第16話 解き放たれし者
洞窟に着いたハルカ達は、神ではなくお宝を探していた。
「お宝どこだ~」
「お金…じゅるり」
金、金、と言っていると、モンスターの大軍が現れた。
「コウモリのモンスターだ!」
すかさずハルカが魔法を放つ。
「バルデニテンステンス!」
モンスターが一撃で片付く。
歩くと、奥がキラキラ光っているのが見えた。
「お、お宝!?」
ラフィンが駆けていく。
「お金ー」
ハルカはどこまでも金の亡者である。
「これは…!」
それは、お宝ではなく封印された神だった。
「これ、どうやって封印を解くの?」
「私に任せてください」
レイアが長い呪文を唱えると、封印が解けた。
神が目を開く。
「私はレイル。封印を、解いてくれて、ありがとう…」
神は少しぎこちない喋り方で、レイルと名乗った。
「レイルさん、私達の仲間になってもらえませんか!」
ハルカが突然頭を下げて頼む。
「私の仲間を全員見つけるまでなら…」
「やったー!」
ハルカ達はレイルを仲間にして、洞窟を去った。
「お宝無かったなー…」
ハルカはまだお宝の話をしている。
部屋に帰り、夕食を食べる。
「食べて元気回復しよー!」
ハルカが全員の皿の肉を山盛りにする。
「あ!ちょっと!ダイエットしてるのに!」
ミリアは自分の分を皆に分けた。
ミリア以外の人の皿の肉は、高く積まれ今にも落ちそうになっている。
「賑やかでいいね」
そう言いながら、レイルはゆっくり山盛りの肉を食べていく。
ちょっと目を離した隙に、ハルカが山盛りの肉をもう食べ終わっていた。
「食べ過ぎじゃない…?」
「もう止めた方が…」
皆の言う事は聞かずに、ハルカは肉を食べ尽くす。
「こっちの肉、美味しい!」
「あーあ、全部食べちゃったよこの食いしん坊ハルカ…」
ミリアが苦笑いして皿を片付ける。
「美味しかったね!」
「お肉は食べてないけど、美味しかった!」
ラフィンは野菜とパスタしか食べていない。
ハルカは全員の分の肉を全て食べてしまっていたのだ。
ハルカ達は明日からまた神を探しに出かける。
今度はどんな神が見つかるのだろう。