第9話 楽屋裏 — 合格したのは私じゃない?
湊「おい、あんなこと書いていいのかよ」
真琴「あんなことって?」
湊「東工大だよ。あんな具体的な名前出して、特定されたらどうするんだよ」
真琴「大丈夫よ。どうせ、何が真実かなんて、読んでる人にはわからないんだから」
奏音「……でも、あの頃のことを思い返すと、ちょっと胸が苦しいかな。私……」
真琴「あんな男ばかりの空間、奏音にはちょっと辛かったよね。私だったら『こいつらなんかに負けない!』って張り切って通ってやったのに」
湊「……今さらだな」
真琴「何よ、湊。何か言いたいことでもあるの?」
湊「……俺たちは、当時関われなかっただろってことだよ」
真琴「……そうね。あの時、大学を辞めようって決めたのは、ちーちゃんだし」
湊「そもそも、受験して合格したやつは、今はもういないんだ。掘り下げようがねーんだよ」
真琴「えっ? わたしと奏音は、てっきり湊が頑張ったのかと思ってたけど……」
湊「俺じゃねぇよ。直接話したことはねーけど、頑張ってる姿は見てたよ。だけど、あいつは……」
真琴「あいつは?」
湊「……なんでもない。もう寝るわ」
真琴「あ、ちょっと! またそうやって逃げ…」
湊「……zzz」
真琴「……この展開、そろそろ読者にも飽きられそうね」
奏音「ふふっ。でも、私はかわいい湊くんが見れて楽しいよ」
真琴「奏音って本当、呆れるくらい優しいわね……。っていうか、お人好しすぎ」




