第15話 お告げ
朝ご飯を食べ終わった四人に、王国に再びモンスターが現れたという知らせが届いた。
「また王国にモンスター!?」
ハルカが目を丸くさせる。
「何回目なの…?」
ミリアは疲れきった顔をして言う。
一瞬で敵を倒せるから疲れないのではと思うが、力の反動で疲労がいつもより溜まる。
向かって来る敵を倒しながら、レイアは何か考えていた。
レイアの頭の中に、未来のハルカの声が響く。
「いや!お願い!死なないで!」
「誰か!助けて!」
聞こえる。
未来で、ハルカが助けを求める声が。
私が、行かなきゃ。
私が、ハルカ達を、助ける。
「聞こえたよ。あなたの、想い。」
その時、何者かの声が聞こえた。
「レイア、行かないの?」
「すみません、少し考え事を…」
「わたしは分かる。ハルカ達には、世界を救う力があると。だから、わたし達を助けて、世界を救って。」
「何か聞こえた?」
誰かの言葉が今のハルカに聞こえたようだ。
「何も?」
ラフィンは聞こえていない。
またモンスターを倒し、城に戻る。
「今日はご馳走を用意しました」
女王がご馳走を用意してくれたようだ。
豪華なテーブルに刺身、ステーキ、沢山のパンが置かれた。
「ふわぁ~美味しそう」
ラフィンの顔がとろけている。
「いただきます」
ご馳走はどんどん減っていき、すぐに無くなった。
「美味しかったー」
ハルカはもっと食べたい!と言いたかったが、皆に怒られそうなのでやめた。
チリンチリンと風鈴のような音がする。
「これは何ですか?」
ミリアが興味津々に聞く。
「それはポッタです。暑い季節に置いておくと、ちょっと涼しくなるんですよ」
涼しげなポッタが、どこか夏の気配を感じさせる。
四人は部屋に戻り、何か話していた。
「神様を助けに行く?」
「はい。パルタ王国の薄暗い洞窟に封印されているはずです」
「へー」
急に言い出したので、ハルカはあまり行く気が無い。
「薄暗い洞窟なんてあった?」
「地下とか?」
話を持ち掛けたレイア以外、全員ハテナだらけである。
そもそも神というものが本当に存在するのか。
「これから暇だし、とりあえず薄暗い洞窟へ行ってみよう」
「おー!」
四人は城の地下へ向かった。