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異世界の王様  作者: 池崎数也
第四章
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第百九話:解読

 日もとうに暮れ、夜の帳と共に冬らしい寒さが城中に満たされる。城が石造りのためかやけに空気が冷たく感じられ、廊下を歩きながらもそれを感じ取った志信は僅かに苦笑した。


「少々遅くなってしまったか」


 呟いた声も、吐いた息と共に僅かに白く染まる。

 時刻で言えば午後八時を回ったところだが、“こちらの世界”は“元の世界”と違って電灯などの灯りがない。そのため、城のいたるところに設けられた燭台や置かれているランプからの光だけが頼りである。

 柔らかく、しかし光源としてはいささか弱い灯りが廊下を照らすが、光の届かない場所は墨をぶちまけた様に真っ暗になっていた。


「侵入者がいた場合、十分隠れられるな……もう少し灯りを増やすよう、義人に進言して……いや、増やすにも金がかかるのか」


 難しいことだと一人呟き、志信は義人の私室へと足を運ぶ。本来の目的は、そろそろ近衛隊の人数を増やしてはどうかと尋ねるためだった。

 志信自身も様々なことを学びつつ鍛えた近衛隊の兵士は、カーリア国の一般兵の中ではある程度の域まで達しつつある。だが、“隊”と呼ぶには少々人数が少ない。国王専属の護衛隊として機能するには、最低でも三倍ほどの人数が欲しいところだ。

 それが実現すれば、義人の警護はすべて近衛隊で引き受けることも可能になるだろう。

 もっとも、志信とて護衛として職業軍人の数を増やした場合のデメリットは理解している。“元の世界”と違って魔物対策などには使えるものの、軍人とは基本的に消費するだけの存在だ。その上国王の護衛ならば、あちこちの町村に派遣している屯田兵のような扱いにもできない。


 ―――鍛えた者を他の隊に回して軍全体の練度の向上……いや、どの道時間と金がかかるか。しかし全てを義人に任せるわけにも……。


 内心で様々なことを考える志信だが、簡単には答えが出ない。

 “こちらの世界”に来て以来、近衛隊を鍛え、時折他の隊に顔を出して訓練をする日々を送ってきた。“元の世界”と違って学校に行くこともなく、毎日体を鍛えるだけで良いのだから楽と言えば楽だろう。少なくとも、志信にとっては“元の世界”よりも充実した日々だった。

 志信はそこまで考え、毎日政務に追われている親友(よしと)のことを頭に思い浮かべる。


「その生活も義人がいればこそ、か」


 “元の世界”の規模で言えば国民が少なく、カグラの補佐もあるとはいえ、一つの国をまとめるというのは並大抵の苦労ではすまない。国民性が特殊というのもあるが、それでも今のところ大きな問題はなく、当面も問題が出ることはないだろう。


「……今度、城下町で差し入れでも買ってくるか」


 何か美味いものでも、と言葉をつなげようとした志信だったが、不意に妙な気配を感じてそちらへと目を向ける。

 志信が目を向けた先にいたのは、義人の私室を警護する二人の兵士だった。だが、二人とも訝しげに顔を見合わせており、志信はすぐさま歩み寄る。


「何かあったのか?」

「こ、これはシノブ様。いえ、それが……」


 言いよどむ兵士に、志信は僅かに首を傾げた。

 義人に何かあったのならばもっと大騒ぎしているため、それほど大事ではないのだろう。しかし目の前の兵士の様子は、何もなかったかと言うには無理があった。

 二人の兵士は互いに顔を見合わせると、僅かな沈黙のあと口を開く。


「今しがたヨシト王が部屋から出てこられたのですが、少し様子がおかしかったもので……」

「様子がおかしい?」

「はい。何やら思い詰めたような顔をされていたので体調が悪いのかと思って声をお掛けしたのですが、『なんでもない』の一点張りでして」

「ふむ……」


 兵士の言葉に、志信は少しばかり黙り込む。そして数秒ほど思案すると、軽く頭を振った。


「義人にもそんな気分の時があるのだろう。どこに行ったかわかるか?」

「執務室がある方向へ行かれました。他の護衛がついていたので、危険はないと思いますが」

「そういうことであれば、俺も気にかかる。様子を見てくるとしよう」


 兵士の言葉に軽く頭を下げ、志信は執務室が並ぶ区域へと足を向ける。


「もしや、カグラに怒られでもして(へそ)を曲げたか?」


 そう呟き、志信は小さく笑う。


 ――そんなものとは比較にならないほどの事態が発生しているとも知らずに。






 時を一時間ほど遡る。

 図書室で表紙のない本と鉄片を見つけた義人は、ひとまず夕食を取ってから自室へと戻ることにした。本にはまだ目を通しておらず、先に食事を取ったのも時間をかけて本を読むためである。


「さてさて、何が出るやら」


 背負っていたノーレをベッドの上に置き、義人はベッド脇へと腰を下ろしながら一人呟く。すでに日が暮れているためランプに火を灯して視界を確保すると、義人はやや緊張しながら本の表紙に指をかけた。

 そして義人は僅かに分厚さを感じさせる表紙をめくると、書かれていることを読み取るべく紙面を注視し―――首を傾げた。


「……何語?」


 ミミズがのた打ち回ったような、不可思議な文字。ニホンゴではなく、どこか似ているがコモナ語でもない。しかし文章として書かれているらしく、文字の羅列がページを埋めていた。


「なんだこれ? どこの言葉だ?」


 パラパラとページをめくり、他のページに書かれている文字が同一であることを確認する。文章の他にも挿絵が三枚あったがそれらは水墨画のように筆で描かれており、義人は眉を寄せた。


「絵のほうは……石? いや、水晶か何かか? あと、建物……か? それとこれは……」


 ひとまず、視覚的に理解しやすそうな挿絵に目を落とす義人。

 最初に見た挿絵では、台のようなものの上に大雑把に丸く削ったような形の“何か”が置かれてあり、その台の周囲を囲むように文字の羅列が描かれている。そしてその“何か”や、台を囲むように書かれた文字に対して線が引かれ、注釈のように文章が書かれてあった。

 義人は『石か何かを御神体にでもしているのか?』と首を傾げるが、考えるだけで解答がわかるはずもない。続いて次の挿絵に目を落とし、今度は多少引っかかるものがあって首を傾げた。

 挿絵として描かれていたのは、角材と板だけで組まれたらしい建物。比較物がないので正確な大きさはわからないが、絵を見る限りそれなりに大きいようだった。こちらも一枚目の挿絵と同じように、注釈らしき文章があちこちに書いてある。

 墨で描かれた絵なので角材や板の材質はわからないが、“こちらの世界”ならば木の可能性が高い。そこまで考えた義人は、自分の中で引っかかったものが何なのかと考え、


『―――召喚の祭壇じゃな』


 ノーレからの言葉に、思考を途切れさせた。


「……召喚の祭壇? 城の近くにあるやつか?」


 ノーレの言葉を鸚鵡返しに尋ね、義人はもう一度挿絵を見る。


「言われて見てみると、そう見えるな……でも、なんで召喚の祭壇が?」

『文を読む限り、召喚の祭壇の機能について書かれているようじゃな』

「機能ねぇ……ん?」


 さり気ないノーレの言葉の中に、義人は聞き逃せない言葉を聞いた気がした。義人はベッドの上に置いたノーレへと目を向けると、疑問を込めて尋ねる。


「今、『文を読む限り』って言ったよな? ノーレはこの本に書かれている内容が読めるのか?」

『…………』


 疑問に対し、ノーレは沈黙で答えた。義人はそんなノーレの様子に苦笑すると、軽く鞘を叩く。


「そこで黙ったら、知っていると言ってるようなもんだぞ?」

『……そう、じゃな』


 本当は隠すつもりだったのか、ノーレの声は硬い。そのことに少しばかり疑問を覚えた義人だが、今は先に尋ねるべきことがあった。


「それで、この本に書かれている文字は一体なんなんだ? コモナ語に似ている気がしないでもないけど、違うんだろ?」


 鞘に納まっているノーレを手元に引き寄せ、義人が尋ねる。そんな義人の問いにノーレは僅かに逡巡するような気配を出すが、やがて諦めたようにため息を吐いた。


『そうじゃな……この文字については、教えても問題ないか』


 ノーレはそう言うと、一呼吸分の間を置いてから語り出す。


『この文字はな、かつてこの地で使われておったものじゃよ』


 その言葉に込められた感情は、言うならば郷愁だろうか。

 懐かしげで、どこか寂しげな。まるで、幼い日のことを思い出すように遠くを想いながらの言葉。


「……かつてってことは、今は使われてないんだな?」


 今までに聞いたことのないようなノーレの声に、義人は内心で戸惑いながら尋ねる。すると、ノーレはそんな義人の内心に気付いていないのか、苦笑するように答えた。


『今この国で使われているのはニホンゴじゃろう? この言葉はのう、“この国”が誕生するよりも前に使われていたものじゃよ。先ほどコモナ語に似ていると言ったが、当たらずしも遠からずといったところじゃ。今のコモナ語を多少古くし、なおかつこの地方特有の訛りがあるんじゃ』

「ようは方言混じりの古いコモナ語か……注意して読んでみると、たしかにコモナ語っぽいな。俺でも訳せるところが少しはあるし、図書室を漁ればそのへんの本も出てくるかな?」

『さて、残っておるかのう。何せ五百五十年以上も前の話じゃ』


 ノーレの言葉と込められた感情を読み取り、義人は少しの明るさを込めて尋ねる。


「その話し振りからして、ノーレが『風と知識の王剣』だからこの言語を知っているってわけじゃないんだな? 勉強したのか?」

『ふむ、勉強か……使う内に自然と覚えることも勉強と呼ぶのかのう?』

「呼べるんじゃないか?」


 ノーレの言葉を肯定しながら、義人は三枚目の挿絵に目を向ける。

 挿絵として描かれていたのは、一枚の板だった。形は長方形に近いが、少しだけ角が丸く描かれている。板の表面にはミミズがのたうったような文字が書かれており、それを見た義人は僅かに首を傾げた。


「これ、本と一緒に入っていた鉄片か?」


 そう言いつつ、義人は本と一緒に持ってきた鉄片に手を伸ばす。そして紙面に書かれている挿絵と見比べ、確証を得てから頷いた。


「やっぱりそうみたいだな。ノーレ、書かれていることはわかるか?」

『書かれていること、か……どれどれ』


 義人からの言葉を聞き、ノーレは本の解読を試みる。そして、一分ほどの時間を置いてから言葉を発した。


『どうやら、この鉄片は召喚の祭壇の“中”に入るための『鍵』のようじゃな』

「鍵?」

『うむ、鍵じゃ。描かれている挿絵から考えるに、この本は召喚に関することが書かれているようじゃな。召喚の祭壇の外観に、“中”に入るための鍵。そして……』

「この石っぽいのが召喚の祭壇の“中”にある、と」


 言葉を引き継ぎ、義人はもう一度最初に見た挿絵のページを開く。そして、今度は挿絵だけではなく、書かれている文章を読み解こうとする。


「……世界……蓄積……五十年?」


 適当に目をつけた一文から読み取れる単語を口にしつつ、義人は首を傾げた。文章として読むことはできないが、並べられた単語から何か意図が読み取れないものかと思考を回転させていく。


『…………』


 そんな義人の様子を見ながらも、ノーレは何も答えない。

 義人の様子から“答え”にたどり着くまで時間がかからないと判断し、何も答えなかった。

 義人はノーレが口を閉ざしたことを不思議に思うが、それと同時に本の内容を訳すべく紙面に目を走らせていく。カグラに叩き込まれたコモナ語の知識を総動員して訳せる部分から訳し、わからないところは前後の言葉から最も合う言葉を当てはめる。


「世界をつなぐ穴……石を……蓄積……五十年ごとに……」


 言葉をつなげ、文へと変えていく。意味が合っているかはわからない。しかし、それでも単語の一つ一つをつなげ、文章を組み上げていく。

 同時に、義人は言い知れぬ悪寒を感じた。単語を訳し、文章にしていく度に不安感が脳裏を掠める。

訳すな、先を読むな、後悔する。そんな予知染みた感覚が思考を邪魔し、


「―――世界をつなぐ“穴”から溢れ出る魔力を『魔石』を核として蓄積し、封印する。しかし、およそ五十年ごとに『魔石』の魔力を消費する必要がある」


 それでも義人は、その一文を口にした。


「……は?」


 口にして、意味がわからず呆けた声を漏らす。義人は自分が翻訳した文章を頭の中でもう一度繰り返すと、不可解さを表すように眉を寄せた。


「訳は合っていたか?」


 義人はノーレへと目を向け、呟くように尋ねる。すると、ノーレは僅かな沈黙の後に言葉を発した。


『概ね合っておる。今の言葉の意味は、他の注釈を読めばわかるじゃろう』


 ノーレの言葉に促され、義人はもう一度本へと視線を落とす。そして、他の注釈を訳すべく紙面の文字を目で追った。

 しばらくの間、無言で本の内容を訳していく義人。だが、徐々にその表情が険しいものへと変化していく。


「……ノーレ、ここに書かれていることは」


 やがて、挿絵のあったページに目を通した義人が小さく呟く。その声には感情らしい感情が込められておらず、ノーレはゆっくりと、言葉を探して答える。


『真実、じゃろうな。わざわざ嘘を書く理由もなかろう』


 答えた声は、硬い。義人はそんなノーレの様子に、表情を険しいものから変えずに尋ねる。


「ノーレは知っていたのか?」

『……いや、妾も知らなんだ。そもそも、妾も召喚に関することはあまり知らぬ』

「そうか……」


 呟くように答えて、義人は目を閉じた。何かを堪えるように歯を噛み締め、数秒の後に目を開ける。

 そして、ノーレをつかむなり部屋を飛び出した。






 背後についてくる護衛の兵士の足音を耳にしながら、義人は真紅の絨毯が敷かれた廊下を進んでいく。その歩調は歩くと言うには荒々しく、速い。その証拠に、背後についてくる兵士はもはや小走りに近い速度だった。


『何をするつもりじゃ?』


 険しい表情で進む義人に、ノーレが控えめの声で話しかける。義人はそんなノーレの言葉に対し、逡巡もなく答えた。


『決まってる。実物を、この目で確かめるんだよ。本に書かれてあることが、本当かどうかをな』


 思念通話で答えた義人は、右手に握った『鍵』をよりいっそう強く握り締める。そうでもしないと、今しがた知った“事実”に押し潰されてしまいそうだった。



 ――この“装置”は、“この世界”に空いた穴を封印するためのものである。



 執務室がある区域を進んでいた義人は、自分の記憶を頼りに“目的”の扉を見つける。簡素な装飾が施された、白木造りの扉を。そして、迷うことなく扉の取っ手に手をかけると、背後へと振り返った。


「全員ここで待機! これは命令だ! いいな!?」


 怒鳴るように護衛の兵士に告げ、返事の声を聞くよりも早く扉を開ける。



 ――この“装置”は“隣の世界”から流れ込んでくる魔力を『吸収』し、蓄積するためのものである。

 


 城外は、墨で塗り潰したような闇に覆われていた。城から漏れ出る灯りと星の光が僅かに闇を照らしているが、視界はすこぶる悪い。


「あっちか」


 それでも、義人は真っ直ぐに進んでいく。

 向かう先は城の東。林の中に建てられた、召喚の祭壇。



 ――この“装置”で魔力の蓄積が可能な期間はおよそ五十年。



 義人は暗い視界に慣れてきた目を凝らし、召喚の祭壇の様子を窺う。

 召喚の祭壇の警備についている兵士の数は四人。しかし、それぞれが気を入れて警備をしているというわけでもなく、雑談に興じているようだった。それを見た義人は極力足音を殺して召喚の祭壇へ近づくと、右手に握った『鍵』へ視線を落とす。

 召喚の祭壇の“中”に入るための『鍵』だが、どこで使うのか。それを一瞬だけ迷った義人だが、以前昼間の間にこの場へ来た時のことを思い出す。



 ――それ以上の蓄積は『魔石』がもたない。



 暗闇の中義人は目を凝らし、手探りで目的のものを探す。

 あまり時間をかけると、見張りの兵士に気付かれたり、待たせた護衛の兵士達が追ってくる可能性がある。

 義人は僅かな焦りを押さえつつ、召喚の祭壇の壁面を探っていく。そして、一分ほど経った後に指先に引っかかりを感じて僅かに口元を緩めた。



 ――そのため、定期的に『魔石』から魔力を解放する必要がある。



 それは、小さな穴だった。形は長方形で、大きさは二センチほど。義人はそれを確認すると、右手に持った『鍵』を鍵穴へと差し込む。


「……ん?」


 僅かに、指先から魔力が抜ける感覚がした。次いで、ゴトリという“何か”が外れた音がする。義人はその音に僅かに首を傾げながら、試しに『鍵』を引っ張ってみた。すると、それに合わせて壁面が開き戸のように開かれる。


「……開いたな」

『開いたのう……入るのか?』


 ここまできて、引き返すわけもない。義人は一度だけ深呼吸をすると、召喚の祭壇の“中”へと足を踏み入れた。

 召喚の祭壇の“中”は、外の暗さに反して仄かに明るい。それは蝋燭などの明るさではなく、蛍の光のような明るさ。光源の正体が気になった義人は、ひとまず“扉”を閉めてから祭壇の“中”で淡く輝くモノへと視線を向ける。

 光を放っていたのは、台の上に置かれた一つの石だった。仄かな紫色に染まっているものの、硝子(がらす)のように透き通っている。

 義人は紫色の石を前にして、本に書かれている内容を思い出す。それと同時に、自身の記憶の中から眼前の石に該当する名前を思い浮かべた。


「『魔石』か……でかいな」


 かつて商人のゴルゾーが持ってきた売り物の『魔石』よりも、数倍は大きい。しかし色は比べ物にならないほど薄く―――義人はそのことに愕然とした。



 ――その期間は、五十年。そして、五十年の時で蓄えられた魔力を解放する際に“隣の世界”から――



 義人が翻訳したのは、そこまでだった。

 わかったのは、眼前の『魔石』を使って“こちらの世界”と“元の世界”をつなぐ穴を塞いでいるということ。『魔石』が長い時をかけて魔力を蓄積し、色濃く染まっていくということ。そして、その蓄積した魔力を使って“こちらの世界”と“元の世界”がつながるということ。

 本の全てに目を通したわけではない。本に書かれていることが、全て事実かどうかもわからない。だが、本に書かれていることが事実ならば、


「……嘘、だろ?」


 魔力が溜まらなければ、“こちらの世界”と“元の世界”がつながらない。

 召喚魔法は、五十年ごとにしか使えない。

 それを義人は知ってしまった。


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