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42話


 今回はドラゴンに襲われるというアクシデントもなく、無事にロコチョルの街へたどり着くことができた。

 馬車に乗って辺境伯邸へ向かう。


 「もどってきたのねっ、ランドルフ!!」

 「久しぶり、エレインちゃん」


 屋敷に入ると、ジュレップの娘エレインが走ってこっちにやってきた。メイドさんに注意されて落ち着き、優雅に挨拶をしてくれた。こちらも手の甲にキスをして挨拶を返す。エレインが少し顔を赤く染めた気がした。


 「ランドルフ君。そういう挨拶はまだ君には早いんじゃないかな~」

 「いだだだだっ、何するんですかっ!!」


 ジュレップにアイアンクローをもらってしまった。


 「ランドルフ君は相変わらずね」


 ジュレップの嫁のモナティアが階段をゆっくりと下りてきて挨拶をされた。

 挨拶を返そうと、モナティアの手をとる直前にジュレップに襟首をつかまれ、邪魔をされた。

 その様子を奥様は笑ってみていた。

 息子のナダンは母親の影に隠れながら、相変わらず敵意むき出しにしてこちらを睨んでくる。

 挨拶をしたが短く返されてその場を離れていった。


 ジュレップの父であるアクラナスはいなかったが、家令のヘレスがいたのでお世話になりますとだけ挨拶をしておく。ランドルフはこの家令が苦手なのだ。

 だがカナンカの事を紹介すると跪いて挨拶をしていた。立場の違いがあるから仕方がないが、対応の違いにどこか納得がいかない。


 エレインにすぐ離れて島に帰ると言うと文句を言われた。なので今日はデンに乗って遊ぶ。カナンカも一緒で、すぐに仲良くなっていた。こうなることは分かっていたのか、エレインのお勉強の予定は空けてあったようだ。

 はしゃいで走ったり、魔法の上達具合を軽く見てあげる。その様子をナダンとアプスが遠くから見つめていた。


 「またしても強敵が現れました」


 アプスがつぶやいたが何のことか分からない。


 ジュレップと今後について話をした。

 王様から船をもらったが、パンターナ辺境伯で使われていた軍船を、王様が買い取ってそれをランドルフに渡すことになっているとか。もう一隻は商船を改造して貴族用にした。

 既にジュレップが一度こちらに帰ってきたときにある程度手はずは整えてくれているらしい。

 ありがたいことだ。

 スプモーニ商会に頼んで、帆や船にプレイリー家の家紋をいれてもらっている。船乗りも募集して、そのまま家臣に出来るように取り計らっているとか。


 「費用などはこの前のお礼に商会がもってくれた。後は君が判断して人選を選んでくれ」


 つくづく自分の無能さを思い知らされるな。行き当たりばったり過ぎて全然だめだ。スプモーニ商会にも何かお礼をしないとな。安易かも知れないがまた剣歯狐を狩って持っていこう。


 厚かましいが、便乗してメイドさんと兵士になってくれる人も募集してもらうようにお願いした。


 「素行の悪いものとか、間者対策もあるからこちらが手を加えないとね。その辺りはまだ無理でしょ?」


 ありがたすぎて泣けてきそうだ。なんという気配り、これができる男というやつか。


 そしてメイドの一人を辺境伯から手配してくれた。いつぞや案内してくれた犬耳のメイドさんだ。

 島に住んでもらうことについて大丈夫なのか聞くと、前々から希望者を募っていたらしい。名前はブルグロット、歳は21歳。親を亡くして兄弟もおらず、独り身だという。ランドルフの世話や案内を買って出たのは、人となりを確かめたかったからだそうだ。10歳という幼い頃から辺境伯の屋敷に奉公に来ていて、仕事の出来る中堅どころだという。


 そんな前から考えていたんだな……。


 早速呼んでもらった。


 「お久しぶりでございます、プレイリー子爵様」


 綺麗に腰を折り、お辞儀をされた。挨拶を返して疑問に思ったことを質問する。


 「初めて会ったときに尻尾触ったり、了解は得たけど失礼なことをしたと思うんだ。それでも私に仕えてくれるの?」

 「街をご案内した時、子爵様は気さくに接してくださり、私達の事を気にかけてご一緒に昼食を振舞ってくださいました。あの時はまだ貴族ではないとのことでしたが、そこに人物像を見たと感じましたので」


 本当になんとなくだったんだけど、褒めるように言われると照れくさいな。


 「うちのメイド長としてお願いするよ。後今度は耳だけでなく尻尾触らせてね」

 「最後の一言がなければ私が仕える理想の人ですのに」


 控えめな笑いをくれながら言われてしまった。


 ブルグロットには家の事を任せることにする。アプスは侍女として俺の身の回りの世話に従事させると話をした。

 そう話してアプスを見ると、どこか不機嫌だ。


 「やっぱりメイド長は自分がよかった?」

 「それはブルグロットさんに任せます。私が不機嫌なのは耳や尻尾を触らせてとランドルフ様が言われたからです」

 「不機嫌を否定しないのな」

 「ランドルフ君は女ったらしだね。娘には気をつけるように言い聞かせないと」

 「うぐっ」


 そんなつもりはないのに。解せぬ。


 またしてもブルグロットに笑われてしまった。悪い印象がないならそれでいい。アプスたち3人のダークエルフメイドの影の護衛としての役割も伝えておく。ブルグロットの部下として扱うが、護衛や屋敷内の警備の意味もあるので別物と話しておく。


 その後も話しは続き、ジュレップもコラプッタの港町までは見送りに着てくれるとのこと。滞在費用もスプモーニ商会が持ってくれるとか。そんなにお金を使って大丈夫なのかと疑問に思ったがジュレップに気にするなと言われた。いつぞやの外套や杖も出来ているので、現地で受け取るという話になっているらしい。


 次の日は一日移動の疲れをとることにし、エレインと遊んですごした。カナンカは来てからずっとワインを飲んで酔っ払っている。エレインにお酒臭いと指摘されていたが、むしろ嬉々として誇っていた。ドラゴンの感覚が分からない。

 その翌日に出発することにした。


 「楽しかったわ。また会いましょうねランドルフ」


 今度は泣きそうな顔ではなく笑顔で見送りをしてくれるらしい。


 「ええ、また会いましょう」


 奥様とナダン、家令のヘレスに挨拶をして出発した。






 

 コラプッタの港町へ着くと、まずすぐにスプモーニ商会へと向かう。ホクホク笑顔でスプモーニが挨拶をして迎えてくれた。


 「このたびは色々とご支援いただきましてありがとうございます」

 「ジュレップ様から紙の作り方を教えてくれたのはランドルフ様と聞いております。御礼を言うのはこちらのほうです」


 なるほど、紙作りをスプモーニに任せて販売させるから金をほいほいだしてくれたんだな。ここでもジュレップの気遣いが染み入るな~。ジュレップの事だからうまいこと自分も儲けてるんだろうけどね。


 商人達も紙の便利さは理解しているが、どんどん値段が上がるので使用を控えるようと考えていた。そこにジュレップから製法を教えらたとの事。


 「既に工場を作って何枚かは出来ております」


 スプモーニが工場で出来た紙を持ってきたので見せてもらった。形は歪で荒さもあるがまぎれもない紙だ。


 「大きさを決めて周りを裁断したほうが見栄えがいいと思います。厚さも決めて品質を一定にしたほうがいいでしょう」

 「なるほど、確かにその通りだ。早速そのようにいたします」

 「材料を柔らかくするのに使用した水はちゃんと処理してくださいね」

 「説明書に書かれていた通りにしております。木の伐採などについても同様です」


 問題なさそうだな。


 その後もあれこれと話しをしてお土産を持たされて、宿泊する宿へ案内された。ダークエルフの人々も一緒だそうだ。大人数なのですごくお金がかかると思うのだが、後日狩った剣歯狐を二匹渡しておいた。










 スプモーニ商会で船乗り達の面接を行った。ジュレップにブルグロットとアプスも一緒だ。

 子爵に仕えられるとの事で結構な人数が集まったが、事前に調査して厳選してあるとの事。それでも様々な人種が100名近く残った。

 移民はまだ募集しない。いきなり大人数来られてもまだうまくいくかわからないからだ。

 素人から経験者まで、兵士になることと島に住むことを全員了承している。一人ずつ面接して八割近くを合格にした。中にはランドルフが子供だと分かると、頼りないと思ったのが辞退するものもいた。

 合格した人を早速船に連れて行く。


 俺も見るの初めてだしどんな船だろう。


 期待していたが、大きさはあるが、それだけの普通の帆船だった。船乗りの中には風魔法を使える物が何人かいるので、その人たちは軍船に回した。動かす人数は一隻に大体30人だとか。


 魔法のおかげで早さも出るし人数はそんなもんか。


 船長を決めた。名前はエスドゴという若いが力がある角と羽の生えた龍人だ。龍人が故のプライドの高さはあるが、実直で自分から行動する人だと周りの人が言っていた。若いといっても78歳らしい。

 船が事故で壊れたので、新しく買う資金もなかったが、ちょうど募集があったから応募したとか。彼と一緒に船に乗っていた人たちも一緒だ。

 カナンカを見た瞬間に忠誠を誓うと宣言していた。


 俺の家臣になったはずなのにおかしい。


 カナンカはそういうのはめんどくさいので、ランドルフにしっかりと仕えるようにと説明していた。

 そのおかげか、カナンカの友であるとわかると、こちらにも尊敬の眼差しを向けられた。龍に認められるのはやはりすごいことらしい。


 ちゃんとしてくれたらなんでもいいけどね。


 軍船を動かすので船の上での戦闘訓練もしっかりしてもらう。スプモーニ商会から運び込まれた荷物の管理を任せる。

 運ばれてきたワイン樽を見たカナンカは、早速開けて飲もうとしていたのでだめだと注意する。ドラゴンを怒っているランドルフの様子を見ていた人たちは、ランドルフに敬意を抱いたのだった。









 翌日。

 島の鍛冶師になってくれるムングを連れて、杖を作ってもらった鍛冶屋にやってきた。


 「こんにちはできてますか?」

 「おお、久しぶりだな。注文通り出来てるとは思うが……なにぶんはじめて何でな」


 早速見せてもらうと、ランドルフの身長と同じ高さの槍が出てきた。イメージ通りに作ってくれたようだ。


 「持ち手の中の部分に棒状のミスリルを入れて、魔石まで魔力が通りようにしてある。切っ先は鉄で魔力は通りにくいが、同じくミスリルで通り道を作ってやった。魔石もミスリルを使って固定してある」


 刃の根元部分に丸く形を整えられた魔石がはまっている。


 「刃を叩きつけても大丈夫なようにはできているが、もし槍として使うなら、どちらかというと突くようにしたほうがいい。強度は突いたほうが高いし、叩くとゆがむかもしれないからな。もちろん杖として使えるようにはしてある」


 槍として見せることが重要だからそれでいいか。杖だとばれにくければそれでいい。


 軽く防具を被せたわら人形を叩いて感触を試す。槍としては本当に飾りのようだ。

 お礼を言って追加で金貨数枚を払い店を出た。


 ムングに槍杖を見せる。軽く叩いて音と感触を確かめている。


 「鍛冶としての出来はこれが限度だなぁ。いい素材があれば強度も保てるだろうよ。いい腕をしてるのはたしかだ」


 現状でのお墨付きをいただいた。


 素材か……。


 オリハルコンとかあるのかと聞いてみると、あるらしい。魔石部分も宝石や魔晶石などを使えばもっといい物が出来るとか。だが魔晶石は地中深くで発見されるため、なかなか手に入らない。


 話を聞くと魔晶石も宝石の一種じゃないのか?地中の溶岩は魔力の流れが濃いからなぁ~。圧縮して固められたときに魔力もたまるんだろうね~。帰ったら島の北の休火山、ちょっと調べてみようかな。温泉も掘りたいし。


 ムングには似たような感じで杖代わりになるナイフを作ってもらうことにした。他にも兵士達の武器や防具を作ってもらうのだ。


 フォラスさんの住んでる場所を聞いて挨拶に行った。しかしフォラスさんはしばらく帰ってこないとの事だったので、ランドルフが挨拶に来ていたとだけ言っておく。


 残念だがまたその内会えるでしょう。


 次に革細工の店に行く。剣歯狐で出来たコートを受け取った。余った革で作った財布や鞄でだいぶ儲けた様だ。両手をぶんぶん振りながらお礼を言われた。早速袖を通してみた。


 「どお?似合ってるかな?」

 「はい、格好良くて素敵です」

 「そう?ふっ、俺に惚れるなよ?」


 少しふざけて調子に乗ってみた。アプスには効果は抜群のようだ。両手を広げて抱きしめられそうだったのでかわす。


 「馬鹿なことやってないで帰るぞ」

 「ちょっとぐらいいいじゃないですか」


 言葉を無視して帰った。





 船に行って積荷の状況をエスドゴに聞く。


 「荷物が多すぎます。軍船の方にも乗せないと一回で運ぶのは無理ですね」

 「足回り遅くならない?」

 「思ったよりも魔法使いの人数が多いので大丈夫かと」

 「大丈夫ならまかせるよ」

 「わかりました。二日あれば整理して動かせるようにしておきます」

 「たのんだよ」


 船の中に入ってブルグロットを探す。ダークエルフのメイド二人と一緒に掃除をしていたようだ。


 「ご苦労様。調子はどう?」

 「昨日中をすべて確認しました。掃除もほぼ終わり、いつでも住むことが可能です」

 「さすがだね。でさ、なんか荷物が一杯だから向こうにも運ぶってことになったんだけど聞いてるかな?軍船の方に回したほうが都合のいい物資はエスドゴに伝えておいて」

 「かしこまりました」

 「追加のメイドさんはどう?」

 「なかなか筋がいいですし、仕事ぶりは丁寧です。今は簡単な片づけをやらせてます」

 「なら良かった。そっちはちゃんと指導してブルグロットの部下として扱ってくれていいから」

 「はい」


 あれから面接でメイドを3人雇った。やってきた人は20名ほどいたが、耳や尻尾を触らせてくれますかと言う質問でほとんどが退席していった。ジュレップは笑っていたが、白い目でブルグロットとアプスに見られた。だが譲れない。尻尾のない人間もいたのだが、セクハラされると思ったのか残らなかった。だが残った3人は人間と猫の獣人と蜥蜴人だ。


 人間のフェーニ。12歳だが、孤児で早く独り立ちしたいから志望したとの事。後で孤児院の人にも挨拶に行って了解を得た。


 次に猫の獣人のクニャータ。フェーニと同じ孤児院の出身で、フェーニと仲がよく心配なので一緒に来た。


 最後に蜥蜴人のシャキュピ。元々戦士として育てられてきたが、才能が無いと言われてそれが嫌で自ら旅に出た。一人狩人としてがんばってはいたが、怪我を負った際に体の動きに違和感を感じて、このまま続けては命を落とすかもしれないと引退を決意。仕事を探していたときに面接の紙を見たのだとか。


 「ねぇブルグロット」

 「なんでしょうか?」

 「シャキュピって早口で10回言ってみて?」

 「はぁ?」

 「いいから」

 「分かりました。でわ……」


 ブルグロットは深く息を吸った。


 「シャキュピ、シャキュピ、シャキュピ、シャキュピ、シャピュキ、っ~~~!!」


 恥ずかしくも悔しそうにするブルグロット。それを見たランドルフはニヤニヤと笑った。


 やっべ、犬耳っ娘が恥ずかしそうに照れてもだえてる姿可愛すぎるだろ!!貴族になってよかった~!!


 その顔を見たアプスが文句を言って対抗する。


 「シャキュピ、シャキュピ、シャキュピ、シャッキュ、っ!!無理です~」

 「まぁ難しいだろうね」


 冷めた反応をするランドルフ。


 「なんですかっ!!なんでブルグロットさんと反応が違うんですか!?私のとがった耳触って下さってもいいですから!!むしろ触ってください!!」

 「ランドルフ様意地悪です。仕える先を間違ったかも……」


 残りのダークエルフ二人もその様子を笑ってみている。


 「私の名前を呼ばれた気がしたのだが。っとこれは主殿、失礼した」


 本人が登場した。


 「いやいいの。シャキュピの名前を早口で10回言えるかって話してたところなんだ」

 「は?」

 「気にしないで。そういえば怪我を負ったって言ってたけどどこなの?」

 「肩ですが。それがどうかしましたか?」


 名前で遊んでしまったお詫びをかねて治療できるか試してみる。許可をもらって肩を触らせてもらった。

 アプスは治療のためだというのでさすがに文句は言わない。


 「人間と同じかどうかわからないけど、同じだとしたら肩より背中だね。強く打ったりしなかった?」

 「倒れたときに少し打った気もしますが……」

 「たぶんそれだね」


 神経は問題ないようだが、背中の筋がずれて筋肉と骨の間に挟まっている。


 変な体勢で背中打ったんだなきっと。


 背中に触れて、筋を動かして元の位置に戻す。


 「これでいいと思うけどどう?ちょっと動かしてみて。アプス、短刀貸してあげて」


 アプスの役割は話してあるので、隠していた短刀を見せられても驚きはなかった。むしろ借りたナイフを振り回しても違和感無く動き回れていることに驚いていた。


 「張り詰めたような小さな痛みがありません!!ありがとうございます!!」


 よほどうれしかったのか、犬のように大きな蜥蜴の尻尾を振っている。


 「あっ、治ったからってまた狩人に戻るとかはできれば勘弁してほしいな~」

 「いいえ、元々才能が無いと言われていましたし、このご恩に報いるためにも精進してお役に立ちたいと思います!!」


 うむ、よきにはからえ。


 「さすがランドルフ様です」

 「どう?ブルグロット。少しは見直した?」

 「どうしてそこでブルグロットさんに聞くんですか!!」


 アプスの言葉は無視する。


 「その台詞がなければ見直しました」

 「あらま」


 その言葉でみんなが一斉に笑った。










 その後。荷物を積み込んだ船はいつでも出港できるとの事で、スプモーニとジュレップにお礼をいい、お別れの挨拶をする。


 「スプモーニさん。お世話になりました」

 「こちらこそ剣歯狐をいただきましてありがとうございます。またいつでもお力になります。今後ともよろしくお願いいたします」


 深々とお辞儀をされた。


 「ジュレップ様。ずいぶんとお世話になりました」

 「やっと肩の荷が下りるよ。がんばって島では好きにやってちょうだい」

 「はい。お元気で」

 「またね」


 短く挨拶を交わし握手をして、船に乗り込む。


 「ジュレップ様っ!!お世話になりました!!」


 大きく手を振って別れを惜しむ。船が出港した。ジュレップも手を振って返す。


 また今度来るときは御礼をたくさん持ってこれるように島を発展させよう。


 少し涙を浮かべて離れた港を見つめるランドルフであった。

お読みいただきましてありがとうございます。

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