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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
20/54

第20話 悪夢

ハルカはふと思った。



(何で王国で生活をしてるんだろ…)



なにか目的があったのかもしれないが、すっかり忘れてしまった。


(まあ、いっか)





「うーん…?」


ハルカは夜中に部屋で一人起きると、謎の白い空間にいた。


「なに…ここ…」



ーー見覚えがある気がする。


透き通った空そのもののような世界。


でも、私はこの場所を知らない。



…どこからかピアノの音色が聞こえてくる。


それはとても悲しい音色。



「あそこから聞こえる…」


ハルカはピアノを弾いている少女のような者を見つけ、話しかけた。


「あの…ここは…?」



透き通った空色の長髪に、世の闇を映したような黒い目。



「それ」は返事を返さず立ち上がり、手を差し出してきた。



「握って」


「えっ…」


突然のことにハルカは驚いたが、何も言わずにその手をそっと握る。



すると、遠くに扉が現れた。


「…!」



「それ」が手を振る。



「いってらっしゃい」



…体が無意識に扉の方に動く。



気が付くとハルカはドアノブを握っていた。


「一体…なんなの…?」


恐る恐る開けてみると…



辺りが光に包まれる。


何も見えなくなった。





…光が無くなり、目を開ける。



今度は王国の中。



「また知らない場所…」



看板がある。



【ようこそプレテキテラへ】



「え…プレテキテラって滅んだんじゃなかったっけ…」



とりあえずは、過去に戻ったと思う事にしよう…。


知らない城下町をひとり歩く。



「あの…こんにちは」



一人一人に声を掛けてみても、誰も反応しない。



「私はここではユーレイみたい…」



「…じゃああの大きなお城に入れちゃうかも!」



城に向かって一歩一歩、歩きだす。




すると、城の入り口で、誰かと話しているリリアンを見つけた。



「あれ!?なんでこんな所に?」



リリアンはこちらに気づいているような動きをしたが、話しかけてこなかった。



「無視されたぁ…」





「ひーまー」



誰も話しかけてくれないので床でゴロゴロするハルカ…




………



「えっ!?寝てた!?」



城の入り口で寝てしまっていた。



とても邪魔だったであろう…




「もうちょっと歩き回ってみようかな」





再び城下町に出る。


だが、そこは焼け野原だった。



「え…なになに!?」



何が起こったのか全く分からない。



(とりあえずで、あまり壊れてない城の最上階に登ってみよう…)




………


目指す場所にたどり着いた。



「なんなのこれ…」



何もかもが理解できない。



目の前でリーズンとリリアンとリオネスが戦っている。



「名前にリがいっぱい…ってそんな事気にしてる場合じゃない、助けなきゃ!」



だがハルカが魔法を放とうとした瞬間…



リーズンが光る槍で、リリアンを突き刺してしまった。



「え…リリアン…!」



リリアンは瀕死の状態になっている。



「リリアン…リリアン!」



ハルカとリオネスは叫んだ。



空間が歪み始める。


「な、なにこれ!」


元の世界に帰ってしまうようだ。



「待って!リリアン!」



声は届かず、空間はどんどん歪んでいく。







「わっ!」



ただの夢だったようだ。


「リリアンは、生きてるよね…?」



隣の部屋を覗くと、リリアンはぐっすりと眠っていた。



「ああ…」



「ひどい悪夢だった…」



そしてハルカは二度寝する…




この夢には何か意味があるのかもしれない。



だがそれを知る術はハルカにはなかった。

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