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のんびり魔法使いは楽しく生きていきたい  作者: らんたろう
第一章 目が覚めるとそこは森ではなく草原だった
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3話


 「んが?」


 目が覚めた。真っ暗で何も見えない。入り口を壊し、外を確認する。

 あたりはまだ薄暗く、相変わらず何もない。まだ早朝といったところだ。

 水玉を出し水を飲み顔を洗う。


 腹が減った移動しよう。


 そう思いかまくらを壊す。

 壊れたかまくらの残骸を見て思った。

 子供のときに入ったビニールのプールみたいだなぁ……と。


 「はっ、お風呂作れるんじゃね?」


 何もいない草原で朝の露天風呂……ありだと思います!!


 腹が減ったのも忘れて早速風呂を作ってみた。


 温水だばーっとな。温度は42℃を意識してっと。


 手を入れて確かめてみる。


 チャプッ


 ……いい感じだ。


 だが何もない草原とはいえ警戒はしておかないと。風呂のときが一番無防備だって言われてるしな。


 風魔法でソナーの要領であたりを探ってみる。


 ……悲しいかな何もない。


 もう少し範囲を広げてみる。半径5kmほど探ってみた。


 何もないことを確認っと。


 土魔法で地中を探ってみる。


 蛇が巣穴から出てきたりしたら困るしな~。これらを探査魔法と呼ぼう!!

 

 地面に手をつけて同じように探ってみるがこちらも問題ない。さらに範囲を広げてみると少し頭が痛くなってきた。

 安全を確認できたので風呂に入ることにする。


 ザバーン!!


「あ゛あ゛ぁ~~ぎもぢい゛ぃ゛~」


 どっぷりと肩までつかりながら思案する。


 地面を調べたときに頭が痛くなったが、魔力の使いすぎとかを気にした。

 しかし、やめたとたんに治まったのは、頭の情報処理の問題かな?

 そもそも魔力とかあるのだろうか?


 頭痛がするほど使ってもその後にけだるさとかはない。

 昨日歩きっぱなしの疲労も寝たことである程度とれたし、風呂に使って今はリラックスできている状態だ。


 持っている魔力が多いのか、それとも消費効率がいいのかわからんな~。


 ぼ~っと空を眺めながらいろいろ試してみた。

 お湯を足し、ジェットバスのようにしたり、土で椅子を作ってみたり。

 他の属性も試してみたりした。

 光を湯気に当てて小さな虹を作ってみたり、双眼鏡のようにして辺りをみたり、作った椅子を無重力状態にして浮かせてみたり、電気風呂も出来るんじゃないかと思ったがさすがに加減がわからず感電が怖かったのでやめた。

 風呂から上がり、全身に温風を当てて乾かす。


 それにしても服は汚れがないな~。

 森を歩いても枝に引っかかって破けたところも見当たらないし、靴も水をかけたらすぐ汚れ落ちたし。

 汗かいてるから臭ってもいいはずなんだが……。気にしてもどうしようもないしな。

 よし、移動しよう!!目印をつけておいたので着た道を戻るということはないっ!!

 とにかく腹が減ったので食料がほしい。にく~!!


 あたりを見渡しながら風魔法と土魔法で調べながら進むと、森のようなものが見えてきた。

 さらに遠くには山もうっすらと見えた。


 もしかしたら食べられる木の実なんかがあるかもしれないなっ!!


 足が自然と速くなる。

 森について魔法で調べてみると、範囲内に収まりきらないかなり大きな森のようだ。

 早速食べ物を探すために森の中に入る。

 何処となくジャングルっぽい感じがする森だが、探査魔法を使っていれば迷うことはないだろう。

 目印もつけておく。


 足場が悪い中探っていると鳥がいた。何か木の実のようなものを咥えている。


 食べれる実だろうか?何処にあるんだ?


 さらに探しさまよっていると、ねずみのような何かがいた。ねずみにしては大きい。


 カピバラか?


 逃げていったので不用意に追いかけてみる。するとねずみが群れていたのだ。

 距離はあるがよく見ると、動物の死体にうじゃうじゃと群がっているようだった。


 気持ち悪い。


 大事になる前にその場を離れることにした。


 結局何も見つからずに彷徨う。腹が減った、限界も近いかもしれない。

 そう思っていると探査魔法に川のような反応があった。


 川なら魚がいるかもしれない。食糧確保だっ!!


 川について反応を探る。


 いたっ!!


 風呂では試せなかった電気ショックを浴びせる。


 違法?しらんねっ!!こっちは腹へって死にそうなんだっ!!緊急事態だし許してくれ。


 魚が6匹ほど浮いてきたので重力を操り浮かせて手に入れた。


 鱗が光っててよくわからんがフナっぽいかな?とにかく食べよう。

 焼けば問題ないだろうし、魚のことなんて詳しくないしな!!


 木の枝を探して口から刺し、魔法で焼く。

 がつがつと食べ、3匹目を食べ終わったところで探査魔法に反応があった。

 小さな群れが近づいてくる。


 この反応……、さっきのねずみか?

 もしかして魚の匂いに釣られたとか?

 ……やばいっ!!

 魔法で撃退も出来るかもしれないがまともに練習してないぞっ!!

 ぶっつけ本番は怖いからここは逃げるか。数も……、20匹ぐらいはいるな。撤退だ!!


 重力魔法で体を軽くしてぴょんぴょん逃げ跳ね川沿いを下っていく。

 するとねずみの反応がいきなり減った。変わりに大きな反応がある。


 なんだ?……これは、……ワニかっ!!


 振り向いて確認するとワニがねずみを食べていた。


 これからは川の中も探査魔法をしないと危ないな。今回はたまたま大丈夫だったからよかったが、タイミング的にあのワニはこっちを狙っていたのではないだろうか?ねずみに感謝だな。

 しかしそうなると探査の範囲が狭まるな~。慎重に進まないと。

 暗くなってきたし寝床も確保しないと……。サバイバル大変だ~、魔法がなかったら絶対死んでたなこれ。


 ねずみの襲撃に備えて寝床は高くしておく必要がある。


 もしくは地中でシェルター作って寝るかだが……地中を襲撃なんてないよな?

 草原みたいに何もいなかったらそれはそれで困るが、森みたいに色んなのがいても困る!!

 鳥もいたし空も警戒しないと。怪鳥みたいなのがいたらどうしよう。虫とかも怖い。


 そう考えた結果地中に煙突を作ってシェルターのようなものを掘って寝ることにした。


 そんなこんなで木の実や魚を主な食料として川を下ること二日。

 俺はついに村を発見した。

 だがそれはゴブリンの村だった。

 

お読みいただきましてありがとうございます。

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