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てちゃんのしろ  作者: おはぎ
18/54

第18話 クッキー

全員が落ち着いた頃…


ガチャン!


なんと、リリアンがノックなしで部屋に入ってきた。



「うわっ!ノックしてよ!」


「ノック?なにそれおいしいの?クッキーみたいなのかな?サクサクして美味しそう!」



ここでリリアンは面倒くさいやつだと確信したミリア。



リリアンはあっと言うように口を開け、気付いた。


「そっか!扉こんこんするの忘れてた!てへぺろー」


これはなかなかあざとい…


「人の部屋と分かってるのにノックしないって、普段どんな生活してるのよ」


ミリアがため息をつく。



コンコン…



また誰かが来たようだ。



「はーい」



ここでのラフィンは扉開け係。


ガチャ…


ノックしたのは、黒髪を腰まで伸ばした暗い雰囲気の女性だった。



「えーと…どちらさま?」



「……えっと…あの…」



女性はひどく緊張しているようだ。


両手を胸の前に重ね、下を向いている。



「どうかしたの?」


そう聞かれ、女性は寝たふりをしているリリアンを指差す。


「あの子の…姉…です」



全員がわあっと驚く。



「ええっ、お姉さんなんですか」



びっくりしてハルカがそう言うと、女性は実際はリリアンとは血の繋がりは無いと言った。



「えーと、どういうことかな…」


「その…リリアンが勝手に呼んでるだけなんです」


女性は軽く微笑んだ。


彼女がお姉ちゃんと呼ばれるようになった経緯を詳しく説明する。


…全員納得できたようだ。



そして女性はリオネスと名乗る。


「リオネスさん、よろしくね!」


ラフィンは彼女のために最高の笑顔を見せた。



…その後、皆で楽しく話していたが、リオネスはあまり楽しそうな顔はしなかった。



「そんな暗い顔しないで!ほら笑って!」


ラフィンがクッキーをはんぶんこして、リオネスに渡す。


リオネスはそれを受けとり、恐る恐る口に入れた。


サク…サク…。



「あ…おいしい…」


「でしょ!でしょ!美味しいでしょ!材料はパルタ王国産なんだよ!もう一個いる?」


ラフィンがクッキーを持って詰め寄ってくる。


…ゴン!


恐怖を感じ、後ろに下がったリオネスは、壁に頭をぶつけてしまった。



「わっ!大丈夫!?」


「いえ…大丈夫です…」


リオネスから見ると、ラフィンはただただ迷惑な人である…。


彼女に謝れば、少しだけでも印象が良くなるかもしれない。


…だがラフィンは、リオネスが頭をぶつけたのは自分のせいだと思っていなかった…。



すると突然、ハルカがラフィンの後ろに立つ。


「ん?なあに?ハルカ」


「あ、いや、おしゃべり中悪いけど…王国にモンスターが出たって連絡がきたの」



「…えっ!?」


「それもソウルっていう超巨大で強いモンスターらしい。私達の攻撃じゃ傷一つ付けられないくらい…」



…空気がしんと静まりかえる。



「ど、どうすればいいの…?」


皆から笑顔が消え去ってしまう。



「立ち向かうしかないわ。」


…ミリアの一言で、全員は「ソウル」と戦う事になった。

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