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その勇者は最強故に  作者: 陽山純樹
勇者始動編
24/428

裏切りの要因

 翌日、俺は朝食を食べた後、早速グランホークに呼ばれた。


「完成した」


 言われたのは玉座の間。藍色の絨毯が玉座まで敷かれた部屋のほぼ中央に俺は立ち、グランホークと玉座前の三段ある階段下で向かい合って話をしている。


「今私が立っている場所。ここに誘導してもらえれば、魔法が発動する」


 言うと、彼は敷かれた藍色の絨毯を靴の先でトントンと叩いた。


「この城の魔力を集積して発動する魔法だ。魔王の妹であっても、抗うことはできないだろう」

「そうですか。とりあえず適当な理由を付け、誘い込めばいいわけですね?」

「ああ……しかし、無理に行動を起こせば怪しまれるだろう。玉座に入った後は、私が上手くやる。お前には、別の役目を担ってもらいたい」

「何をすれば?」


 聞き返した時、彼は手を広げ語り出す。


「難しくはない。もし作戦に失敗した場合の保険を頼むだけだ」

「保険?」

「魔法が発動すれば勝利するのは確定だが、術式が失敗するという可能性もゼロではない。もし外れた場合、お前の方で仕掛けてもらいたい」

「つまり、俺が倒すと?」

「奇襲であれば、難しい話ではあるまい」

「……わかりました」


 俺は話を合わせるため承諾し、さらに尋ねる。


「ではもし、魔法が失敗に終わり、俺の攻撃も外した場合は?」

「用心深いな」

「念の為です。勇者として生き残るためには、そのくらい用心深くないと無理でしたからね」

「ふむ、そうか……こちらの謀反は行動で知れた状況となるな。ならば普通に交戦し勝利するしかない」

「リーデスやファールンとも戦うということですか?」

「そうだ。ベリウスの名を冠するお前であれば、十二分に戦えるだろう?」

「……買ってくれていることはありがたいですが、あまり過大評価しない方がいいと思いますよ」


 不安げに――無論演技だが――呟くと、グランホークは会心の笑みを浮かべた。


「心配いらん。この城には魔物など戦力は十分ある。見た所両者は実力としては並程度……お前や私の力。そして、城にいる軍勢を考えれば恐れるに足らん」


 彼の口上に、俺は疑問を抱く。リーデスの実力が並……? 元ベリウスであったことを鑑みれば、見当違いも甚だしいが。


 ん、待てよ……そういえばリーデスはここに来てから如実に気配を出している風に見えない。俺も彼の実力は過去の経験に基づくものであるので、この城に滞在したことを根拠として考えれば、十二分に行き着く推論かもしれない。

 そう考えれば、なるほどと思った。あくまで力がないということを認識させることで、油断を誘う。これもきっと、大いなる真実に関する試験の一環なのだろう。


 しかしそれが今回、別の形で役目を果たしている。


「そうですか。では……」


 俺はグランホークへさらに続ける。


「もしもの場合ですが……」

「もしも、とは?」

「八方塞がりとなった場合です。最悪ここから外に転移をすれば逃げられますが……」

「ふむ、逃亡しても追い付かれるのが必定だろうな。外部に逃げるのは、滅ぼされると同義と思えばいい」


 グランホークは明瞭に答えを出す。となれば、可能性は一つしかない。


「以前お前に紹介した地下……あちらに身を隠す。前にも話したが、あの場所はかなり特殊な術式が組んであるため、転移術を知らなければ侵入してくることはまずない」

「ですが、身を潜めるだけでは……」

「わかっている。そうなればこちらも最終手段に出るしかないだろう」

「最終手段?」


 俺の言葉に、グランホークはしかりと頷く。


「その部分は話していなかったな。一つだけ……力を手に入れる手段がある」

「それを最初から実行すれば良いのでは?」

「これは切り札だからな。余程のことが無い限りは使えない」


 回数制限でもあるのだろうか……思いながら、俺は問う。


「その方法は?」


 こちらの言葉に、グランホークは「急かすな」と答えた。


「いずれ教える。だが一点だけ言わせてもらえれば、魔法具の一種だ」

「そうですか」


 魔法具を使用して力を増幅させる――推測しかできないが、おそらくそんなところだろう。


「では、頼んだぞ」


 グランホークが締めくくる。俺は「わかりました」と応じ、(こうべ)を垂れた。


「何か質問はあるか?」


 そして問われる。俺はしばし考え――


「……もし、話してくれれば、ですが」

「何だ?」

「昨夜気になった件……あなたが力を欲する理由です」


 告げると、グランホークは眉をひそめた。


「聞く必要があるのか?」

「言ったでしょう? 興味だと」


 それが理由だと言わんばかりに、仰々しく肩をすくめてみせた。すると、


「……まあ、勇者である以上話して理解できる部分もあるか」


 彼は答えた後、話し始めた。


「そう複雑な動機ではない……簡単に言えば、復讐だ」

「復讐?」

「そうだ。私の一族は、謀略により滅ぼされた。両親や弟……親族全て」


 ドキリとなった。復讐――そして両親の死――俺が剣を握り始めた理由と、よく似ている。


「魔王そのものに対して恨みを抱いているだけでなく……私が復讐すべきなのは魔族そのものだ。この理不尽に満ちた魔族という存在を力によって従わせる。それによって、復讐は完遂する」

「あなたが上に立つことこそが、復讐だと言いたいのですか?」

「そうだ。謀略を画策した魔族は存命……そうした魔族の上に立ち、奴らに地獄の苦しみを味あわせる。だからこそ人間から技術を学び、機会を待った……しかし、ブディアス殿と出会うまではそうした好機は訪れなかった。根本的に力が違い過ぎたからな。当然と言えば当然だ」

「だから、力を手に入れようとブディアスに協力を?」

「そうだ」


 頷くグランホーク。根源は復讐。そして目的は頂点に立つこと。


「それを完遂するということは、魔王を滅ぼす気でいるということですね?」

「そうだな。力があればそれを叶えられる……今度こそ、私が食らいつくす」


 笑みが彼の表情を支配する。策が成就しそうになり、本性が現れているかもしれない。

 彼の顔を見ながら俺は思案する。復讐――謀略に気付き選択肢はいくつかあっただろう。


「凶行を止める手段はなかったかもしれませんが、他に選択はあったのでは?」


 尋ねてみると、グランホークは笑みを消した。


「他か……確かに関係のある魔族へ上訴すれば、通用したかもしれん」

「それをしなかったのはなぜですか?」

「確かにそれを実行すれば、一族の無念を晴らすことはできたかもしれない。だが同時に、私は永遠に下級魔族であることを自認する他なかっただろう……対して、何も知らないまま過ごしているフリをすれば、奴らを欺いて力を手にする可能性が高まる。私は後者を選んだだけだ」


 なんとなく、理解した。彼の根源は復讐よりも、力を欲する部分に重きを置いている。だからこそ泣き寝入りを選択し、決して誰にも復讐の件を話そうとしなかった。


 俺もまた復讐が原点であったため、グランホークの気持ちがわからないでもない。魔王を滅ぼすため力を欲する。そして剣を学び、旅を経て――大いなる真実を知った。結果として俺は魔王エーレの弟子入りをして、ここにいる。


 ふと、グランホークはどうなのか考えてみる。彼は魔族に家族を滅ぼされたことで復讐を願った。けれど同時に、力を手にして支配者となろうとしている――動機は似通っていても、立場や考えが違えば、意見も大きく変わる。これはそうした実例だ。

 もし俺が彼と同じ立場であったら――恨みが強かったら、彼のように行動していたかもしれない。なんとなく、境遇について同情の念を抱きそうにはなったが――


 だからといって秩序を乱していい理由にはならない。


「それが今日、果たされてるというわけですね」


 話を合わせ俺が言うと、グランホークは「そうだ」と答えた。


「では、ここに連れて来ます」


 最後に言うと身を翻す。背中越しに「頼むぞ」という声が聞こえた。

 玉座を出て廊下に出る。俺は無言のままシアナの部屋へ歩き始める。


「さて……」


 気を引き締めながら呟く。大いなる真実を知らせる新たな幹部候補を試す仕事――それは大きく形を変えたが、今日で終わりを迎えそうだった。






 シアナを連れる前に、仲間達に玉座の件を話した。すると、


「何か思う所があった?」


 隣に立つリーデスが尋ねた。俺は椅子に座るシアナと彼を交互に見た後、首肯して答える。


「自分が剣を握った理由と似通っていたから、少しばかり立場に同情した部分もある……けど、だからといって見過ごすことはしないさ」

「そうか……と、似通っている?」


 リーデスは首を傾げた。シアナも同じように訝しげな視線。そうか、二人は知らないのか。


「俺の両親は、魔物に殺されたんだよ」


 言うと、二人同時に目を見張った。その様子を見ながら、俺は続ける。


「だからこそ、魔王を討とうと思った……けど、旅を続け大いなる真実を知り、今はここにいる。この一事こそが、結論だよ」


 説明に、二人は黙ってこちらを見続ける。何か言いたいことがあるようだが……二人は話すことはなく、飲み込んだ。


「わかった」


 リーデスが代表し、そう答えるだけに留める。


「それで、俺は予定通りグランホークの策に従う、ということでいいのか?」


 話を戻す。リーデスは気を取り直し即座に頷いた。


「いいよ。で、罠にはめた彼を僕らが倒す」

「僕ら? 俺だけじゃなくて?」

「最終的に地下施設に逃げ込めば、君一人で戦うことになるだろうね」

「……一応訊いておくけど、魔法さえ知ればリーデス達も行けるぞ?」

「グランホークを倒したら、戻れなくなるかもしれないよ? そうなった時、転移した僕達をどうやってこちらに戻すの?」

「あ、そうか」


 脱出の面を考えていなかった。つまり、もしもの場合……俺を救出するためにリーデスなんかは城にいる必要があるわけだ。


「だから、俺一人か」

「そういう面もある。ま、細かい部分は僕らがどうにかするから心配いらないよ。大船に乗ったつもりでいてもらえればいい」

「その辺は心配していないから、大丈夫だ」


 仕事はきちんとこなすリーデスに言う。加えてシアナを含め、能力的には高い面子が揃っている。それこそ魔王級の能力者が出ない限り、問題ないだろう。


「よし、それじゃあ行動開始といこうか」


 リーデスが告げる。俺は「わかった」と了承し、足を動かし始めた。






 シアナを伴い玉座に赴くと、そこには諸手を挙げ、玉座に続く階段下で待つグランホークの姿があった。


「お待ちしていました、シアナ様」


 俺と会話をしていた好戦的な態度はどこ吹く風。最初出会った時のような穏やかな空気を、外部に晒している。


「どうかしましたか? グランホーク様」


 一方のシアナも計略をひた隠し丁寧に応じる。なんだか互いの腹を探り合っているようにも見え、結構緊張する。

 その中で俺は、シアナの後方に佇みじっと二人の様子を観察する。この場にいる俺はグランホークの味方という立ち位置。ひとまず傍観者を決め込み、変化が起きるのを待つ。


「無礼な真似だと思いますが……少々、お伺いしたいことがありまして」

「構いませんよ。私も、お話したいことがありましたので」


 シアナが承諾すると、グランホークは指をパチンと鳴らした。俺達の背後、廊下に続く扉が閉まり、重い音共に外界から閉ざされる。


「私の質問は後にして頂いて構いません……シアナ様、話したいこととは?」


 先んじてグランホークが尋ねる。シアナは小さく頷くと、口を開いた。


「城に来る前、今回の実験にあなたを選んだ理由をお話しました……そしてリーデスの口から、他の仕事をして欲しいとも、お話したはずです」

「その詳細を今から?」

「詳しい概要は後程。ですが、これは非常に重要な事柄……近い内に陛下からお達しが来るでしょう」


 陛下――エーレが会話の中に出てきて、俺はドキリとなる。シアナはなぜ、今になってこのような話をするのか。


「受諾するかどうかはグランホーク様次第だとは思いますが」

「なるほど、わかりました。しかし、なぜ私を?」

「その辺りもお達しの時に言い渡されると思いますが……一つ言うとすれば、訓練を重ねご自身を高めてきたことを、幹部の方々がきちんと見ていた。そこに尽きるでしょう」


 ――なんとなくだが、シアナが語る理由を把握した。これが予定通りなのかどうかわからないが……彼女は、グランホークに最後通牒を突きつけているわけだ。裏切りの心はある。しかし魔王に関わることでもし裏切りことをやめれば――再び大いなる真実を知る者として採用するかもしれないという、意図がある。


 グランホークは言い方から何かしら感じ取ったのか、一瞬眉をひそめた。しかしシアナがいる手前表情をすぐに戻す。

 彼の顔を見て俺は危惧を抱く。グランホークがどのように考えているか――候補としては、シアナの言葉を額面通り受け取りクーデタを思い直す。他には魔王の真意がどこにあるのか疑問に感じ、立ち回りの方針を変える。


 方針を変えた場合――魔王がどのように考えているかさらに探るため、ここは計画を保留し、俺から情報を引き出させようとするかもしれない。

 大丈夫なのか――考える間にグランホークとシアナの間に沈黙が生じる。俺が固唾を飲んで見守っていると、やがてグランホークの眼が一瞬だけ、こちらに向いた。


「……その辺りの件は、おいおい伺いしましょう」


 グランホークは言い、微笑んだ。どうやら話を進める気――それはとりもなおさず、計画の続行を意味しているはず。


「シアナ様、私の話を進めてよろしいでしょうか?」


 彼の問いにシアナは「はい」と応じた。その時彼女の後姿を見て、なんとなく肩を落としたように見えた。


「実は……昨夜の魔物討伐の折、ベリウス殿の戦いに感銘を受け、多少、私の方も教えを承りたいと思いまして」

「教え、ですか。私の見立て上、技量としてはあなたの方が上では?」

「前代のベリウス殿を破った、その力に強い興味を魅かれたのです」


 グランホークは俺を一瞥しつつ、続ける。


「今回、シアナ様によると何かしら陛下も私にご興味を抱いている様子。私もそれに報いるため、さらなる技術の向上を図りたいと考えております」

「なるほど……わかりました」


 シアナは納得したのか、彼に言う。


「具体的に、何をすれば?」

「いくつか行程はありますが……まず魔力の流れを探りたいのです」


 言うと、彼は身を翻し階段上の玉座に赴く。


「この部屋には、魔力を解析する魔法が組み込んであります。それを使って体の内に流れる魔力を調べます。シアナ様、玉座へ上がり共に拝見しましょう」

「……わかりました」


 シアナは承諾し、歩き出す。来た――俺は瞬時に察し、すぐに彼女が部屋の中央に到達して、


「――封じろ」


 グランホークの、鋭い声が発せられた。


 俺は横手に跳ぶ――刹那、シアナの立つ場所を中心に大きな魔法陣が出現。身をすくませる程魔力が生まれ、魔法が発動する。


「これは――!」


 シアナの驚愕。同時に彼女の足元に、白い縄のような光が出現し、足首を拘束する。


「終わりです、シアナ様」


 冷厳と告げるグランホーク。対するシアナは彼に目を向け、


「これは……どういうつもりですか?」


 あくまで淡々と尋ねた。その時、グランホークが笑みを浮かべた。妖しい、嘲笑するような笑み。


「全ては、私が力を得るための所業です」


 答えと共に彼は腕を掲げた。さらに陣の光が強まり、広間全体を軋ませ始める。


「なるほど……これが、答えという訳ですか」


 シアナは応じ――同時に俺の背筋に悪寒が走った。魔法陣による魔力、ではない。この圧倒的な奔流の中にあって、シアナの魔力を感じ取ったためだ。

 エーレとの戦いの時感じたような、派手さのない……それでいて底冷えするような、ひどく静かな魔力。


「私も、ずいぶんと舐められたものですね」


 そしてシアナは言った。対するグランホークは彼女の口上に眉をひそめる。


「何……?」

「確かに私は陛下……エーレお姉様やディクスお兄様と違い矢面に立つことはありませんでした。なので、私をよく知る幹部でも本来の力を知りません……ですが、ここまでコケにされるのは、気持ちのいいものではありませんね」


 ひどく乾いた声。ここに至り俺はシアナに別の面影を感じ取る。間違いない、勇者として対峙した、あのエーレと同じような気配。


「……戯言を」


 しかしグランホークは構わず、腕を縦に振った。起こったのはさらなる魔力の奔流。それがシアナを包み込み、その身を覆い隠す――


「――無駄です」


 声がした。直後ガラスの割れるような破砕音が広間全体に響く。それは一度ではなく連鎖的に生じ、耳に嫌な音を刻む。


「集積すれば勝てるとお思いでしょう……城に眠る魔力を用いれば、十二分に勝算があると確信していたのでしょう」


 なおも呟くシアナ。音はさらに響き、やがて魔力が減退してくる。


「しかし、この程度で私を滅ぼせると思っているとは……甘い」


 言葉と共に、甲高い音が聞こえ――光が消えた。陣も破壊され、広間は魔法が発動する前の様相を取り戻す。


「な……」


 さしものグランホークも呻いた。ついでに俺も驚いた。まさか正攻法で突破できるとは思わなかった。


「これで、策は終わりですか?」


 シアナは丁寧に問う。俺の目の前で玉座を見据える彼女は、会話をして赤くなっていた無邪気な様子は一切ない。自身に敵意を向けてきた魔族に対し、冷気を伴う表情を向けている。


「なければこの手で滅ぼします。よろしいですね?」

「――ベリウス!」


 直後、グランホークの声が飛ぶ。来いという言葉だろう。だがシアナはどう考えるのか。


 その答えは、他ならぬシアナからもたらされた。彼女は声に反応したか俺を一瞥し――グランホークを見据えるものとは違う、穏やかな眼差しを投げた。

 その瞳で、全てを理解する。咄嗟に剣を抜き放ち、シアナにそれを構えながら一足飛びでグランホークの下へ。


「……ベリウス?」


 先ほどの視線とは異なる、絶対零度の声音で俺に問う。それが演技だとわかっていても、エーレがこの場にいるのだと思う程に、強い畏怖を感じさせる。


「悪いな、シアナ」


 演技として、俺は言葉を差し向けた。途端にシアナの目が痛切なものへと変わる。


「そうですか……やはり、記憶を維持していたのは失敗だったようですね」


 呟くと、シアナは足を一歩動かした。その時、


「ちっ!」


 グランホークが舌打ちし、指を鳴らす。外へ通じる扉が突如開き、廊下が見える。

 そこには、シアナの身長を遥かに超える巨体の悪魔が多数控えていた。


「やれっ!」


 そしてグランホークの号令の下、悪魔が咆哮を上げ一斉にシアナへ襲い掛かった――

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