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38話

PV一万超えました。ユニークもちょうど二千人になりました。ありがたや~。


 相変わらず寒いっての~。空調もうちょっと温度上げるか。


 ジャスタ山の頂上へカナンカを迎えに来たランドルフ。


 『カナンカどこ?』

 「ここじゃ」


 声の聞こえた方向を見ると、頭から角が生えていて、背中には翼があり、腰から尻尾の生えた白い鱗の肌が目立つ龍人の女性がこの寒い中裸で立っていた。


 「うわっ!!ちょっと服着てください!!何でこんなところで裸!?」

 

 慌てて後ろを向き目をそらす。 一瞬だけ見えたが、肌は白く短い銀髪で胸の大きいモデルのように美人な大人の女性だった。


 「ふむ、うまく出来てると思うたが……服とはの~」

 「もしかしてカナンカ?」

 「いかにもじゃ!!」


 こいつ本当にやりやがった!!


 「なんで女性なの!!男でも裸は問題だけど!!」

 「我は元々雌じゃ!!失礼な!!」


 確かに念話の声は高い声だったけど、竜の声で性別なんて理解できんわっ!!


 「謝るから!!とにかく元に戻って!!」

 「なんじゃ、せっかくおぬしも人間の雄じゃから喜ぶかと思ったのじゃが……」

 「十分喜んでるけど刺激が強すぎるって!!」

 「喜んでいるなら十分に見るがいい、遠慮するな。我とおぬしの仲じゃ。どうじゃ?うまく龍人に成れたと思うが?」


 腰に手を当てふんぞり返って大きな胸を揺らすカナンカ。ランドルフは見ていないのですごさはわからない。


 「分かったから。今はお城に行かないといけないから後でお願い!!」

 「しょうがないの~」


 そういうと、鱗がびっしりと全身を覆い、爪も生え、口は大きく開き、体も大きくなっていった。


 『元に戻ったぞ』

 『はぁ、確かに女性の裸は興味あるけどさ。いきなりはびっくりするって』

 『驚いたのならしてやったりじゃな!!』


 カッカッカ、と上機嫌に笑う守護竜様。


 『ドラゴンに戻ったら話すのは念話じゃないと無理なのね』

 『顎の形が人とは違うから、うまく発音ができん』

 『なるほど。それにしてもいきなりでよくしゃべれたね』

 『練習しておったからの』

 『この短時間ですごいな。変身はどうやって覚えたの?』

 『人間の死体を観察しての。昔であったことのあった魔族の話を思い出しての~』

 『死体って……まさか殺したの?』


 ドラゴンだからそのつもりがなくても、観察したとき加減を間違えてついやっちゃったってことも……。


 『さっきから失礼じゃぞ!!我が意味も無く殺すと思うてか!!』

 『そうは思ってないけど、死体っていうからさ』

 『むっ、言い方が悪かったか。すまぬ。死体は人を観察しに飛んでおったときに見つけたのじゃ』

 『いや、こちらこそごめん。それってどの辺りでみたの?』

 『南のほうじゃの~。森の近くじゃ』


 森の近くなんて魔物がいるって聞いたし、用もないのに近づかないだろ普通。狩人か?それとも密入国者か?


 『……ふむ。魔族の話ってのは前に言ってた変身するのが得意な魔族?』

 『うむ。そうじゃ』


 なんでも人だけではなく動物にも変身できるとか。


 やばいなそれは。もし戦うことになって、人間に紛れ込んでいたら見分けつかないじゃん。簡単に暗殺されちゃうよ。魔族は国からはほとんど出ないって教えてもらったけど、もしかしたら潜んでる可能性もあるんじゃないの?敵対してるわけではなさそうだけど。


 『本当はもっとおぬしのような人間になれればよかったのじゃが。どうしても龍人の姿になってしまうのじゃ』

 『最初にちょっと見えたけど、なかなか上手だったと思うよ。最初カナンカだってわからなかったし。それに美人だったよ』

 『そうか!?そう言ってもらえるとうれしいのぉ!!』


 美人と言われて喜ぶ守護竜様。


 いや、普通に分かるわけ無いじゃん。テンプレかもしれないけど半月でなんでドラゴンがいきなり人になってるんだよ。


 『とにかくお城へ行こう。普通に飛んで行って一吼えするだけでいいって前言ったっけ?』

 『うむ、聞いたぞ。そういえば今日は狼がおらぬが?』

 『お城にいるよ、最近遊んであげれてないからちょっと拗ねてる』

 『ならば我が遊んでやろうぞ!!』

 『あ~……、まぁお手柔らかにね』

 『うむ、任せておけ!!』

 『じゃあ、行こうか』


 カナンカの背中に乗って王都へ向かった。







 王都は山からすぐ近くなので、ゆっくりと飛ぶ。魔法で城の様子を見ながら近づいていく。向こうもこちらが来ているのが見えたのか、城に集まった人がざわざわし始めているのがわかる。

 降りていいと合図が出たので、お城を旋回し、ゆっくりと降り立つ。


 『カナンカ。あそこの広間ちょっと開いてるところがあるでしょ?』

 『城の前の人ごみのところか?』

 『そう、そこに降りて』


 さながら上から見たライブ会場といったところだろうか。一定以上近づかないように仕切りがあり、騎士達が立っている。

 そのぽっかりと開いた部分にカナンカがゆっくりと降り立つ。羽ばたきで風がすごく砂煙が上がる。

 人々は皆その様子を見てあるものは畏怖し、あるものは銀色に光った巨体の美しさに見とれていた。


 「ようこそおいでくださいましたレスタイトの守護竜カナンカ様。そして守護竜の加護を受けし者、ランドルフよ」


 王様は城の上ではなく、自身も広場に降りてカナンカを見上げて話しかけた。貴族達や宮廷魔法士も集まっている。だがパトリームの姿は見当たらない。


 『ここで一吼えして』


 グルァァァァァァァ!!!


 ランドルフの言葉に従い、真上を向いて大きくほえたカナンカ。それを聞いた王様は静かに跪き、それに従って騎士達や貴族、そして民衆もいっせいに跪いた。


 すげぇ……。みんなきれいに一斉に跪いたぞ……。


 子供は泣いたり、興奮したり。大人は怯え恐れる者、祈りをささげ崇める者など反応は様々だ。ランドルフはカナンカから降りて横に立つ。


 『我はレスタイト王国の守護竜と呼ばれし者、カナンカである。此度は国王であるシュタルクの願いによってここに来た』

 「この度のご訪問、我ら一堂心よりお待ちしておりました。守護竜であるカナンカ様をこうしてお迎えできましたこと、真にうれしく、また光栄に存じます」

 『うむ。我もこうしてここに来る事を楽しみにしておったぞ』


 主にお酒目当てですけどね。


 「これからもこの国にお変わりなき加護を、光を照らし、見守って頂きます様伏してお願い申し上げます」

 『よかろう。人との争いには参加せぬが、災いあれば手を貸すことを約束しよう』


 「おお~」「守護竜様の加護が再びこの国に」「レスタイト王国は安泰だ」


 ざわめきが聞こえるが王様が手を上げると、静かになった。


 「皆のもの!!守護竜様はこのレスタイト王国を見守ってくれると約束してくださった!!この国の安寧はより一層長く続くであろう!!守護竜カナンカ様に感謝をささげよ!!」


 「「「レスタイト王国万歳!!」」」「「「カナンカ様万歳!!」」」


 貴族も含め、集まった国民全員が大きな歓声が響き、思い思いにカナンカに感謝の気持ちを叫んだ。


 「また、守護竜様を御呼びし、王国との関係を強固なものにしてくれた!!守護竜様に乗って現れた少年。プレイリー・ランドルフに、この功績を讃え、子爵の位を与える!!」


 「「「おおおーーー!!!」」」


 俺の紹介の部分ほとんど歓声で聞こえてないんじゃない?まぁいいけど。


 ちらりと王様に目配せされた。


 『カナンカから何か言うことがあったらどうぞってさ』


 本当はランドルフに一言言えと王様は言いたかった。


 『特に無い。それよりも早くワインが飲みたいの~』


 二人きりの念話だったため周りには聞こえなかったが、洩れていればどうなったことか。


 『なにか一言ほしいな』

 『ふむ』

 『俺とお友達でも何でもいいから』


 ランドルフが民衆達のほうへ振り向く。すると何か言うのかとみんな静かになった。


 『ランドルフは我の友である。良くしてやってくれ』


 「守護竜の友……」「そんな人間がこの国に……」「レスタイト王国は永遠だ!!」


 「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」


 さらに盛り上がりを見せる民衆達。ランドルフも手を振ってアピールする。両手をおきくひろてげ今度は王様が発言した。


 「守護竜様はこの国のワインを大層気に入られている。わが国との友好の証として王家の財宝と、ワインを献上させていただく」


 宝石類はいらないが、送ったということが大事だとのことで、形だけ用意された財宝やたくさんの数の酒樽を騎士達が広間に持ってきた。


 酒だけで動くドラゴン……。無くはないが威厳は無いかも。


 『感謝の印、しかと受け取った。我だけでなく皆も飲むがよい』


 「「「「「うぉ~~!!!」」」」


 それからは宴会が始まった。相変わらず一気に一樽飲み干すカナンカ。挨拶に来た貴族にランドルフが余計なことは言わないように念話でアドバイスした。貴族が終わると民衆がカナンカの近くに来た。怖くないのだろうか。さすがに警備の問題があるので、少数ずつ挨拶したり祈りを捧げたりしている。ある酔っ払いは、カナンカに口をあけてもらうように言い、開けた口に酒を注いでいた。カナンカも上機嫌だ。


 日が暮れる前に始まった祭典は夜になっても続いており、調子に乗ったカナンカは上空へ突然火を吹き出した。ものすごい熱に酔いもさめたのか、周りはシーンと静かになりしらけたかと思われたが「「「うぉおおおおおおおおおおおーーー!!!」」」と歓声が起きてまたみんな飲み始めてしまった。


 アプスもこちらに来てお酒を飲んでいる。


 「守護竜カナンカ様お会いできて光栄です」

 『俺の護衛兼侍女兼ダークエルフのまとめ役のアプス。仲良くしてあげて』

 『うむ。ランドルフの事頼むぞ』

 「はっ、この身に代えましてもお守りいたします!!」

 『よい心意気じゃ。おぬしも飲むがいい』

 「ありがたく頂戴いたします」


 二人で仲良く飲み始め、ランドルフの事について語り始めた。ランドルフはその様子を微笑ましく見ていたが、そこに一人の人物が近づいてきた。


 「ランドルフ」

 「やぁ、パトリーム。いなかったから来ないのかと思ったよ」

 「……謝りに来た」


 このタイミングで!?今みんな騒いでるうるさい中なんですけど……。


 「少々強引だった。ごめんなさい」


 少々どころじゃなかったけどね。解剖するとか普通言わないから。


 「次は相手の事も考えようね」

 「わかった」

 「じゃあ許す」


 許すと言ったとたん可愛らしい微笑が見られた。散々悩んだのかもしれない。他の人にはなんでもないことでも勇気をもって謝りに来たのかも。そう思うとパトリームが可愛く思えてきた。


 「アプスにも謝ってね」

 「わかった」


 カナンカと話をしているアプスに謝りにいった。カナンカにも挨拶をしている。


 謝ってって言ったけど、ドラゴンと話をしている中に割り込むってなかなかすごい胆力だと思うんだが……。


 様子を伺っていたのか、遅れて王様も殿下も他の貴族達もやってきて挨拶をした。


 「やあ、ランドルフ君。大任ご苦労様」

 「ジュレップ様、ありがとうございます」

 「そろそろ僕の手伝えることもなくなってきたかな?」

 「いえ、自分なんてまだまだなのでこれからもよろしくお願いします」


 久しぶりにジュレップ様に会ったな。それはそれでなんか不気味だ。何か裏でやっていそうで怖い。


 軽くカナンカに挨拶をして屋敷に帰っていった。


 祭典も無事終わり、酔っ払いばかりで二日酔いの人が多く、次の日は閉めている店が多く見られた。


 そしてカナンカも夜にまぎれて山に帰っていった………と思われたが、それはそう見せかけていただけであった。


 「何でここにいるの?」

 「大丈夫じゃ、おぬしに見せてもらった姿を消す魔法も習得したのじゃ」

 「それもあるけど、ってそういうことじゃなくって!!ってか裸で来ないでくださいって!!アプスッ!!」

 「はっ……はぁ!?旦那様、この女は誰です!!どこから来たんですか!!城の兵士は何をやっていたのだ!!」

 「落ち着け、カナンカだ」

 「は?カナンカ様?」


 カナンカはよく分かっていないアプスを見てカラカラと笑っている。


 「えー!!」


 アプスに服を持ってきてもらい、その間ランドルフは離れろといっても離れない、酔っ払ってべたべたと引っ付くカナンカに悶々としていた。


 友達だからって普通こんなに引っ付くものじゃないでしょう……。これだから酔っ払いは……。


 「我々の服が着れるかどうか……。尻尾の部分はどうしましょうか」

 「ごわごわとして動きにくいの~。これはどう着ければいいのじゃ?」


 俺の目の前で着替えるのやめてくれ。部屋から出て行くか。


 その夜はアプスとカナンカに挟まれて寝ることになった。


 う~ん。二人とも酒臭い……。離れてくれ~。二人で抱きつくな~~!!


 ランドルフはぐっすり眠れることはなかったとか。

お時間いただきましてありがとうございます。

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