表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てちゃんのしろ  作者: おはぎ
50/54

第50話 果たし状

「全てを知ったと言ったけど、世界を救う方法は、わからなかった。だから、もう諦めよう…?」



「それでも、諦められないよ。幻想だとしても、現実にしてみせようよ」


この場で、リリアンだけが希望を持っていた。


「レイルも、それを望んでると思うんだ…」



「…なんでそんな事が言えるの?夢物語を語ったり、死んだ人の事を勝手に決めつけたり…!ああ、リリアンはいつもそうだったね…」


蘇る思い出に、リアリスは涙を流し始める。


「でも、でもっ、これだけは…どうしようも……」


「あるよ。いつもそうやって色々なこと、乗り越えてきたじゃん」


そう言ってリアリスの側に寄り添う。



「とりあえず、魔王さまをやっつけにいこう!」


「なんでそうなるの………」


「世界を救うなら、魔王を倒すべし!でしょ」


「そっか……とりあえず、この黒いモノは…あれ?消えてる…」


話に集中しすぎて気付かなかったが、黒いモノは別の場所へ逃げてしまったようだ。



…コツコツと、ヒールの音が聞こえる。


「一体どこからこんな果たし状のような物が…まあいい、ひねり潰すだけだ」


リーズンだ。




…それよりも前の出来事。


ハルカ達は山道を下っていると、戦いを終えて疲れきった髪ファサァおじさんに出会った。


「あ、おじさん!…神前の行方について何か知りませんか?」


「知らないも何も…おじさんこそがその神前だよ」


いや、それはない。


お金賭けられるくらいありえない。


「それは…ない…」


つい言ってしまう。


ハルカは慌てて口を手で塞いだ。



「…実は、こんな手紙が届いてね」


それは、ドゥパリバヤ・サーレのナニカット神殿に来い、というもの。


「ドゥパリなんとかって、リリアン達が行ってる所だよね!」


「このハルカって人を探していたんだ」


手紙の一番下には、おじさん宛てではなくハルカ宛てであることが明記されていた。


「ハルカ…私のこと?」


「お嬢ちゃんがハルカだったのか。いやあ、神前には"上"からのメッセージを受け取る役割があってね。たまにしか来ないけれど」


おじさんが神前だということは未だに信じられないというか、信じたくない。


だが、その"上"からのメッセージを受け取っているのは事実。


「よし、もう一回アーリさんの転移魔法を…!!」




……


「私を道具か何かと勘違いしてないか…」


「アーリさん!私をナニカット神殿に連れてって!」


アーリはため息をつきながらも、転移魔法のための魔法陣を描き始める。


「ああ、今回は私も同行しよう」


「えっ?」


なぜか、ハルカ達に絶対について行かなければならないと感じるらしい。


「私の予感は良いものも悪いものも、よく当たるんだ」


(あの者だけに任せるわけにはいかない…)


「今回は良いのかな?悪いのかな?」


「…悪いもの、だな」


そう聞いて、ハルカ達は覚悟を決める。


アーリと共に、ナニカット神殿へ向かう。


「さよなら、おじさん!」


「おう、幸運を祈るぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ