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2.探偵は追い詰める

表があれば裏もある。

一話の裏側を大公開。

 俺は私立探偵の久木ひさぎ 悠二ゆうじ

 先ほど、警察から連絡があり、妹が呼吸不全で亡くなったという。

 現場に争った形跡はなく、発見時、部屋の鍵は施錠されていた。

 警察は事故死として片付けたが、納得のいかない俺は一人事件を追った。

 妹の交友関係を調べ尽くし、妹に好意を抱いていた人相の悪い男に接触する。

「なんの用だ?」

 俺は妹の写真を見せる。

「この女性、知ってるな?」

「し、知らねえよ。こいつがどうした?」

「俺の妹なんだ」

「妹?」

「ああ。こいつ、さっき殺されたんだ」

「殺された!?」

「何か知らないか?」

「し、知らないよ! あ、俺これからバイトだからもう帰ってくれ」

 俺は男の部屋を離れ、監視をする。

 やがて男がジュラルミンケースを持って出てきた。

 バイトへジュラルミンケースを持っていくのはおかしい。

 俺は距離を保って男を尾行した。

 暫く歩くと、男は辺りを見渡しながら、古い三階建のビルに入っていく。

 あそこは……。

 やがて男が出てくる。

 俺はビルに近づき、中に入っている企業を確認する。

 一階と二階は企業名だが、三階は個人名だった。

 怪しい。

 俺はビルを調べ、防犯カメラを見つけると、カメラの管理会社へ赴き、映像から三階の事務所に出入りする主を確認する。

「この部分、写真にしてもらえますか?」

 俺は女の写真を手にすると、遺体が発見された妹のマンションに向かう。

 マンションの管理人室で防犯カメラの映像をチェックすると、先ほど入手した写真の女が映り込んでいた。

「これ写真にして下さい」

 マンションの写真を入手した。

 俺は現場の部屋へ行く。

 鑑識作業の後のため何も残ってはいないと思うが、一応部屋を調べる。しかし、事件化できる証拠はなかった。

 妹は呼吸不全で亡くなったということだった。

 何者かが妹を眠らせ、呼吸を阻害して窒息死させたのだろうか。

 だとしたらどうやって鍵を施錠したのか。

 テグスでも使えばできそうな気もするが。

 俺は現場を後にすると、写真の女の素性を調べるため、例のビル周辺で聞き込みをする。

 結果、女は猿飛さるとび 香奈子かなこという名前であることが判明した。

 警察にいる旧友に猿飛の前歴を調べてもらうと、殺人罪で捕まった経歴があったが、証拠不十分で不起訴になっていることがわかった。

 俺は、例の事務所を訪ねた。

「こんにちはー」

 中に入る。

 室内には端正な顔立ちをした女性がいる。香奈子だ。

「いらっしゃいませー」

「こちらは島田しまだ 順子じゅんこさんの?」

「はい」

「島田さんは?」

「私ですよ」

 やはり偽名だったか。

「ここへ来られたということは、誰かを殺したいとお思いで?」

「いや。事件を解決しに来ただけだよ」

「え……事件?」

「ああ。亡くなったのは俺の妹でね。由美っていうんだけど、死因は呼吸不全。発見時現場には鍵がかかっていた……」

「事故じゃないの?」

「警察はそう見てるみたいだがな」

「じゃあ事故だよ」

「事件当時、君は由美に会ってると思うんだけど、どうだい?」

 俺は由美の写真を香奈子に見せる。

「……知らないわね」

「けど、少なくとも由美の住むマンションには訪れてる」

 俺は香奈子にマンションの写真を突きつけた。

「ここへはどうやって?」

「実は先ほど、うちの妹に好意を抱いているって男に会ってね。尾行させてもらったんだ。そしたら、ここに辿り着いた。で、ここの防犯カメラを管理している警備会社で調べさせてもらったよ」

 俺はビルの写真を突きつける。

「……………………」

 険しい表情をする香奈子。

「島田さん、君は殺人容疑で警察に逮捕されたことあったよね?」

「……なにが言いたいんですか?」

「俺の妹を、由美を殺したのが君だと言ってるんだよ、猿飛 香奈子さん?」

「……!?」

 名前を言い当てられ驚く香奈子。

「しょ、証拠は?」

「証拠はありません。ですから、あなたの口から聞きたいのです。あの時、あのマンションになんの用で伺ったんですか?」

「あ、あそこには私の家があって……」

「俺が見た限り、あそこに猿飛家はありませんでしたよ」

「いや、だから、猿飛は旧姓で、今は四方田って名前なんです」

「あのマンションには確かに四方田はありました。しかし四方田の奥さんはあなたではありません。警察に調べてもらいましたが、猿飛さん、あなたは未婚だ」

 室内が静まり返る。

「真相を知ってるのは?」

「俺だけだね」

「そう。じゃあ、あんたを殺せば真相は闇に葬れるわね!」

「無駄だよ」

 扉が開き、スーツ姿の男が二人入ってきた。

「警察だ!」

 警察手帳を見せる刑事。

「話は全部聞いた。猿飛 香奈子、お前を殺人の容疑で逮捕する!」

「え? ちょっ?」

 香奈子は刑事に拘束され、警視庁に連行された。

 彼女は取調で、事件の全容を語り、起訴をされたという。


良い子のみんなは殺人なんて絶対犯さないで下さいね。

やったら確実に捕まり、人生棒に振りますよ。

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