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第12話 楽屋裏 — 役を演じる限界

真琴「……書いちゃったね、養成所の話」


奏音「うん……。ちーちゃん、子供の頃からよく演技の練習してたよね。お芝居だけじゃなくて、歌もずっと練習してた」


真琴「そうね。私たちは、その様子をずっと見てきた。でも、必死に練習する姿がどこか痛々しくて……。私は正直、見ていられなかったわ」


奏音「ちーちゃん……本当に辛そうだった……」


湊「……フン、俺には、必死に現実から目を背ける哀れな行為に見えてたけどな」


真琴「相変わらずね、湊は。でも、逃れられない『現実』にちーちゃんが気づくまで、そう時間はかからなかった。そして、その絶望がちーちゃんのすべてを壊したのよ」


湊「だな、やめときゃよかったんだよ、最初から。期待なんてするから、反動がデカくなるんだ」


奏音「……いつか、あの養成所で何があったのか、話せる日が来るのかな」


真琴「それは…ちーちゃん次第、かな。私たち外野がどうこうできる問題じゃないわ」


奏音「……でも、yasu様に出会えたことだけは、よかったのかも。ちーちゃん、今でも大好きでしょ?」


真琴「そういう奏音こそ、一緒になって熱心に聴いてたじゃない」


奏音「うん……彼の声を聴いてると、嫌なこと全部忘れられる気がしたから…」


湊「あんな歌の何がいいんだか、俺にはさっぱりだな」


真琴「あんたねぇ…今の空気でそれ言う?デリカシーって言葉、マリアナ海溝の底にでも落としてきたの?」


湊「いいだろ別に、俺の趣味じゃねーんだから。突っかかるならもう寝るわ」


真琴「あ、湊!ちょっと!……もう、またこの展開…」


奏音「ふふっ。でも、yasu様に出会ってから、ちーちゃん、だいぶ変わったよね」


真琴「そうね、なんだか、自分の運命をより深く『呪う』ようになっていった感じがするわ。耽美な絶望っていうの?」


奏音「うん、わたし、ちーちゃんが可哀想で……。それで、つい…」


真琴「あぁ、そうだったわね、それであんなに腕に……。ごめん、この話はやめとこっか。」


奏音「う…うん」

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