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02:リズ


「私の名前を呼びましたか?」


 村人が困る姿は見ていられない。


 少し様子を見るつもりだったのだが、

つい声をかけてしまった。


「あ、あなたが」


「えぇ、お目当ての『魔女』ですよ」


「やっと会えた、やっと……」


「ん?」


 突然、音もなく倒れ込む旅人。


「リズ!?」


 隣にいた仲間であろう女性が身体を支える。


 倒れられては、落ち着いて話も聞く事が出来ない。


「話は後にしましょう。さぁ、こちらへ」


「……ありがとう」


「ノルトさん、すみませんが村長さんの所へ行って

旅人は私が対応したと伝えてはもらえませんか?」


 立ち尽くしていた村人へ頼み込む。


「はい、分かりました。お任せ下さい!」


「ありがとうございます、助かります」


 村人へ一礼し、私と旅人はその場を後にした。







「それで、何故ここへ?」


 旅人と出会い、移動したこの場所は

私の所有する小屋の一角。


 村の廃材を集めて作ったベッドの上では

先程倒れた旅人が穏やかな顔で眠っている。


 どうやら、この村へ来るまで休憩は

最小限に抑えてたらしく、目的である私を

確認することで疲れが表へ出てきてしまったらしい。


「私が話しても良いものか……

出来れば、今眠っているリズから聞いて欲しい」


「そうですか、ではリズさん、が目を覚ますまで

聞くのはやめにしましょう」


 私はそう言うと、

紅茶を淹れる為にキッチンへと向かう。


「紅茶はお好きですか?」


「あぁ、もちろんだ。

ありがとう何から何まで……」


「構いませんよ、なにせ久々のお客様ですから」


 客人用のティーカップと

紅茶の入ったボトルを手に言葉を続ける。


「目的は聞かないと言いましたけど、

あなたの名前ぐらいは聞いてもいいですか?」


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