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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
33/54

第33話 物語の傍観者

四人とテくんは魔法を使って、なんとか列車の外へ出ることができた。


「ここからどうしよう?」


ハルカは必死すぎて本来の目的を忘れてしまう。


「クレメンに行くんだよ…」


全員で口を揃えて言った。


「…あっ、そうだった!じゃあ、どうやって行こう…電車はもう壊れてるし歩いて行くのも難しいし………そうだ!アーリさん助けてくれないかな!!」


困った時のために連絡先を交換したから、ここで助けを求めてもいいかもしれない。


ラフィンの携帯を借りて連絡を取る。


しばらくして…


「アーリさん来てくれるって!」


「おっ、それは良かった!」



足音が聞こえてくる…



「クレメンに行くのか。なら私の魔法で連れていってあげよう」


「…来るのはやっ!」


また全員息ピッタリで言った。




…慣れた手つきで魔法陣を作る。


そしてその上にみんなで乗った。


「気をつけて」


「はい!ありがとうございました!…行ってきます!」


ハルカたちは転移魔法でクレメンへ。


そしてアーリは…




「…またキミか」


「居心地が良いとは言えないが…落ち着ける場所はここしかないんだ」


忘れ去られた遺跡の、奥深く。


そこにはアーリとほぼ同じ姿をした者が、崩れかけた台座に腰をおろしていた。


「それで…ハルカだっけ?…うん、その子はどんな感じなんだい?悪魔がどーたらこーたら言ってたけど」


「見ればわかるだろう」


この者は色々なものを見渡せる力がある。


現在の世界も、過去も未来も。


それなのに…


「あー、そうだけど…なんか…ね?」


上を向いて首を傾け…


なにか別の事を考えて話しているように見える。


「それは…」


「私が直々に手を下すまでもない、ということだよ」


そう言いながら手に持っていた、道端で拾い集めたような不揃いの花束を散らした。


「何を言って…」


「うん。悪魔はかつての私たちにも影響を与えた事がある、おそろし~い存在だよ。でも、あの子には…ハルカには、まだ別の力が眠っている。そんな気がするんだ」


"別の力"がこの者の力を伝ってこちらを認識しないように、視る能力を使わなかったらしい。


なら…その"別の力"のように、私たちから何か仕掛けることは出来ないだろうか。


「…とか考えていそうだが、私はその気にならないんだ」


「その気になればいいという事か?」


「うーん、今日はなんだか察しが悪くないかい?いつもなら…」




どうしてだろう、発言や態度に怒りを覚えてしまって、その場から逃げ出した。



足首に痛みを感じる。


走った時に瓦礫が少し刺さってしまったようだ。


「おーい!まだ話してる途中でしょうが!」


声が聞こえてくる。


気持ちがおさまった頃に戻ることにした。

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