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第15話 楽屋裏 — 男役の背中に見たもの
真琴「……宝塚ね。ちーちゃん、舞台の役者さんを見つめながら、いつも少し震えてるの、みんな気づいてた?」
奏音「うん。ステージの上で、綺麗な男役の人が歌ってるのを見るたびに、ちーちゃん……泣いてた気がする」
湊「……くだらねえ。女が男を演じて何が楽しいんだよ。現実はもっと汚くて、重たくて、どうしようもねえもんなのによ」
真琴「湊……あんたさらっと自分のこと棚に上げようとしてない?」
湊「なんのことだよ。俺はただ、あゆだの宝塚だの、ああいうキラキラしたのは性に合わねぇって言ってるだけだ」
真琴「そうやってすぐ、はぐらかすんだから」
奏音「……でも、湊くんがいるおかげで、ちーちゃんが本当に壊れなくて済んでるのかなって思う」
真琴「奏音……あんた本当にいい子ね、ぐすん」
湊「……フン。買い被りすぎだな……そんなんじゃいつか痛い目見るぞ」
真琴「あんたねぇ」
湊「……おっと、そろそろ寝るわ。うるせぇお小言は夢の中で聞くからよ」
真琴「……また逃げた。奏音もたまには何か言ってやりなさいよ」
奏音「湊くんも、本当は隠してる気持ちがあるんだと思う。ちーちゃんを誰より大事に思ってるのは湊くんなのかなって」
真琴「…はぁ。奏音、あんたって子は。…私も、少しだけ奏音の将来が心配になってきたわ」




