第26話 愛して愛して愛して愛して殺して
「ねえミリア」
「ミリアミリア」
「もっと愛して」
愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して
「愛して」
放たれた強い闇の波動が全員を立っていられなくする。
愛して、ミリア?
ねえ、ミリア?
愛してるわ、ミリア
愛して愛して愛して愛して殺して
殺してやる。潰してやる。
邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔
お邪魔虫は滅ぶ運命なのよ!
「さあミリア、お行きなさい」
操られたミリアが襲いかかる。
「死ね、お邪魔虫が」
「アルダサヘンイズケリベクタッ!」
業火が襲い来る。
ゴオゥッ!
「刀よ、守りの精よ」
簡易的なバリアが展開された。
ゴオ…スゥゥッ…
「チッ…小癪な」
なんとかレイアの力で攻撃を防ぎきる。
「ミリア…嘘だと言って!」
ラフィンの言葉も壁に虚しく溶けてゆくだけ。
無駄な言葉よ
「この身が滅びタって
引き裂カレたって
バラバラにされタっテ
許さないワタしのミリあを
傷つけルなんテ
許せナイ
許セナイ
ユルセナイ
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ggrt#%*ghj#×nirfed」
「 」
ーーー?ー!ーーー?
…!
意識が、遠のいていく。
「ハルカ?」
「ハルカ、こっちよ」
「ハルカ…私のーーよ、こっちに来なさい」
…聞こえる。
私を呼ぶ声が。
そこにいたのは、いつかの夢で出会った空色の髪のだれか。
どうして?
ここは…どこ…?
私は…何をしていたの?
「あなたにはどんな困難も押し退ける力があるの」
「だから…きっと…」
少女は消えてゆき、続きは聞き取れなかった。
少女とともに、空間は消滅していく…
「う、ああアアあッ!」
ハルカは苦しむ。
己の犯した過ちにより。
友を傷つけた罪悪感により。
「う…ハル…カ…?」
ハルカの魔力が揺らぎ、操られていたミリアが自分の意志を取り戻したようだ。
「ワタシを…ウゥ…わタシを…わた…しを…殺して…」
ハルカはうめき声をあげながら助けを求める。
「私を…生きるトイう呪縛から解き放って…お願イ…!だれか…!」
だれか、たすけて。
「この身の悪魔を祓って!!」
泣きながらハルカは言う。
「ハルカは一番の親友。だから…あんたの苦しみは私が…!」
ミリアの想いの光、
「ハルカ!今助けるから…待ってて!」
ラフィンの想いの光、
「必ず助け出してみせます」
レイアの想いの光…
「「ハルカは私たちが助ける!!!」」
みんなの想いの光。
全員の想いの光は魔法となり、脳に新たな呪文が刻まれる。
「「リライフ!」」
パアアア…
癒しの光がハルカを包み込む。
ハルカは床に倒れこんだ。
「ハルカ!」
みんなが駆け寄る。
「よかった、息はしてるみたい」
レイルのその言葉で、全員は安心した。
ハルカの救出に成功したようだ。
「でも、あの力はなんだったんだろう…」
「それは悪魔の力だ」
いつの間にかアーリが近くに来ている。
そして言った。
「ハルカといったか、その者は悪魔の末裔なのだ」
「悪魔…?」
ハルカは悪魔の血筋を引いており、秘められた力が暴走してこのようになったそうだ。
「なにそれ、一回も聞いたことないわよ!このバカハルカはなんにも教えてくれてないわね…!」
ミリアが、ため息をつく。
(親友なんだから教えてくれたっていいのに…)
「今後も暴走する可能性はあるのですか?」
女王がアーリに尋ねる。
「ああ。だが、止める方法はいくつかある」
ハルカの暴走を抑制する、それはこれからの旅で最も重要なことである。
「フロラワの花を水に溶かして飲ませるか、パルナでできた釘を肩に打ち付ける、そして…永遠に眠らせるの三つだ」
「なるほど…一番安全なのはフロラワの花ですね」
女王が言う。
「さっそく取りに行こー!」
ラフィンはヒントも何も聞かずに外へ飛び出していった…
「フロラワの花を摘みに行きましょう」
一行はフロラワを探す旅に出ることになった。
どこか遠い場所で。
「愛して、愛して、愛して、愛して!」
誰かが叫ぶ。
「…殺して」
誰もいない暗がりで。