13:探せ三人目! その名は!
あの戦いから数日後。週明けの月曜から私は、都心に向かって『ひかりが丘』を出発した。
……あ、前回の戦いが色々気まずくて逃げたわけじゃないからね! ほんと! いや気まずいのは確かだけど! あの後二人を思いっきり甘やかしたんだ。あれだけでお詫びに成るとは思ってないけど、ちゃんと心の休息が取れるように全力を尽くしたんだもの。今後も続けていくつもりだし、大丈夫とは言い難いけど多分OK!
まぁ本当は正直、土下座してごめんなさいしたかったけど、“九条恵美”と“蜘蛛”は別人。せめてもの詫びとして、お膝を貸してみんなでお昼寝しましたし、晩御飯は焼肉に連れて行きました。いっぱい動いたし、まだまだ成長期。お二人とも喜んで食べてくださりましたよね。 ……あ、ちゃんと私の食事量は一般成人女性レベルに収めましたよ?
(週末ということで混んでましたし、発注ミスなのか食材のストックがかなり少なかったですからね。流石に遠慮しました。……家に帰ってからは結構食べましたけど。)
そういえば二人とも、あの渡した反物どうするんでしょうね? いや監視してたので『とりあえず怖いから大人になるまでお家に放置』ってことに決まったのは知ってるんだけど……。アレ私に持って来てくれたらいい感じにお洋服とかに仕立ててたんだけどな……。
正直ね? ご褒美で何渡すか考えてなかったからさ。必死で何を上げようか考えてたんだけど、ちょうどその時着ていた蜘蛛糸の着物が目に入ってね? 『彼女たちが信じてる“蜘蛛”の設定的にも、いいんじゃない? 昔話に出てきそうな古い感じが出るし! これそのまま上げちゃお!』って思ったわけなんですよ。
なんで速攻で糸出して、足で編み上げて反物にしたって感じなんだよね。
“蜘蛛”の設定的に質が悪いのは絶対に渡せないし、逆に質が高すぎるのもいけない。だって防御性能とか上げすぎたら変な組織に目を付けられちゃうだろうし。だからまぁそういう厄介な機能を全部弾いた糸を生み出して、出来る限りいい物をって感じで編み上げたんだけど、ちょっと質を良くし過ぎちゃったかもしんない。かなりトンデモないのを押し付けちゃった気がする。
ま、まぁ彼女たちがアレを使う時。売ってお金にするときとか、洋服とか着物にする際はこっちで手を回して情報が無暗に広がらないようにするつもりだし。ついでに振袖でも作って送ろうかなって思ってます。“九条恵美”の方の仕事でちょうどそっち関係の伝手があるんだよね~。
(可愛くて優秀な弟子、だしね。……まぁ迷惑料も多分に入ってるんですけど。)
そんなことを考えながら、ただ走る。
先の戦闘で、あの子たちの成長力と戦闘力。そして精神力は大体見ることが出来た。おそらく“心”の強さに起因する精神エネルギーを扱うあの子たちは、“気持ち”が強さに繋がる。だからこそちょっと心配してたんだけど……。手加減したとは言え、私相手にあそこまで出来たのならば十分だろう。
明らかに“蜘蛛”である私に恐怖しながらも、ちょっと時間が掛かったとはいえすぐに戦闘に入ることが出来た。私が教えた内容も完璧ではないとはいえ、すぐに取り入れて実行することが出来るっていう柔軟さもある。ちょっとした強敵が現れたとしても、時間を稼ぎ命を守ることは出来るはずだ。
一応何かあった時は超特急で戻るし、私の血を分け与えた『あーちゃん』に留守番を頼んでいる。あの子も結構戦えるし、私のペットと言うことでそれなりのものを仕込んでいる。あの子たちの成長速度に、ウチの子の能力。それを考えれば、少しあの町から離れても大丈夫と判断したってわけだ。
(というわけで思い立ったが吉日、都心までドキドキお掃除大会の開始、ってわけよ。)
移動は徒歩、期間は長くても1週間。
ひかりが丘の周辺都市を全て調査しながら都心に向かい、“九条恵美”として仕事を取ってくる。っていう小旅行だ。まぁ途中でね? 秘密結社とかがわんさかいるだろうし、それのお掃除。ついでに激戦区である都心の現状を軽く調べ、こっちも掃除。後はピレスジェットとかが今どこにいるかの調査とかもついでにしてしまおうって寸法だ。
ほんとは全部そう言う組織と敵対してるヒーローたちに任せちゃいたいんだけどね。上手く戦えなくてかなり序盤で負けちゃう子とか、戦いの日々に心が壊れちゃって離脱する子とか、最終決戦で負ける子とか、勝てたはいいけど力を失った子とか結構いるのよ。
ピレスジェットみたいに未だに活動し続けて他組織の怪人もぶっ殺しているヒーローもいるけど、ヒーローは常に不足している。年々加速度的に敵の数は増えてるのに、正義陣営の稼働数はそこまで増えていないのだ。
(だったら“悪”の人間が頑張って間引くしかないでしょ、ってこと。)
地方とかの組織はまだ数が少ないから適当に全滅させるだけでいいんだけど……。激戦区の都心はね。秘密結社同士での抗争も激しいから適当に消し飛ばすと後々面倒なことになっちゃうし、正義陣営、特にピレスジェットに私の存在がバレる可能性も出てくる。ちょっとそこは慎重にいかないといけない。
まぁあの子たちのこともあるから、地方でも丁寧なお掃除を心がけていくつもりなんですけどね?
昔だったらとりあえず目についたの適当に滅ぼしておけばいいや、って感じで終わってたんだけど、今はあの子たち。ジュエルナイトたちがいるからねぇ。ひかりが丘に余計なものが入ってこないように、ちょっと師匠として本気を出さなきゃ。
というわけでまずは出発前に把握していた、隣県の組織の消去から始めていこうって思ってたんだけど……。
「……ちょっと、遅かったかなぁ。」
「だ、誰か。いる、のか?」
「うん、いるよ。野良の化け物だけどね。あぁ、君が敵対してたのとは別物。」
完全隠密状態でこの付近にいた秘密結社、とりあえずなんか街中にいた怪人とかを片っ端から消滅させていたんだけど……。ヒーローが、いた。それも無残な姿で。
ちょっと裏路地に入ってみれば、その命の灯を消そうとしている男が一人。死に掛けで壁にもたれかかっていた。お腹に大穴が空いていて、切断され掛かっている。中には何か機械の様な部品が見えるけど、もう欠片も動いていない。彼を中心に出来上がった血を見れば、完全に致死量以上を流しちゃってる。さらにどうやら、目も見えていないみたい。
少し視線を横にずらせば、地面に転がっている彼の変身アイテムらしき残骸。……勝てなかったんだろうね。
「化け物でも、遺言ぐらいは聞くよ。何か届け物があるなら、それも届けてあげる。」
「……これを、妹、に。」
そう言いながら受け渡されるのは、金のロケット。
中を開けてみれば彼と一緒に写る若い女の子の写真が入っている。……軽く調べれば、身元の特定はできるかな?
「す、ま、ない。やくそく、守れ、なくて。……いま、なら。まだ、逃げられ……。」
「……ほんと。眩しいんだよなぁ。……ちゃんと受け取ったよ。妹さんに必ず渡す。それに、君が戦っていた組織もこの私に任せると良い。なに、明日は綺麗な朝日が拝めるってもんよ。……さ、後は任せて軽く昼寝でも、ね? 体治さないと妹さんに会えないよ。」
「あ、あり、が……」
虚空を見つめ開きつつあった彼の眼を、閉じる。……はぁ、これだから嫌なんだよ。
そう考えながら、彼に出来る限りの応急処置をする。見た感じ、この人も改造人間だ。助かる可能性は酷く低いが……、それでも0じゃない。どうなるかは解らないけれど、とりあえず救急車を呼んでおく。騒ぎを聞きつければ、この人の協力者が見つけてくれる可能性も増えるだろう。運が良ければ、再改造を経てまだ命を拾えるかもしれない。私が彼の為に出来るのは、その限りなく0に近いその可能性を祈る事だけ。
ロケットに収められた写真をデータ化し、スマホから自宅のPCへ。この国の監視カメラのデータなどを使って、調査開始。大体妹さんが見つかるまで……。30分ぐらいかな。うん。優先的にこの県から調べれば、それぐらいで見つかるだろう。それに、これだけ時間があれば……。
「殲滅できるね。」
彼は無辜な市民と勘違いした“私”を逃がそうとした。明らかに死に掛けだが、自分が行動を起こせば逃げる時間ぐらいは稼げるだろうと、いや稼いで見せると。こいつは私にそう言おうとした。……最初に化け物って言ったのにも、関わらず。
(ふふ……。あーあ、なんでこういう子から死んで行っちゃうんだろうね。)
決してその処理を頼まれたわけじゃない。私が勝手に言い始めたこと、彼は全く関係がない。“私”の仕事だ。自分の意思で、完膚なきまでに。彼が死後も余計な責任を感じぬように。すべての感情が私への恐怖で埋め尽くされるように。壮絶な死を振り撒いてあげることにしよう。
さっきまで装着していた“蜘蛛”としての仮面を外し、纏っていた服を脱ぎ捨てる。
(ちょっとキレちゃったし……。本気出しても、怒られないよね?)
人の体に収まっていた肉体、白い肌が、急激に変色していく。腰から生えていた2対の脚はどんどんと太く成って行き、普段の脚や腕と同じ大きさに。そして蜘蛛としての脚の太さがそろった瞬間、そのすべてが肥大化していく。肌がどんどんと黒く染まって行き、それを少しだけ覆う様に黄色い装甲も浮き出てくる。そして最後に肉体の内部に収めていた“蜘蛛の腹”が隆起していき……。
この肉体すべてが、人ではなく、“蜘蛛”へ。
「怪人クモ女の正体、ってね。」
普段の“人間形態”。足だけを露出したり、クモとしての要素を多く出した“半蟲形態”とは違う。クモの体に人間の上半身を乗せたような体。これが私の“通常形態”だ。これまで抑えてきたスペックを、より十全に扱えるようになる。この町が幾ら広かろうが、奴らがどこに隠れようが……。
蜘蛛からは、逃げられない。
「さぁ、息の根を止めてあげようねぇ?」
大きくなりすぎた闇は、より深く大きい闇に葬られるんだよ。
あぁ、安心して。授業料はその命で大丈夫だから。
◇◆◇◆◇
「「新メンバー?」」
「そうぷる!」
放課後の、空き教室。誰も居なくなったこの部屋で二人の少女たちが顔を合わせていた。
そして彼女たちが向かい合う机の上には、わちゃわちゃと動き回るぬいぐるみ。よく彼女たちのどちらかが鞄のストラップとして括りつけている人形だった。けれどどこからどう見ても自意識をもって動き回るその存在は、明らかに生物と言えるだろう。
「最近アカリもリッカも強くなってるぷる! でも敵もどんどん強く成ってて、大変ぷるぽ!」
「まぁ確かに、アンコーポたちも数を集めたり幹部が出てくるようになったし……。“クモ”もいるし。」
「あ、あはは。だよね~。」
言葉を紡ぎながら“クモ”の所で『貴女がお礼言わなきゃそのまま帰ってくれたんじゃないの?』という視線を送る青龍リッカに、それを受けながら笑ってごまかす朱雀アカリ。
この前の戦いは、二人にとって非常に記憶に残る戦いだった。強化されたクライナーとの戦闘、指導を受け始めた師匠の教えの実践、そして負の精神エネルギーで強化された敵たちと幹部に、それを軽く捻りつぶした“クモ”という驚異的な存在。そしてその存在との戦闘。
明らかに、一日のキャパシティを超えてしまった日だった。
「あのクモさん、結局なんだろうね……。」
「怖かったぷる。」
「アカリの言う様に、アンコーポたちみたいに完全な悪ではないことはなんとなく理解できるんだけど……。明らかに自分のルールというか、私達とは違う価値観で動いてる圧倒的強者だもんね……。」
未だに思い出すだけで震えてしまうような存在ではあるのだが、リッカはその直後に師匠であるエミからたらふく甘やかされ、さらに膝枕で昼寝。その後焼肉で好きなだけ食べさせてもらうというちょっとよく解らない経験をしたために、ある程度精神を回復。そしてそもそもクモが怖すぎて恐怖が裏返っちゃったこともあり、比較的冷静に物事を見ることが出来ていた。
ほぼ直感だけでなんとなく正解に辿り着いたアカリに比べ、リッカは目の前で起きたことを分析し、理解していくことで物事を理解する。そんな彼女が推測できたのは……。
(まず、お礼に戦闘を返したのが理解できない。けどこの前同様私達を殺す気はなさそうだった。いやまぁ殺さないだけで、満足させられなかったら絶対それ以上に酷いことが待ってたんだろうけど……。最後の必殺技の時にあのクライナーと彼女の位置を入れ替えていたことからも、私達を気遣っているようにも思えた。)
リッカが小学生の時に通っていた塾の社会講師が言っていたが、室町時代や戦国時代の武士と呼ばれるような人たちは『嘗められたら殺す!』というとっても手の早い人たちがいたのだという。それに、これは鬼退治の話だが、圧倒的な強者を打ち破るために酒に毒を混ぜて宴会をして酔い潰した後に、暗殺したという話も聞いたことがあった。
明らかに話し方とか古い妖怪だったみたいだし……。過去の人たちがあのクモを討伐しようとした結果失敗して、“人の文化”が誤った形で伝わってしまったのではないかと考える彼女。人が何かのお礼をしながら隙を突いて攻撃してきたから、人にとってそれが普通なのだと勘違いしている、とかそういうの。
「う~ん。あ、そうだリッカちゃん、今度会ったら『帰って!』って言ってみるのはどうかな?」
「え、いや。絶対怒る……。いやでも『待って』って言ったら待ってくれてたわよね、あの化け物。言葉選んで丁寧に言ったらありなのか……?」
「もう一回会うのちょっとしんどい気もするけど、ちゃんとお話はしてみたい。でも戦うのは心臓に悪いからね……。」
そう言いながら少し胸を押さえ笑みを浮かばせるアカリ。最初から直感で、とにかく怖いけど悪い人ではないことは理解できた。でも良い人かと聞かれると、先日の戦闘のこともあり、少し首をかしげてしまう。あまり頭を動かすことが得意ではないため上手く言語化できていない彼女だったが、なんとなく『会話できるし、ある程度意思疎通は出来て優しさもある、けれど何して来るか解らない災害の様な存在』としてクモを定義していた。
「あ、それで何の話だっけ? 師匠に奢ってもらった焼肉? 美味しかったよね~、私焼肉行ったの初めてだったし! プルポも隠れて食べてたし、美味しかったでしょ?」
「ぷる! ぷるぽも自分の大きさのお肉食べられて大満足……、って違うっぷる! 新メンバーの話っぷるよ!」
「たしか残ってるのパールとエメラルドだったけ。」
そう言いながら、プルポがいつもモフモフの体の中にしまっている宝石箱を開くリッカ。そこに収められているのは、4つの“ナイトジュエル”。朱雀アカリが適合した真っ赤なルビーに、青龍リッカが適応した青く澄んだダイヤモンド。そして未だ変身者が見つかっていない真っ白なパールと、鮮やかな緑に輝くエメラルド。
プルポが言うには、適応者が近くにいる時はいい感じに光始めるそうなのだが……。
「パールが光ったぷる! たしか……、おひるごはんの前! 鞄持って移動してた時ぷる!」
「へー、おんなじ学校にいたんだ。」
「移動教室ってことは……。あの2年の先輩達かな。」
あまり発展しているとは言えないが、一定の地方都市として発展しているひかりが丘。大学こそ隣町にしかないが、小中高は複数存在している。
プルポから想像力が豊かなある程度の年齢層しか変身できないとは聞いていたが、複数ある中学校の中で戦士が3人も同じ学校に集まっていることを驚くアカリ。対してリッカはすれ違った人たちの顔を思い出し、学年ごとに違う胸のリボンの色から、先輩であると推測した。
「確かに、戦うかどうかはその人の気持ち次第だけど、戦力は欲しいわよね。私達も強くなってるけど、相手も強くなってきてる。それに数は常にあっちの方が上。新メンバーは欲しいかも。」
「そうぷる! 何かあった時助けを求めるためにも、調べておきたいぷる!」
ジュエルナイトの力は、変身者の精神エネルギーや想像力に起因する。そして同時に、変身者の数でもその出力が変わる。4人全員が集まって、ようやくフルパワー。つまり変身者が二人しかいない現状では、半分の力しか発揮できていないと言うことになる。プルポの話では、単純なパンチ力キック力が上がるのではなく、扱える精神エネルギー量が増加する、と言った形の強化のようだが……。
まぁとにかく、自分たちの強化も重要だが、他のメンバー集めも戦力強化には必要ということだ。
「よーし! だったら学校中走り回って調べよう! あ、ついでに走り込みもしちゃおうよ! えっとえっと、体操服どこにしまったっけ。」
「ちょ、ちょっとアカリ! 更衣室! 更衣室で着替えましょ! ここで脱ぎ始めちゃダメ!!!」
〇サルでも解る! ネオ・デス博士の怪人講座!(秘密結社編)
はーはっはっ! ごきげんよう諸君! ネオ・デス博士である! 今日もサルに等しい貴様らの頭脳でも理解できるように“懇切丁寧”な説明をしてやろう! さて今回は一風変わって“秘密結社”というものについて解説していこう! あぁそれとユアルビーといったか? ここにお前の師匠であるクモ女の素晴らしきスペックがある! これを見て落ち着く……、うむ? どうしたのだクモ女よ。見せるな? いや、これほど素晴らしい数値は見なければ損……。あ、すみません、何でもないです。
■身長(人間形態):190.5cm
■体高(怪人形態):240.8㎝
■体重:300.0kg
■パンチ力:120.1t
■キック力:275.3t
■ジャンプ力:321.4m(ひと跳び)
■走力:0.2秒(100m)
★必殺技:スパイラルエンド
●所持形態:通常形態、人蟲形態、人間形態、赤熱化(強化)、【未公開】、【未公開】
さて、秘密結社であるが、現在は各地で乱立し鎬を削る“秘密結社戦国時代”というものが起きている。この私が所属していた“デスカンパニー”が成立する前も似たようなことが起きていたらしいな。まぁデスカンパニーが世界征服目前まで迫った過程のなかで、裏社会にいる他の秘密結社達も滅ぼし自分のものにしていたらしいが。
けれどピレスジェットに本拠地が爆破されたことで、デスカンパニーは崩壊。各地にその支部が残ることになる。まぁその支部はピレスジェットに撃破されていくことになるのだが……。その残骸や、私が遺した研究データを盗み取った俗物たちが怪人を製作し、次々と秘密結社を立ち上げてしまったのよ。ちょうどデスカンパニーの支配が弱まっているため、自分たちで好きに勢力圏を拡大出来た時期故な。
これにより各地で秘密結社が乱立し、独自の技術をもって怪人を作り始めている者や、私の研究を流用して怪人をつくり出している者がいる、という所だな。
しかし! これまで生み出されたすべての怪人が! 我が最高傑作であるクモ女の足元にも及んでいない! やはり我が頭脳は人類史上最高! そしてクモ女は人類史上最強よ! 下々はせいぜい弱い怪人でも作って! クモ女の餌にでもなるといい! はーはっはっ!!!
ではな諸君! 次の講義まではもう少し真面な頭脳を手に入れておくがいい! さらばだ!
……あ、ちなみにちょうど今クモ女が見つけた秘密結社は中堅ぐらいで、現在のアンコーポ(魔法少女の敵)よりは強いようだぞ。まぁクモ女の言う通り殲滅まで30分もかからぬようだが。
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