ダイビング 【Cカード取得講習・第1回】
Episode 1:「耳抜きができない、心も抜けない」
場所:千葉・房総某所のダイビングスクール
天気:快晴(だが風強し)
講師:地元のダイビングインストラクター・柳川(45歳、無口、怖そう)
scene 1:送迎バスからテンション暴発
チサト(千里):「は〜い!みんな〜酸素吸う準備できてるぅ〜!?気圧とテンション、両方高めでいこーっ☆」
たきな(レナ):「圧力が高すぎると減圧症になります。自重してください」
富澤:「てかチサトちゃん、ライセンス講習っていうか完全に“バカンス気分”っすよね?」
ひとり(顔色がすでに青白い):「あの……わたし、バスに酔いまして……すでに帰りたいです……」
リョウ(サングラスにマスク):「海に入る前に精神的溺死とはさすが……」
scene 2:講習スタート・器材の呪い
柳川インストラクター(無言で器材を並べながら):「B.C.ジャケット、レギュレータ、ウェイトベルト……名前、覚えなくていい。ただ、命綱だと思え」
部長(静かにノートをとる):「“命綱”と書かれると、筆圧が上がるのはなぜかしら……」
副部長:「実に良い言葉だ。“覚えるな。刻みこめ”とは、なんという合理と暴力の合体表現……」
瑞稀:「これさ、器材ってさ、正直に言って“バグ多すぎ”じゃない?なんかレギュレーターに水入ってるんだけど、仕様?」
伊達:「それは多分、逆さにしたか、吸う前に吹いてない」
夏美:「いや〜ん、タンク重すぎっしょ!?背負ったまま後ろに倒れて起き上がれないのなんなの!?」
(→亀田さん、3回連続で後ろにコケる)
亀田:「誰か!助けて!タンクがカメの甲羅で、わたしカメになっちゃったわよッッ!」
ボス(サングラスを外して):「君たち、潜る前に日常が沈没してるぞ」
scene 3:限定水域講習・呼吸ができないひとり
(足が届くプール的な浅場。最初の課題:マスククリア)
ひとり:「あの、あの、わたし、鼻から水入ってきて、すべてが終わった気がしてて、いま、存在が溶けてます……」
チサト:「鼻で呼吸するから水が入ってくるんだよ〜!口呼吸、ね?吸って、吐いて、地上では不審者、でも水中ではエリート〜!」
リョウ(ぷかぷか浮きながら):「ひとりちゃん、溶けてるのがデフォルトだし、問題ないよ」
富澤:「いや問題あるだろ!?水中で呼吸できなかったら人類退化じゃん!」
scene 4:耳抜きができないレナ vs 仁王の柳川
たきな:「インストラクター。耳が抜けません。鼓膜が爆散します」
柳川:「降りるな。上がれ。1m戻れ。そしてまた降りろ。それを繰り返せ」
たきな:「……合理的です。理解しました」
(が、顔がちょっと赤くなっている。完全に“プライドが耳に詰まってる”状態)
scene 5:ログ付けの時間、みんな疲労困憊
(宿に戻ってログブック記入中)
圭介:「いや〜久々に死ぬかと思ったな……酸素のありがたみ、地上ってすげえ」
ボス:「潜るということは、“何もかもができなくなる場所で、自分を思い知る”ってことだ」
アイボー:「全員、限定水域スキル進捗率52%。失敗数平均:3.7。精神的損耗:高」
野田:「……あ、あの……私……器材の装着に1時間かかって、スノーケルが逆だったことに気づいたのが、さっきで……その……」
副部長:「逆に凄い。スノーケルという単純な構造をここまで逆に使いこなせるとは。もはや発明」
リョウ:「“ダメな日”ってあるんだよ。今日はそれ」
高波とともに吹き飛ぶチサトのフィン。
亀田さん、エントリー直後に足がつる。
そして――“あの事件”が起きる。




