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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
31/54

第31話 第一幕、終演


「は、はははっ。」


余裕の笑い声。


「…!」


ハルカ達には緊張が走った。


モンスターの死骸を合成し、新たな一体のモンスターが生み出される。


「これで終わるような雑魚じゃあないよねぇ?君たちの全力、見せてみてよ!」


その狼のようなモンスターは、素早い動きで獲物に飛びかかる。


「ミンスルタカテクキテイア!」


すぐさまミリアがバリアを展開し、攻撃を防いだ。


パリィン!


が、なんとバリアは一撃で壊れてしまった。


「っ…!」


「大丈夫…今度もやってみせるから!」


ハルカが狼に狙いを定める。


「やあーっ!」


重ねた手から放たれる槍は、的確に目標を貫いた。


しかし狼の動きは止まらない。


「なんで……!?…きゃあっ!」


ハルカめがけて光のような速さで突進し、モンスターは爪を突き立てる。


「このっ…ハルカから離れなさいっ!!センテンバリッ!」


毒を纏った糸は敵に絡みつき、その動きを止めた。


「今よ!」


ミリアが作ったわずかな隙を狙う。


「秘技・緑燐!」


渾身の一太刀は、敵の急所を斬りつける。


…それでも狼は怯まない。


「花鳥…風月!」


狼と踊るように攻撃しあうレイアの姿は、とても美しかった。



他の仲間たちに、勇気を与えてくれた。


ラフィンとかつて憎み合ったように、次は狼と。


魔王を倒すために培ってきた努力を、今ここに。


「みんな、とっておきのアレ、いくわよ」


「「うん」」



「一つ、惡を打倒せんとす紫炎」


ミリアの想いと、


「二つ、万物を構成せし星の詩」


ラフィンの想い、


「三つ、均衡を保ちし黒き万雷」


そしてハルカの想い。


三つの想いはさらなる力を呼び覚ます。


そして、ミリアが着けていた指輪が輝く。



「「「一の降幕!黒炎龍バルフィエル!」」」


その指輪は、ミリアが少女と約束を交わした時に貰ったもの。


「あなたたちにさらなる力を与えてくれる」と言われたもの。


召喚された龍は水流を巻き起こし、狼を溺死させる。


レイアはそれを察知し、ハルカのもとへ戻ってきた。


「…バカな!それは太古の時代に封印されたはずだ!」


敵は驚きを隠せない。


「ふふ、これが私たちのとっておきよ!」


「そんな…バカな…」


頬には汗が伝い、明らかな動揺と恐怖が読み取れる。


「はっ!」


その隙に、ハルカがとどめをさす。


「これで…私たちの勝ち…!」


「嫌だっ、嫌だ…!天主さま…救いを…」


そう言い残し、敵は消滅した。




「やった…!勝ったよ!みんな!!」


車内は喜びに満ちあふれる。

 

そしてモンスターとなって消えていった人達に向けて、花を添える。


「で…」


「ここ、どうやって出ればいいの!?」


どうする、ハルカたち!?

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