表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てちゃんのしろ  作者: おはぎ
22/54

第22話 正体

リリアンの心は、一体どうなっているのだろうか。




「ただでさえお前は不思議なのに、不思議が増えてどうする…本物の心はどこへ行ったんだ」



「本物の心は大昔に壊れてしまったよ。そしたら偽物の心が生まれた」



本物の心は、のし掛かるストレスに耐え切れず奥深くに閉じ籠ってしまっていた。


そこで空いた隙間を埋めるために、別の心を生み出していたのだ。



「偽物の心、か…リリアン、お前、それでいいのか?幸せを感じたいだろう?」


「……!」


リリアンは、はっとしたような顔をする。


「そうだ、良い事を思い付いた。」


「今ここで生まれ変われば、最高の幸せを掴める!」


リーズンがリリアンを殴り殺そうと、襲いかかる。





「思い出した…良い思い出、一つだけ…!」




今ここで負けたら、世界が終わる。



リーズンから、世界を守る。



リヴお姉ちゃんと約束したから。




「約束だよ」



「うん!」




でも、世界を守れないかもしれない。



約束を、守れないかもしれない。



今の私じゃ、全てを背負うなんて無理だ。



せめて昔の私じゃないと。




そうだ、昔の私に、戻るんだ。



失った力を取り戻すんだ。





「…昔に戻りたい…!」


「私は世界を守る力を取り戻したい!絶対に取り戻す!あの約束を!果たしてみせる!皆のことも、救ってみせる!」



伸ばした手に光が集まり、力へと変わっていく。




「私は、神の王なんだから!」



強い想いは形となり、はるか遠くにあるハルカ達を閉じ込める牢屋の鍵を開いた。



「なんだこの力は…!ぐあああっ!」


リリアンが放った光は、リーズンと闇を海の向こうへ吹き飛ばした。





「リリアン!」



しばらくして、ハルカ達が集まってきた。



ハルカはリリアンの後ろ姿に、何故か既視感を覚える。


「うーん、何か見た事ある…」



「ハルカ、どうしたの?」


ラフィンは笑顔で聞いた。



「あ…思い出した……リリアン!」


「んー?」


リリアンも笑顔で、ハルカの方を向いた。





「私の家族を殺したのは、あなたでしょ」



空気ががらりと変わり、静かになった。



「え…?」



「とぼけても無駄よ。私は心が読めるの。てちゃん達を連れ去ったのもあなたよね?」



「え?なに…」


全員の目がリリアンに向けられた。


視線が突き刺さる。



ハルカはリリアンを王国の城に連れていった。


「犯罪者は閉じ込められる、それがルールなの」


しばらくすると、ハルカの伝えた罪が認められリリアンは地下牢に閉じ込められた。



「気付くのが遅かった。でも…これでいっぱい、褒めてくれるよね?」



ハルカから闇が溢れ出す。



「ハルカ…!」


ミリアはハルカを正気に戻そうとするが、状況は変わらない。



「…褒めてくれない…なんで…なら、嫌な気持ちになる世界なんか、消えちゃえば良いのに!」



闇は大きな翼になり、ハルカに悪魔の力を与える。





「さあミリア、遊びましょ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ