第14話 約束
ミリアは夢の中で、白い少女に出会った。
少女はただただ白い空間に、ポツンと一人立っている。
ミリアは少女に近づいてみた。
すると少女はミリアの手を握った。
「ミリア、約束をする代わりに、あなたに力を授けましょう」
ミリアは頷き、少女とある約束をする。
少女と握っている手が、光り輝く。
「やったね、これであなたはサイキョーよ!」
少女はそう言うと、姿を消した。
夢から覚め、しばらく経った頃。
「また王国にモンスターが!?」
四人は急いでモンスターが現れた所に向かう。
現れたのは、普通の草原のモンスター達。
「普通のモンスターね…でも、油断は大敵!」
ミリアがモンスターの目の前に立った。
「見てなさい、私は最強なのよ!バルタルレギンザンディズム!」
紫の刃がモンスターを切り刻む。
なんと、あのミリアが一瞬でモンスター達を倒した。
「本当に最強!?」
「どうしたのミリア!熱ある?」
皆が驚いた。
少女がその強大な力をくれる、代わりの約束はどのようなものだったのだろうか。
力の強さに約束の内容は関係しているのだろうか。
関係しているならミリアが約束を果たせるのか心配だ。
四人はモンスターを倒し、部屋に帰った。
「ミリア強い…」
「強すぎる…」
まるで夢でも見ているかのような光景を目にしたハルカ達は、帰った後も驚きっぱなしである。
「レイア、何でそんな暗い顔してるの?」
レイアはラフィンにそう言われた。
「そんなに暗い顔してますか…?」
ラフィンは何も聞いていないように、小さなクッキーの袋を開ける。
「お菓子食べて元気になろー!」
レイアはラフィンに無理やりお菓子を食べさせられた。
「ミリア、本当にどうしちゃったの…?」
ハルカが心配そうに聞いた。
「別にどうもしてないわ。ただ夢の中で女の子から力をもらっただけよ」
「夢の中で…女の子…力…?」
ハルカは全く理解できていない。
そうだ。ハルカは自分が難しいと思った事は、どれだけ教えても理解できないのだ。
「まあ、ハルカもミリアもお菓子食べよう!きっと元気百倍になれるよ!」
ハルカとミリアはレイアと同じように、ラフィンにお菓子を口の中に無理やり入れられた。
「お、おいしい!」
クッキーの材料はパルタ王国産なので美味しい。
四人はこの日、ぐっすり眠れた。
日が昇り、外が明るくなる。
ハルカ達はそれぞれの想いを持って、戦いに臨む。
「皆!今日も頑張ろう!」