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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
49/54

第49話 全ては

黒いモノはサルタヤの身体を食べきると、こちらへ歩みを進めてきた。


足はゆっくりだが、それによって威圧感が増している。


「こ、来ないで…!」


ただただ、恐怖が襲う。


…でも、恐怖はただの恐怖。


きっと乗り越えられる。


「これ以上近づいたら燃やすから!」


レイルが勇気を出して警告する。



黒いモノはそれでも止まらない。


「約束どおり……バルデニテンステンスっ!!」


…黒いモノは、燃えない。


「レイル…火が…!」


なんと、燃えているのは自分の腕だった。


「あ、熱い…あつい、よ」


涙を流しながら振り向く。


「ラニス!水魔法でなんとかならない!?」


「わかった、ポルフォネランゼ!」


手から勢いよく水は出たものの…


途中で、まるで障壁があるかのように全て跳ね返ってきた。


「なんで…!?」


その間にも、火は体を蝕み続ける。


このままでは…レイルは死んでしまう。


仲間たちはそう思った。



…その時だった。


「が…はっ!」


何者かがレイルをナイフで刺す。




…言葉が出ない。


仲間の命を救えなかった。


それだけが頭の中を支配する。


まだ生きているかもしれない。


そんな希望も持てなかった。




刺したのは…リアリス。


倒れたレイルを前に、首だけをこちらに向ける。


「どうして…こんな…」


リリアンは恐怖と焦り、そして仲間が裏切ったという怒りで…


「どうしてこんな事したんだ!」


"リリアン"とは思えない声と口調でリアリスを怒鳴りつけた。



「私は、全てを知ってしまった。もう、何もかも手遅れなの。この世界は、もうすぐ存在を消される…終わった世界よ」


「それって…どういう…」



本当のこの世界は既に滅んでいる。


魔法を使った戦争によって。


滅亡した世界は、世界樹から切り離される…つまり消える前に、栄えていた頃を再現したような幻想世界を作り出す。


私たちはその幻想世界の一部にすぎない。


"上"にもこれは一種のエンタメにしか思われていない。


そしてこの黒いモノも、本物じゃなくて…


研究所が作ったクローン。

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