい、物覚えは良い方なので二日もあれば大半は理解できました。」
大家は苦笑いするしかなかった。
「では、そろそろ電車が出てしまいますので失礼します。」
フィデオは大家に向かって軽く頭を下げ歩いて行った。
(意外とちゃっかりしてるんだな、見た目はちょろそうなのに..)
すると塀の奥からフィデオの声が聞こえてきた。
「大家さ~ん、偏見はいけませんよ~!」
「うはぁへぇ!?」
大家は驚きのあまり変な声を出してしまった。
天界のフィデオさんが何故現世に来たのかはまた後程。




