表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様と過ごした90日間  作者: 夏野 みかん
18/214

希望…。

お父様より、一足先屋敷に戻った私は、ミランダ姫に、翻弄されているであろう、お父様の様子を想像して、ほんの少しお父様を気の毒になって苦笑していたら…

あれ?…と…


…そう、あれ?…と思った。


「…どうして、ミランダ姫は母親である王太子妃様と、ご一緒ではないのだろう?。」




ベッドに横になり…ゴロゴロと回りながら、いくら王家の姫とはいえ、ミランダ姫は、まだ幼いのにどうして、母親である王太子妃とご一緒ではないのだろうか?


まだ、3歳…ではなかったか…?


今まで、ロザリーとシリルをやって行くだけで、精一杯で…ミランダ姫が、侍女達だけに囲まれた生活を、あまり疑問には、思わなかったが、一度気になってしまうと…いろんなことが気になってきていた。


数年前から、病床に伏していらっしゃる国王陛下。

国王陛下の母上である王太后様。

陛下の奥方の王妃様。


そう言えば、王妃様を選ばれたのは、同じルーレン国のご出身の王太后様だった。


陛下には、王妃様との間に、王太子様。

そして、スミラ様との間に、ルシアン王子。

庶子がいらっしゃたようだが、公にはおふたり。

そして、王太子様には、王太子妃様がいらっしゃる。そのおふたりの間に、お生まれになったのがミランダ姫。


妃様方を外すと …わが国の王家は、この6人の方々になる。


ミランダ姫は…

王太子夫妻の唯一の姫で、在らせられるのに、その待遇は…

姫としてなら、当たり前なのかもしれないが…幼子には寂しい生活だ。ルシアン王子だって、スミラ様が亡くなられた5歳の頃まで、一緒にお暮らしだったのに…ミランダ姫はお生れになってから、ずっとおひとりだ。


ルシアン王子がそんなミランダ姫を気に掛け、そんなルシアン王子に懐かれるのは、当たり前だなぁ。




下が騒がしいけど…

お父様が帰られたか?


あっ…階段を走って登っておられる。


コンコン・・


やっぱり、お父様だ。


クスクスと笑いながら

「無事のご帰還、おめでとうございます。」

と、扉を開けた私に、ほんの少し口元を緩められたが、すぐに厳しい顔で私を見られた。


「お父様?!」


それは…悲しげでもあり、怒りで震えているようにも見え…

戸惑いながら、私はもう一度


「お父様…どうされたのですか?」


私を見つめていた、お父様はまるで、怒りを抑えるかのように、目を瞑られると

「ミランダ姫に…姫がルシアン殿下に渡された酒が、ルシアン殿下のお命を危うくしたと…言った者がおる。」


「そんな…」


「その者はミランダ姫が、なかなか言うことを聞いてくださらないことで、つい出た言葉だったようだか…」


「姫に振り回されていた侍女ですか。でも、腹がたつ事があっても、主である方の姫に、ましてや幼子に…なんてことを…」


「その侍女は、すぐに女官長が姫のお側から外したが…姫が…」


「泣いておられるのですか?!」


「…泣いておられるのなら、慰めの言葉もかけることできるが…まるで人形のように、表情さえ忘れてしまわれたように、ぼんやりとされて…。」


「相当、ショックだったんですね。」


「ロザリー。私の執務室に、ロザリーとシリル用の服を用意しておる。いつでも入って、着替えられるように整えた。


……行ってくれるだろうか?


王太后様と王妃様の動きを探るという、当初の目的とは違うが…、頼めるか?


ミランダ姫は…ルシアン王子が描くこの国の希望なのだ。

ミランダ姫がいらっしゃるから、ルシアン王子は…この国を出ることを決められた要因のひとつなのだ。」


「希望…?」



それは…どういう意味だったのだろうか…。


私の顔を見て、お父様は言われた。

「ミランダ姫なしでは、我が国は滅ぶやもしれん。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ