第13話 本を読もう
ハルカとミリアは、まだ見ぬ本を求めて書斎に来た。
「何かあるかな?」
ハルカがキョロキョロと本を探す。
「これ面白そうじゃない?永遠の王国・プレテキテラ」
ミリアが面白そうな本を見つけたようだ。
プレテキテラ、名前は知っているが何の事なのか分からなかった。
ハルカがプレテキテラの事がずっと知りたかったというので読んでみる。
「1ページ目ー!」
ハルカはわくわくしながらページをめくる。
最初、世界には二つの神がいた。その神は私達の住む土地、私達の先祖、他の神をつくった。
その神達が暮らす国をプレテキテラと呼ぶ。
「プレテキテラって国の名前だったんだ!」
本にハルカの知りたい事がたくさん書かれている。
プレテキテラには、何でもあった。米・パン・ラーメンや家はもちろん、娯楽もあった。
だが、一億年経ったある日、プレテキテラは戦争で滅びてしまう。
その戦争を起こしたのは、大魔王・リーズンだった。
「リーズン!?」
ハルカは驚いた。
大昔にもリーズンが生きていたのだ。
戦争で失われたものは多い。
国や建物、野菜などの農作物、その命を輝かせるはずだった子供達など。
二つの神は戦争が始まる直前に双子をつくった。
その名はテルカとミリア。
「ミリア!?」
二人共白く美しい髪を持ち、ミリアは優しい姉でツインテール。
テルカも優しく、髪型はおさげ。
テルカは後にパルタ王国の女王となる。
ミリアは世界を守る力を、テルカは破壊と創造の力を持っていた。
「この本のミリアってここにいるミリア!?」
「私じゃないよ!ツインテールだけど!」
挿絵があったので見ると、確かにミリアそっくりだった。
「あっ、お昼ご飯の時間だ。意外と面白かったね!」
ハルカはまだ本を読みたいという顔をしている。
「今度もここに本読みに来よう」
二人は楽しそうに部屋に戻っていった。
大昔、白い少女ミリアは、ある女性に約束をした。
この世界を守り続けよう、戦いが終わるまで。
だが、ミリアはその約束を破ってしまった。
二度と約束を破らないよう、ミリアは約束する人全員に力を与えた。
力で自分と繋いでおけば、忘れる事は無いからだ。
今日もミリアは約束をする。
これがミリアの望んだ事なのか。
何をすればミリアは救われるのか。
そんな事を考えている、最初に約束をした女性。
「早く、助けなきゃ」
女性はそう思った。