1.依頼された殺し
私は殺し屋。
今日も、誰かを殺そうとしている客がやってくる。
パタン、と扉が開閉し、人相の悪い男が入ってくる。
「ご依頼ですか?」
「あんたが腕利きの殺し屋だって噂を聞いてな。一つ頼まれてくれ」
「誰を殺したいんです?」
男は写真を取り出す。
写真には綺麗な女が写っていた。
「こいつに好意を寄せていたんだが、この間、こいつに告白したんだ」
「それで?」
「そしたら、『キモい』の一言だぞ? 赦せないよな」
うーん、確かに、この顔で迫られたらキモいかも。
「でも、殺したら後戻りはできませんが、それでも?」
「構わねえよ」
私は机の抽斗から書類を取り出し、男の前に置いた。
「これによく目を通して、よろしければサインを」
「ああ」
男は書類を見ると、それにサインを書いた。
「ありがとうございます」
書類を保管庫にしまう。
「それでは、あとはこちらで片付けますので、結果をお待ち下さい。くれぐれも他言はしないで下さいね」
「ああ」
男は事務所を出た。
さてと。お仕事お仕事。
私は男から事前に仕入れいていた住所へとやってくる。
ピンポン、とチャイムを鳴らすと、ターゲットの女が出てきた。
「なに?」
「今度、お隣に引っ越してきた相川です。ちょっと挨拶をと思って」
「そう。上がって」
私は女の部屋に上がる。
手袋をはめ、クロロフォルムで湿らせた布を、女の鼻にあてがう。
「う……」
女は眠りについた。
私は女の口と鼻を塞いだ。
その状態を保つこと十分、女は呼吸を止め、心拍数を失う。
「さて」
私は部屋を探り、玄関の鍵を見つけた。
事前に買っておいたテグスを縫針の穴に入れ。
女のズボンのポケットに通し。
玄関を出て鍵をかけ。
郵便受から中に鍵を糸を伝わせながら女のポケットにしまい、密室を完成させる。
最後は糸を抜き、何事もなかったかのようにそれらをしまい、事務所に戻った。
その後、女性の死体はニュースに載り、警察は死因を呼吸不全とし、事故として断定をした。
暫くして、依頼人がやってくる。
「ニュース見たぞ。本当に死んだな」
「報酬なんですけど」
私は請求書を男に渡した。
男は手にしていたジュラルミンケースを渡してくる。
私はケースの中を確認した。
数億ほど入っていた。
「確かにちょうだいしました」
「なあ、俺捕まんねえよな?」
「大丈夫ですよ」
「捕まったら全部喋るからな!」
「どうぞご自由に」
私はケースのお金を金庫にしまい、空のケースを男に返した。
男は事務所を出て行った。
その後、ある人物が訪ねてきた。
その人物とは。




