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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
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第45話 きっといつか

雨が止んだ城内への帰り道。


「そういえば…自分が何者なのか考えることがいつもあるんだ」


「そうなのですね…でも、私は天主様の正体がどんなものであっても、共にに居続けますよ」


エテルナは私に優しく微笑みかける。


それは一つの約束のようであった。


いつまでも、一緒にいたいと願った。


たとえ、何が起ころうとも。



ふと足元を見ると、小さな白い花が咲いていた。


「この花…君に似合うんじゃないか」


その花を摘み、エテルナの髪に付ける。


やっぱり似合ってるな。



…何かの始まりを告げるように強い風が吹く。


飾った花はすぐに地面に落ちてしまった。


今度見つけたら落ちないように加工しよう…


………


家に戻り、ベッドに横たわる。


そして目を閉じた。




…花畑が見える。


ここはどこだろう…


視線を右に左に移動させても、一面に花が咲き誇っているだけ。


すると、後ろから声が聞こえた。


「おかえりなさい」


「…誰だ?」


後ろを振り向いたが誰もいない。


「そっか、わたしの事を忘れてしまったんだね…」


前に会ったことがあるのか…?


それに、とても悲しそうな声色…私と相当仲が良かったのか?


…何も覚えていない自分に嫌気がさしてきた。


「わたしは…あな…たの…………だか…」


声はだんだんと遠くなり、最後には何も聞こえなくなってしまった。



今の声の主は、私の何だったんだ…?


一番重要な部分が聞き取れなかった。


そもそもここは夢の世界なのか?


夢か現実か分かりやすい方法といえば…



頬をつねってみる。


痛みを感じた。


どうやらここは現実らしい。




あ、向こうに大きな木が…


何故かそばに行ってみたくなり、私は歩き始めた。


………


木の目の前に立ち、そっと幹に触れてみる。


「………!!」


その瞬間、大量の記憶が流れ込んで…


頭がクラクラするほどの情報が飛び交う。


…それに耐えられず、私は気絶してしまった。




目を覚ました時には既に花畑はなくなっており、体は家のベッドの上だった。


そして、私はたくさんの記憶を取り戻した。


あの木に触れたからだろうか。


あの花畑はなんだったのだろう…


疑問はさらに増えてゆくばかりだった。



…一部の記憶を取り戻した事でわかった事がある。


花畑で聞いたあの女性の声は…


私の■■だ。

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