表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のんびり魔法使いは楽しく生きていきたい  作者: らんたろう
第一章 目が覚めるとそこは森ではなく草原だった
5/278

5話


 デンが仲間になってからおそらく一年がたったころ。魔力の調節が制御もうまくなってくると、なんとなくだが魔力が感覚でわかるようになってきた。


 デンの胸の辺りを中心に魔力が発せられている。それが運動時や睡眠時によって強弱がある感じだ。

 自分もだいたいだが胸の辺りから発せられている。鹿やイノシシにもほんの少し感じたし、山にたまに現れる変な鳥にもあった。

 木は地面からほんの少し魔力を吸い上げてたり、葉っぱから吸収したりして蓄え、全体にしみこんでいくのが観察してわかった。

 変な鳥を生きたまま解体してみると、どうも心臓だと思われる場所の近くに小さなコブが二つあった。そのうちのひとつから魔力が発せられている。死んで時間が経つと、石のように魔力を残したまま固まってしまった。


 これは・・・魔石?魔力がある奴は魔物?なら魔力を発してる俺も魔物?定義がわからん。


 魔力を感じ取れると、今までは手から魔力を放出していたが応用して全身から放つことができ、さらに最近は遠くから放出することも可能になった。

 導火線のようなイメージで魔力を流し、任意のところから火や水を作り出すことができるといった感じだ。

 

 しかし、もし敵がいたとして、そいつも魔力を感知できるようであればばれてしまうであろう太さの導火線だと思うので、今後はもっと細くて早く多くの量を隠しながら送れる様になることが課題だ。

 

 それらの延長で空気中の魔力の流れがわかるようになった。大体は風に乗せて魔力の流れがあるのだが、何かしらの自然現象などでそうでない場合もあった。

 また、魔力の澱みというか、流れが悪くて魔力が溜まってしまう場所というものもある。デンはそういった場所を好んだ。

 山狩りで休憩してるときは、小さな穴倉に魔力溜まりがあるとそこで昼寝をすることがある。


 パワースポット的な何かか?


 草原は基本的に魔力の流れがよく風も適度に吹いていて澄み切った感じだが。

 おそらく森や谷などは、その澱みが濃くなる場所なのではなかろうか?ゴブリンの村も気になるし今度行って確認してみようと思う。


 そして恐らくだが空間魔法のようなものも習得できたのではないかと思う。

 ある日、海をボーっと眺めていると。きれいな夕日がかかっていい絵になっていた。

 近くにある木をバックにこの絵が切り取れたらなと思い写真を撮るポーズをしながら魔力を放出して見ていると、木が綺麗に切れてしまったのである。

 断面がすべすべで、手触りがよい感じになっていたので、恐らくそこ空間を切り取ってしまったのであろうと推測する。

 しかしこれには問題があった。貫通力がありすぎるのだ。

 距離は何処までかはわからないが視界にあった場所を切ってしまうのは、味方がいた場合危険である。必要な物まで切ってしまうかもしれない。

 空間を把握し、必要な部分だけ切り取る精密な技術ができるまでは諸刃の剣となってしまう。さらに精進を続けないと。


 今までの魔法も、どうやら水火風土分けていたが、どうやら水が液体、土が固体、風が気体、火は運動エネルギー?的なものを分類わけして自然と使っていたということがわかってきた。

 無意識にそんな印象を持っていたんだろう。雷や重力や光を操るのはさらにそれらの細かい部分を操るさらに難しい部分であることもなんとなくだがわかってきた。


 しかし、結局は理解できなくても想像できればなんとなくだが出来る。そのかわり理解できてない部分は、燃費は悪いができてしまうので気にしないことにした。

 逆を言えば想像できないと現象を引き起こすことができないということだ。


 魔力さんマジ便利。魔力さんが一瞬でやってくれました。




 いろいろなことができるようになり、魔法も上達したのであたりを遠くまで飛んで探索してみることにした。

 試しに高く飛んでみたり早くしてみたり、寒さや空気の薄さ、衝撃なども緩和させないといけないのでいい魔力の消費と運動になった。

 それにより移動が楽になったので、二三日かけてあたりを回ってみたが、どうやらここは恐らく北海道ほどの大きさの島だったようだ。

 北海道行ったことないけどそれくらいの大きさだと思う。そして人里はなかった。

 周りはずっと海で、他に陸地のようなものはなかった。残念である。

 細かく調べてはいないが、上空から確認できたのは森にあるゴブリンの村だけだった。しかも結構規模が大きい。

 太陽の日の出日の入りで大体の東西南北を確認し、砦から山沿いに北に進むと沼地があり、沼地から北東に火山と思われる山があった。だが、煙は出てないので活動はしていないだろう。

 

 そこから西に進むと海岸があってまた山岳が続くといった感じだ。そして深い森が見えてきた。

 途中で大きな鳥に何度も襲われた。さらに山岳付近にはドラゴン?ワイバーン?のような生物も遠くから見ることができた。


 このあたりは強い魔物が多いのかな?


 森は空気中にある魔力の澱みが濃く溜まっている所が多く、やはりそういう傾向があるのかもしれない。危険を感じたので高度を上げてさっさと進むことにする。


 島の端までついたので森を南下する。すると森の中に大きな湖があった。

 そこから川が続いてるので近づいて降りてみると、大きな滝があった。

 滝といえば気になったので、滝の裏側に洞窟はないかと探してみたが、何もなかった。残念。


 南の森は最初に森に来たときに襲われた怪鳥などが襲ってきたが懐かしく思いながらも、北の森ほどの脅威はなさそうだと感じた。


 川の流れに乗って魔力の流れがいいからかな?


 それから東に進むと、湖から続いていた川があったので川沿いに進んだ。初めて川を発見したところにも着いた。キャンプした跡地があり、懐かしい気持ちになった。

 それからゴブリン村を空から観察してから砦に戻ってきた。


 人がいないのは悲しかったが、いくつかわかったことがある。

 恐らく魔力の澱みが魔物を強くしたり生み出したりしているのではないだろうか?草原は通りがいいので強い魔物が発生しにくいし、住み着くほどの旨みがないのだと考える。

 

 それにしても野生動物はいてもよさそうだが?


 島で周りにあるのは小島ぐらい。他に大陸のようなものは感知できなかった。

 次は島の周りを探ってみることにする。


 今回は魔物とまともに戦わなかったが、今後は戦うこともあるかもしれない。ちゃんと装備を整えておくべきだった。

 今の服は汚れないし、いつの間にか修復されているけど、防御力は普通の服と同じだ。

 武器は土魔法で剣や槍を形作ってそれをより固めたものだから、使い捨てで便利だが耐久力に不安がある。かち合ったときにぽっきり折れて致命傷はごめんだ。

 

 でもな~、皮のなめし方や武器の作り方なんでしらないし、鉱石なんて見たことない。この島に鉱山とかあるのかな?

 修行や、畑の管理、狩猟でそういうのは全然やってこなかったからな~。


 ちなみに革は洗って水につけて放置しっぱなしなので今後の課題にする。


森に行かなければいんだろうけど、そろそろ俺も十分強くなったと思うし、ゴブリン村ともできれば交流したいしな。

 会話ができるか怪しいが他に情報も欲しいし、そうなれば入らざるをえないだろう。衝突も十分にありえる。

 追撃されて砦がばれてしまえば攻められるかもしれない。そうはなりたくない。

 飛んでさっさと逃げてしまえばばれないだろうが……。

 危険は少ないに越したことはないが賭けだな。

 そのときはデンも連れて行くか。


 デンもあれからさらに大きくなり、最初あったとき大人かと思ったが実はまだ子供だったらしい。成長して大型犬ほどの大きさから軽自動車並みの大きさに成長した。

 時々背中に乗せてもらって走り回って遊んでいる。毛ざわりが気持ちよくもふもふしている。


 そして角も小指ほどだったのが、手の大きさほどにまで伸びていた。放電量も上がった気がする。

 放電に何の意味があるのかはわからないが、放電したときの突進スピードはかなり速い。

 突進時に触れるとはじかれるような痛さがあり、しびれる。出会ったときはそんなことはなかった。放電自体にもダメージがある。

 電撃を至近距離だが飛ばせるようになったようだ。


 さらに不思議なことにデンは食事をしなくても生きていけるようだ。恐らくデンは魔物で魔力を糧に生きている。


 俺は食べないと腹が減るのにな。

 草原で生き残っていたと思っていたのに、デンにサバイバル知識なんてなかったんやー。


 しかし、食べられないわけではない。食べ物からも魔力を摂取しエネルギーに変えているのだと思われる。

 主に鹿の肉に山菜を細かくし、天日干しした魚を粉末にしてエサをあげているが、フンもあまりしないし吸収効率がいいのだろう。

 特に鹿の肝はお気に入りだ。俺は寄生虫などが怖いので食べたりはしないが……。

 

 デンに乗って森のゴブリンを訪ねるとしよう。

お読みいただきましてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ