表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第一夜 始まった新学期

キーンコーンカーンコーン……


「始業式を終わります。礼。」

「近くのドアから退出してください。」

いつも通りの挨拶だった。

「おーい!」

後ろから声がする。

「おい!まてって!一緒に教室行こうぜ!」

そう、この男は

「俺の親友、一ノ瀬渉(いちのせ わたる)身長は172cm体重は61kg。ルックスはカッコイイ、学力は中の上。小中高一緒のクラスで今にいたる。部活は天文部で副部長だ。」

「てっ…おい!誰に言ってんの?」

「小説を読んでくれてくれてる方々に…な。」

自信満々に言った。



数時間後…

「はーい。終わります。気をつけて帰ってね〜。」

この人は担任兼天文部顧問の小鳥遊咲(たかなし さき)

結構美人だ。

「けど結婚できないのが謎。」

「んっ…?なんか言ったかな?真壁君。」

ちょっと怒った。

「いえ…なんでもありません……」

危ない危ない…。

「あっ…このあと部室に全員集合だからね。必ず来てね。」

一応、顧問だった。

「わかりました。」

「一ノ瀬行こうよ。」

「わかった。」

部室に行く途中、

「まってー私も行く〜。」

この声は…

「彼女の名前は、龍音子唯(りゅうおんじ ゆい)。俺の幼なじみだ。結構かわいい。身長は165cm体重は?kgスリーサイズは言わない約束になっている。彼女とも小中高一緒で今は天文部の部員だ。」

「誰に言ってんの?」

「こいつまた言ってるよ…最近おかしくないか?」

不思議に思う一ノ瀬。

「ねぇ!早く部室行こうよ!!」

急かすように言う。

部室にて

「新学期も始まったので新しいことをやります。」

「新しい…こと……?先生の結婚相手さがしとか?」

「なにを…いっているの?真壁君?!」

「すいません…。新しいことってなにをするんですか?」

「山に登って天体観測をしましょう♪日時は来週の土曜日です♪」

ご機嫌になって言う。

先生は星が好きなのだろう…。

「じゃ〜、終わります♪みんな準備しといてね。じゃ〜またね♪宿題やってくんのよ!!」

声を揃えて言う。

「は〜い…」


家に帰るまでの足取りが重い……いつも通りの道をなにもなく平凡に進む、風の音、木の葉の揺れ動く音が川のせせらぎのように聞こえてくる。

そして家に着く。

ドアを開けて、

「ただいま〜」

家の廊下を健気に歩く。

「あら、お帰り。学校どうだった?みんな変わってなかった?クラスはどう?」

質問攻めの母親。

「ん〜まあまあって感じかな…?」

何気なく言った。

「今度の土曜日、天文部で、天体観測するんだ。」

勇気を振り絞って言った。

「そうなの…。あの日以来ね…。楽しんでおいで。」

励ますように母親は言った。

そして、仏壇の前に行き

「親父、ただいま…」

チーン……

手を合わせ目を閉じる。親父が死んだのは、10年前のあの日…。

−あの日は流星群を見に行ったんだったな…山の頂上に登り、天体観測をした。そこには、幻想的な世界が広がっていた。「わぁ〜。凄い。きれいだ〜。お父さんきれいだね〜。」

その世界にはまり込んでしまった僕は、ひたすらに感動を言いまくった。「おぉ!!めっちゃきれいだな!星好きか?」

お父さんは冷静に僕を見て笑いながら言った。

「うん。大好き〜!!!また見たいな〜!!」

そういいながら、山を下りた。下りる途中、いきなり車が出てきて、お父さんは僕をかばうようにだきかかえた。

キキッーー… ドカー…ゴフッ……

鈍い音がした。お父さんは血だらけになっていた。その時、僕は何が起きたかわからなかった。ただただお父さんの名前を言っていた。

「お父さん、死んじゃやだよ〜〜。お父さん……ねぇ…お父さん………」泣きながら叫ぶ。

その後20分くらいしたら救急車が来た。病院に送られたが、一歩遅かった。そう…お父さんが…家族の一人が…この世からいなくなってしまったのだ…。

後日、葬式(そうしき)を行った。そこには多くのお父さんの友達や親族など、また、僕の友達も呼んでお父さんの死を悼んだ。お母さんは、僕と妹二人を抱きしめて、泣いていた。歯を食いしばって泣いていた。それ以来天体観測に行っていない。もちろん望遠鏡にも触れてはいない。−

そんなことを思い出してしまった。

その後、自分の部屋に向かってベッドにねっころがった。

そのまま寝てしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ