第三話:冷たくなったお茶
はあぁ、やっと更新できましたぁ…こんな作品を楽しみにしてくれている方がいるかどうか分かりませんが、本当にお待たせしました。それではどうぞお楽しみください。
「…ところで、私は同行するとして、あと2、3人同行者を選抜して下さい。」
さすがに二人では苦しいものがありますからね、勇者と神の使いでも…と付け足した。
彼なりの皮肉か言い訳だろうか?まぁどうでもいい、同行者なら決まっている。
「マリアとミーナだ。」
その瞬間、瑞祥の顔が壊れた。
なかなか小気味良い。私は更に奴の顔を壊してやる事にした。
「マリアは元アサシン、ミーナは居合いを使う。二人ともこの国で五本の指に入る実力者だ。」顔をはほぼ予想通りに崩れた。実に愉快だ。しかし瑞祥はすぐに持ち直し話を続けた。
「わ、分かりました。それなら後は、準備が整えば出立出来ますね。三日で足りますか?」
「三日か…マリア。」
「うーん、出来れば四日欲しいですけど…まぁなんとかなるでしょう。」
「分かった、頼む。」
……マリアが出ていってから瑞祥が声をかけてきた。
「五本の指に入るって…この国のベスト3は貴方を含む『魔狼』ですよね…って事は…」
『魔狼』とは、我が国最強の三人の騎士の事だ。
ナンバー1が、国王レイザン・D・リードミスト、ナンバー2は私、ガルザ・J・クロウ、ナンバー3がもう一人の将軍、ライ・S・レオン。弱小だったこの国が第二位の大国にまでのしあがったのは魔狼あってこそと言える。しかし、
「魔狼がベスト3とは限らないぞ。私はまだナンバー2の座を守っているがな。」
「それって…」
表向き魔狼の三人が最強と言われているが本当のところマリアの方がライより強い。ミーナも五分の実力を持っている。要はお上の事情というやつだ。魔狼は最強でなくてはならないらしい。
そんなことを考えている間に瑞祥も何か考えていたようだ。真剣な顔で私と向き合いいきなり言った。
「一度試合をしてみたいんですけど…」
「…誰と?」
「貴方たちと。」
…おそらく私、マリア、ミーナの事だろう。
「いつ?」
「今すぐにでも。」
…どうやらマジらしい、まぁ、こいつの実力を見ておくのもいいだろう。カップの中で冷たくなった紅茶を一息で飲み干して腰を上げた。
「いいだろう、マリアは買い物に行っているから無理だが、私とミーナでお前の実力を見ておこう。」
言い終わると同時に扉が開いた。そこにいたのは長い髪を後頭部の高い位置で縛り、マントを着たミーナだった。どうやら盗み聞きしていたらしい。目が輝いている…いかん、頭痛が。
「…とっとと行くぞ。」
次は第三・五話ということで番外編をお届けする予定です。サブタイトルは『満月を見ている』ぐはぁ、は、恥ずかしい…今度はあまり時間をかからない…なんて言えませんよぅ。番外編だから一話完結にしないといけないし…長いぞーきっと。もしかしたら先に第四話を発表する事になるかも…とにかく気合入れてがんばるんで、これからもグレイ一家と瑞祥を応援してください。気長に、寛大に。